ー特別編ーWORLD・THE・Link【後】
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憐れむような目で俺を見る。
ぼそりとつぶやいた声は聞こえなったが、口の形でなんといっているのかわかった。
(あの女か)
タカシはステージで歌っているトワコを横目でみた。
もう俺はトワコを見なかった。
タカシの耳元でいう。
「S・ウルフの精鋭を何人か貸してくれ。あの男を追いたい。」
タカシは今度ははっきりと笑った。
「いいだろう。ここは小物ばかりでつまらない。俺もいく。」
「では、私も同行します。」
いつのまにか背後にいた氷室さんと俺とタカシ、それと四人のS・ウルフがヒデキを観察しやすい場所にゆっくりと移動した。
ヒデキはトワコを一心に見上げ、ゆらゆらと芯のないダンスを踊っていた。
俺はへたりこんでしまった。なぜか全身の力が抜ける。
「ここでトワコのライヴが終わるのを待とう。やつが動くのはそれからだ。」
俺はもうそれっきりトワコもヒデキも見なかった。
音楽のない静寂の世界にいきたかった。
できればそこに男も女もなければなおいい。
沖縄音階をつかったブレイクビーツがトワコのアンコールだった。
ステージに押し寄せようとする人波のなか、逆に離れようとするヒデキの動きは目立った。
タカシがいった。
「いくぞ」
おれたちは遠くからヒデキについていった。
ヒデキはメトロポリタンホテルを目指しているようだ。
噴水の止まったアプローチを抜け、階段を軽い足取りであがった。
回転扉にやつの背中が消えると、俺たちは全力でダッシュして距離をつめた。
早朝四時近いのにホテルのロビーはざわついていた。フロントを呼ぶ電話のベルがなりやまないようだ。
きっと騒音の苦情なのだ。
ヒデキはエレベーターに乗り込んだ。
ゆっくりと閉まろうとした扉に俺はつま先を突っ込んだ。
俺は初めてやつの驚いた顔をみた。
扉が開くと、タカシと氷室さんとSウルフがなかになだれ込んだ。
俺は操作盤を確認した。
十九階だけがLEDの光を灯している
俺はトワコのボーイフレンドにいった。
「イッセイは十九階のどの部屋にいるんだ。」
やつは黙って答えなかった。俺は閉ボタンを押した。
タカシはいう。
「ここで大騒ぎを起こしてもいい。それで俺たちといっしょに池袋署にでもいくか。俺たちはお前がなにをデザインしたか知ってる」
タカシは腕を組んでじっとヒデキを見た。
氷の視線。
ヒデキの両側では氷室さんと六花が詰め寄っている。手には誰に渡されたのか改造スタンガン。
やつはききとれないほど細い声でいった。
「1917号室」
エレベーターは上昇を開始した。俺はヒデキにいった。
「そいつは公園側の部屋なんだろ。」
蒼白な顔でうなずいた。
やつが白状しなければ、俺は公園側の部屋をすべて叩き起こしてまわる気でいたのだ。
一般人の安眠を妨害しなくて良かった。
ぼそりとつぶやいた声は聞こえなったが、口の形でなんといっているのかわかった。
(あの女か)
タカシはステージで歌っているトワコを横目でみた。
もう俺はトワコを見なかった。
タカシの耳元でいう。
「S・ウルフの精鋭を何人か貸してくれ。あの男を追いたい。」
タカシは今度ははっきりと笑った。
「いいだろう。ここは小物ばかりでつまらない。俺もいく。」
「では、私も同行します。」
いつのまにか背後にいた氷室さんと俺とタカシ、それと四人のS・ウルフがヒデキを観察しやすい場所にゆっくりと移動した。
ヒデキはトワコを一心に見上げ、ゆらゆらと芯のないダンスを踊っていた。
俺はへたりこんでしまった。なぜか全身の力が抜ける。
「ここでトワコのライヴが終わるのを待とう。やつが動くのはそれからだ。」
俺はもうそれっきりトワコもヒデキも見なかった。
音楽のない静寂の世界にいきたかった。
できればそこに男も女もなければなおいい。
沖縄音階をつかったブレイクビーツがトワコのアンコールだった。
ステージに押し寄せようとする人波のなか、逆に離れようとするヒデキの動きは目立った。
タカシがいった。
「いくぞ」
おれたちは遠くからヒデキについていった。
ヒデキはメトロポリタンホテルを目指しているようだ。
噴水の止まったアプローチを抜け、階段を軽い足取りであがった。
回転扉にやつの背中が消えると、俺たちは全力でダッシュして距離をつめた。
早朝四時近いのにホテルのロビーはざわついていた。フロントを呼ぶ電話のベルがなりやまないようだ。
きっと騒音の苦情なのだ。
ヒデキはエレベーターに乗り込んだ。
ゆっくりと閉まろうとした扉に俺はつま先を突っ込んだ。
俺は初めてやつの驚いた顔をみた。
扉が開くと、タカシと氷室さんとSウルフがなかになだれ込んだ。
俺は操作盤を確認した。
十九階だけがLEDの光を灯している
俺はトワコのボーイフレンドにいった。
「イッセイは十九階のどの部屋にいるんだ。」
やつは黙って答えなかった。俺は閉ボタンを押した。
タカシはいう。
「ここで大騒ぎを起こしてもいい。それで俺たちといっしょに池袋署にでもいくか。俺たちはお前がなにをデザインしたか知ってる」
タカシは腕を組んでじっとヒデキを見た。
氷の視線。
ヒデキの両側では氷室さんと六花が詰め寄っている。手には誰に渡されたのか改造スタンガン。
やつはききとれないほど細い声でいった。
「1917号室」
エレベーターは上昇を開始した。俺はヒデキにいった。
「そいつは公園側の部屋なんだろ。」
蒼白な顔でうなずいた。
やつが白状しなければ、俺は公園側の部屋をすべて叩き起こしてまわる気でいたのだ。
一般人の安眠を妨害しなくて良かった。