ー特別編ーWORLD・THE・Link【後】
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「自分でもどうかしてると思うよ。でも、ヒデキは私が最低だったときにいっしょにいてくれた。だから今度はわたしの番なんだ。不気味で馬鹿みたいだけど、今のわたしには他の方法なんて考えられないよ。」
かつて一度愛した男のためにトワコは自分の可能性をすべて投げ捨てようとしていた。
新しい歌姫の恋人がたくさんの死傷者をだしたスネークバイトの調合者だと知ったら、世間は許すだろうか。
そこから先はトワコが決めることだ。
俺にはなにも言えない。
だが、どちらにしても俺は知っていた。
世の中全体が敵にまわっても、トワコは自分の足でどこまでも立ち続けることだろう。
エディがあの死にかたしか選べなかったように、トワコも立ち続けることしか選べないのだ。
おれたちは皆なるようになって、こうしてなんとか生きている。
生き方など自由に選べるというやつの気が知れなかった。
損得も色恋もトワコの意志のまえでは、愚か者の言い訳に過ぎない。
トワコは俺の耳元でいった。
「でもさ、悠くん、へたっぴーかと思ったけど、以外にうまいからびっくりしたよ。実は百戦錬磨だった?」
「また、恥ずかしい感想いいやがって。」
俺は半分泣きながら笑った。
トワコはいう。
「いつかヒデキが目を覚まして、全部話して、それでグーで思いっきり殴って、ちゃんとわたしの目を見て謝ったら、全部を許してヒデキと別れられるかもしれない。そのとき、悠くんがまだフリーで私のことがすきだったら、今度こそちゃんと付き合おうね。わたし悠くんの目も身体も性格も全部大好きだからね。」
そんな夢のような話しでも俺には嬉しかった。
「絶対に約束するか?俺といっしょに来るって」
トワコが手をさしだした。しっかりにぎると、握り返してくる。
「うん、約束する。けど、その時は悠くんが私といっしょにきてよ。」
あぁ…そうか…同じなんだ…久保ちゃんの…ときと…
俺は立ち上がった。
そのままそこにいたら、トワコの前で泣きそうだったのだ。
俺は背を伸ばしていった。
「わかった。信じてる。俺からはもう連絡しないぜ。いつかトワコから、全部終わったって電話がくるのをまってる。いつまでも待ってるから。俺だって池袋の悠なんだからな。約束は忘れないから。じゃあな。」
俺は薄暗い集中治療室の廊下をまっすぐ胸を張りあるいていった。
一度も振り返らなかった。
エレベーターはつかわず、階段をかけ降りる。
俺はそのまま夏の終わりの街にでて、まっすぐ池袋に向かった。
サングラスをかけた帰り道、ひとりで笑ったり泣いたりした。
だから、今も俺は待っている。
一本の電話とただひとりの声を。
希望のかけらがあるなら、待つことは決して悪くない。
アンタもそう思うだろ?
【WORLD・THE・LinK・西口ミッドナイトサマーレイヴ・完】
かつて一度愛した男のためにトワコは自分の可能性をすべて投げ捨てようとしていた。
新しい歌姫の恋人がたくさんの死傷者をだしたスネークバイトの調合者だと知ったら、世間は許すだろうか。
そこから先はトワコが決めることだ。
俺にはなにも言えない。
だが、どちらにしても俺は知っていた。
世の中全体が敵にまわっても、トワコは自分の足でどこまでも立ち続けることだろう。
エディがあの死にかたしか選べなかったように、トワコも立ち続けることしか選べないのだ。
おれたちは皆なるようになって、こうしてなんとか生きている。
生き方など自由に選べるというやつの気が知れなかった。
損得も色恋もトワコの意志のまえでは、愚か者の言い訳に過ぎない。
トワコは俺の耳元でいった。
「でもさ、悠くん、へたっぴーかと思ったけど、以外にうまいからびっくりしたよ。実は百戦錬磨だった?」
「また、恥ずかしい感想いいやがって。」
俺は半分泣きながら笑った。
トワコはいう。
「いつかヒデキが目を覚まして、全部話して、それでグーで思いっきり殴って、ちゃんとわたしの目を見て謝ったら、全部を許してヒデキと別れられるかもしれない。そのとき、悠くんがまだフリーで私のことがすきだったら、今度こそちゃんと付き合おうね。わたし悠くんの目も身体も性格も全部大好きだからね。」
そんな夢のような話しでも俺には嬉しかった。
「絶対に約束するか?俺といっしょに来るって」
トワコが手をさしだした。しっかりにぎると、握り返してくる。
「うん、約束する。けど、その時は悠くんが私といっしょにきてよ。」
あぁ…そうか…同じなんだ…久保ちゃんの…ときと…
俺は立ち上がった。
そのままそこにいたら、トワコの前で泣きそうだったのだ。
俺は背を伸ばしていった。
「わかった。信じてる。俺からはもう連絡しないぜ。いつかトワコから、全部終わったって電話がくるのをまってる。いつまでも待ってるから。俺だって池袋の悠なんだからな。約束は忘れないから。じゃあな。」
俺は薄暗い集中治療室の廊下をまっすぐ胸を張りあるいていった。
一度も振り返らなかった。
エレベーターはつかわず、階段をかけ降りる。
俺はそのまま夏の終わりの街にでて、まっすぐ池袋に向かった。
サングラスをかけた帰り道、ひとりで笑ったり泣いたりした。
だから、今も俺は待っている。
一本の電話とただひとりの声を。
希望のかけらがあるなら、待つことは決して悪くない。
アンタもそう思うだろ?
【WORLD・THE・LinK・西口ミッドナイトサマーレイヴ・完】