ー特別編ーWORLD・THE・LinkⅡ
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「そーいう事なら話は速いね。すこし協力してほしいんだけど」
あたしは、ひったくり事件と例のボールペンの事を簡単に説明した。
『つまり、「シルヴァークロス」の情報が欲しいからストリートコラムニストの森下に連絡してほしいってことか』
さすが、悠くんの頭の回転はスマートに速かった。
あたしはそうだといった。
『わーった。今からいう番号にかけて、俺の名前を出すといい。無茶以外ならそれなりに協力してくれるはずだ。』
あたしはお礼をいって電話を切った。
すぐに教えてもらった番号をプッシュする。
『はい、ストビー編集部』
雑誌の名前は「ストリートビート」。今やっと思い出した。
「すいません、森下さんはいらっしゃいますか?小鳥遊悠の知り合いの宗方六花っという者なんですが」
『ああ、君が宗方さんか、噂は悠くんから聞いてるよ。僕が森下だけど、何か用事かな?』
「ぶしつけなんですが、あたし今「シルヴァークロス」ってブランドについて調べてるんですけど、知っていることがあったら教えてくれませんか?」
活気のあるざわめきが電話の背景に聞こえる。
『いいよ。いつかはくると思ってたしね。』
「なんで?」
『だって「シルヴァークロス」って、君たちにぴったりなブランドじゃないか』
「どういうこと?」
森下によると「シルヴァークロス」はこの一年半ほどのあいだにのしてきたファッションブランドで、日本製にしては珍しく、ヨーロッパやアメリカでも好評を呼んでいるという。
ロッカーや俳優なんかに人気があるらしい。
創設者でチーフデザイナーをしているのは、池袋育ちの、長谷部三佐男(はせべみさお)というちょっといかれた男。
暴走族あがりで、デザインは全くの独学だそうだ。
「シルヴァークロス」が扱うのは、銀と革。
それもフォーナインやシックスナインという限りなく純粋に近い銀とスコットランドの職人がなめした最高の牛革だけ。
このブランドはストリート発で若いやつを中心に人気を集めているくせに、値段がとびきり高いことでも有名だという。
『長谷部三佐男って、真夏でも自分ブランドの革パンをはいて、ルックスも結構いいから人気があるんだ。だいたいデザイナーって当人はいまいちの事が多いのに。』
あたしは同意していいのかよくわからなかった。デザイナーに知り合いなんていないし。
「森下さんはそのコラムは書いてないの? 取材の申し込みとかしてるなら、そのデザイナーに会ってみたいんだけど」
『調べ事と関係があるのかい?』
「まぁ、そんなところ。」
『うーん、取材嫌いで有名なんだよね。けど、僕もコラムは書きたいしコンタクトしてみるよ。じゃあ』
電話を切るころには東の空は夜の色。
池袋駅前のネオンが、夜空の下半分に淡く溶けだして、オレンジや赤やピンクにかすんでいた。
あたしは、ひったくり事件と例のボールペンの事を簡単に説明した。
『つまり、「シルヴァークロス」の情報が欲しいからストリートコラムニストの森下に連絡してほしいってことか』
さすが、悠くんの頭の回転はスマートに速かった。
あたしはそうだといった。
『わーった。今からいう番号にかけて、俺の名前を出すといい。無茶以外ならそれなりに協力してくれるはずだ。』
あたしはお礼をいって電話を切った。
すぐに教えてもらった番号をプッシュする。
『はい、ストビー編集部』
雑誌の名前は「ストリートビート」。今やっと思い出した。
「すいません、森下さんはいらっしゃいますか?小鳥遊悠の知り合いの宗方六花っという者なんですが」
『ああ、君が宗方さんか、噂は悠くんから聞いてるよ。僕が森下だけど、何か用事かな?』
「ぶしつけなんですが、あたし今「シルヴァークロス」ってブランドについて調べてるんですけど、知っていることがあったら教えてくれませんか?」
活気のあるざわめきが電話の背景に聞こえる。
『いいよ。いつかはくると思ってたしね。』
「なんで?」
『だって「シルヴァークロス」って、君たちにぴったりなブランドじゃないか』
「どういうこと?」
森下によると「シルヴァークロス」はこの一年半ほどのあいだにのしてきたファッションブランドで、日本製にしては珍しく、ヨーロッパやアメリカでも好評を呼んでいるという。
ロッカーや俳優なんかに人気があるらしい。
創設者でチーフデザイナーをしているのは、池袋育ちの、長谷部三佐男(はせべみさお)というちょっといかれた男。
暴走族あがりで、デザインは全くの独学だそうだ。
「シルヴァークロス」が扱うのは、銀と革。
それもフォーナインやシックスナインという限りなく純粋に近い銀とスコットランドの職人がなめした最高の牛革だけ。
このブランドはストリート発で若いやつを中心に人気を集めているくせに、値段がとびきり高いことでも有名だという。
『長谷部三佐男って、真夏でも自分ブランドの革パンをはいて、ルックスも結構いいから人気があるんだ。だいたいデザイナーって当人はいまいちの事が多いのに。』
あたしは同意していいのかよくわからなかった。デザイナーに知り合いなんていないし。
「森下さんはそのコラムは書いてないの? 取材の申し込みとかしてるなら、そのデザイナーに会ってみたいんだけど」
『調べ事と関係があるのかい?』
「まぁ、そんなところ。」
『うーん、取材嫌いで有名なんだよね。けど、僕もコラムは書きたいしコンタクトしてみるよ。じゃあ』
電話を切るころには東の空は夜の色。
池袋駅前のネオンが、夜空の下半分に淡く溶けだして、オレンジや赤やピンクにかすんでいた。