ー特別編ーWORLD・THE・Link【後】
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その部屋は公園を見下ろす角部屋だった。
扉の前にヒデキを立たせ、Sウルフのひとりがインターホンを押した。
「誰だ」
ねばりつく声。
ヒデキは答える。
「僕だ」
ロックが外れる音。
扉があくと同時にヒデキが室内に駆け込もうとした。
リッカが即座に滑り込みタカシたちが後に続いた。
ドアを抜けた最後は俺だ。
Sウルフ四人とタカシとリッカと氷室さんは足を止めていた。
イッセイの手のなかにあるものを見て、動けない理由がわかった。
緑のヘビを刺青したてにはちいさなリボルバーが握られていた。
タカシはいつもの調子でいった。
「やめておけ、そいつひとつで俺たちを倒すことはできない。みんな、抜け。」
四人はヒデキから目を離さずにヒップホルスターからナイフを抜いた。
金属の光を見て、イッセイは楽しそうにわらった。
「それもそうだな。」
イッセイは茶色いアームチェアに腰を降ろした。ひどくつかれているようだった。
俺に向かっていう。
「このレイヴをオーガナイズしたのはお前だそうだな。」
そうだといった。
「いいものを見せてもらった。感謝してる」
やつはあいた手で窓の外をさした。
「外部からの力や資本をすべて排除して自然的に人が集まる。そして存在のままに荒れ狂う。こんなレイヴが俺の理想だった」
イッセイは銃口でタカシをさした。
「お前は生意気そうだから、連れていってもいいが俺はもう面倒になった。」
こちらを向いていう。
「この前の電話でなぜ焦っているか俺に聞いたな。」
俺はうなずいた。
イッセイは老人のようなしわを口の端に浮かべて笑った。
「ガンだ。全身に転移していて手の施しようがない。」
タカシはイッセイをまっすぐ見つめていった。
「それがどうした」
イッセイは咳き込むようにわらった。
「たしかにどうということはないな。俺は最後にたくさんの人間が荒れ狂うのをみたくなった。それだけだ。年寄りが相撲や高校野球に熱中するのと変わらない。俺の場合それがドラッグとレイヴだ。」
俺には納得出来ないことがあった。
「なぜ、エディを殺した。」
面倒そうにヘビはいう。
「ああ、あのハーフのガキか。あれは事故死だ。やつはミドリをくう量を間違えたのさ。手近に死体があったから、ちょっと細工させて送ってみた。意味なんてない、死ねば人間はただのものだ」
俺のなかでなにかがグラリと揺れた。
だが、もうなにをいってもイッセイには届かない気がした。
イッセイは晴れ晴れと笑った。
「最後に見る景色が東京のまんなかのレイヴなんて最高だな。おれは当然警察病院で死ぬつもりはない」
左手でやつは黒いシャツの胸ポケットを探った。
半透明なちいさなプラボトルを取り出した。
ぱちりと音を立てて蓋をとばし、目の高さに容器をあげて乾杯のまねごとをする。
扉の前にヒデキを立たせ、Sウルフのひとりがインターホンを押した。
「誰だ」
ねばりつく声。
ヒデキは答える。
「僕だ」
ロックが外れる音。
扉があくと同時にヒデキが室内に駆け込もうとした。
リッカが即座に滑り込みタカシたちが後に続いた。
ドアを抜けた最後は俺だ。
Sウルフ四人とタカシとリッカと氷室さんは足を止めていた。
イッセイの手のなかにあるものを見て、動けない理由がわかった。
緑のヘビを刺青したてにはちいさなリボルバーが握られていた。
タカシはいつもの調子でいった。
「やめておけ、そいつひとつで俺たちを倒すことはできない。みんな、抜け。」
四人はヒデキから目を離さずにヒップホルスターからナイフを抜いた。
金属の光を見て、イッセイは楽しそうにわらった。
「それもそうだな。」
イッセイは茶色いアームチェアに腰を降ろした。ひどくつかれているようだった。
俺に向かっていう。
「このレイヴをオーガナイズしたのはお前だそうだな。」
そうだといった。
「いいものを見せてもらった。感謝してる」
やつはあいた手で窓の外をさした。
「外部からの力や資本をすべて排除して自然的に人が集まる。そして存在のままに荒れ狂う。こんなレイヴが俺の理想だった」
イッセイは銃口でタカシをさした。
「お前は生意気そうだから、連れていってもいいが俺はもう面倒になった。」
こちらを向いていう。
「この前の電話でなぜ焦っているか俺に聞いたな。」
俺はうなずいた。
イッセイは老人のようなしわを口の端に浮かべて笑った。
「ガンだ。全身に転移していて手の施しようがない。」
タカシはイッセイをまっすぐ見つめていった。
「それがどうした」
イッセイは咳き込むようにわらった。
「たしかにどうということはないな。俺は最後にたくさんの人間が荒れ狂うのをみたくなった。それだけだ。年寄りが相撲や高校野球に熱中するのと変わらない。俺の場合それがドラッグとレイヴだ。」
俺には納得出来ないことがあった。
「なぜ、エディを殺した。」
面倒そうにヘビはいう。
「ああ、あのハーフのガキか。あれは事故死だ。やつはミドリをくう量を間違えたのさ。手近に死体があったから、ちょっと細工させて送ってみた。意味なんてない、死ねば人間はただのものだ」
俺のなかでなにかがグラリと揺れた。
だが、もうなにをいってもイッセイには届かない気がした。
イッセイは晴れ晴れと笑った。
「最後に見る景色が東京のまんなかのレイヴなんて最高だな。おれは当然警察病院で死ぬつもりはない」
左手でやつは黒いシャツの胸ポケットを探った。
半透明なちいさなプラボトルを取り出した。
ぱちりと音を立てて蓋をとばし、目の高さに容器をあげて乾杯のまねごとをする。