ー特別編ーWORLD・THE・Link【後】
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DJは二十分ほどでつぎつぎとセットを交代した。
全速力で曲を繋いではテンションを落とすことなく、つぎのDJにバトンタッチしていく。
ステージの近くはすでに危険な密集度だった。
御厨は口元のマイクに叫んだ。
「そろそろチルアウトのスローナンバーをかけてくれ。前の客が熱くて焼けそうだ」
宮塚っ千夜がやって来た。
俺たちの側で叫ぶ。
「公園西側に十数人の警官が到着しました。」
「様子は」
「これは無許可の違法なコンサートだ。各自自宅に帰りなさい。遠巻きにそういってますが、誰もいうことは聞きません。無線や携帯がつかえないとわかると、有線電話で応援を頼みにいったようです。」
タカシは俺にうなずいた。
「ここまでは作戦どおり、あとはいつイッセイが尻尾をだすかだな。」
それから一時間、ミッドナイトサマーレイヴは高原状態をキープした。
音楽はノンストップで炸裂し、客は踊り続けた。
俺とタカシは本部に届けられる情報でなんとか事態を把握していた。
あちこちの進入路には警視庁の応援のパトカーが到着していた。
しかしSウルフの違法駐車が道路をふさぎ、その先に進入することはできなかった。
警察車両をおりた警官は音楽に酩酊状態の一万人+αにはなすすべもなかった。
伝令からの報告でウロボロスの捕獲が十名になったのが確認できた。
だが、どれも雑魚ばかりで肝心のイッセイはまだ発見されていなかった。
事態はしだいに膠着していくようだった。
タイムアウトの時間が刻々と迫っている。
トワコがステージにあがったのは午前三時。
最後のセットのひとつまえの回だ。
トワコのステージ衣装は常夏の惑星用の宇宙服みたいだった。
銀のホットパンツに銀のホルターネック。
そのうえに透明のカバーオールを重ねている。
彼女は長さ十メートルほどの荷台ステージ中央で、両手でマイクを胸元に固定し祈るようにうたいだした。
最初にきいて俺が驚いたあの新曲だった。
だが、今回はどこまでも走っていく女のイメージは沸かなかった。
それよりもそんなに急いでどこを目指しているのか心配になる。
お前の…本当の気持ちは誰のところにあるんだ。
最後に心のなかで呟いて、俺はステージから視線を切った。
トワコを無視してステージ近くに押し寄せた人波をサーチする。
左袖の近くにやつはいた。
嵐の海に浮かぶ木片のようにヒデキの顔が上下に揺れている。
夢見るような表情は初対面のときと同じだった。
タカシは俺の視線に気づいたようだ。
ヒデキを見て言う。
「あの男は誰なんだ」
胸のなかで何かが千切れるような気がした。
俺は叫んだ。
「トワコの同姓相手、それに……」
王様は平民の言葉をきこうと耳をよせた。
俺は懸命に叫んだ。
「……たぶん、スネークバイトのデザイナーだ。」
タカシは一瞬ですべてを理解したようだった。
全速力で曲を繋いではテンションを落とすことなく、つぎのDJにバトンタッチしていく。
ステージの近くはすでに危険な密集度だった。
御厨は口元のマイクに叫んだ。
「そろそろチルアウトのスローナンバーをかけてくれ。前の客が熱くて焼けそうだ」
宮塚っ千夜がやって来た。
俺たちの側で叫ぶ。
「公園西側に十数人の警官が到着しました。」
「様子は」
「これは無許可の違法なコンサートだ。各自自宅に帰りなさい。遠巻きにそういってますが、誰もいうことは聞きません。無線や携帯がつかえないとわかると、有線電話で応援を頼みにいったようです。」
タカシは俺にうなずいた。
「ここまでは作戦どおり、あとはいつイッセイが尻尾をだすかだな。」
それから一時間、ミッドナイトサマーレイヴは高原状態をキープした。
音楽はノンストップで炸裂し、客は踊り続けた。
俺とタカシは本部に届けられる情報でなんとか事態を把握していた。
あちこちの進入路には警視庁の応援のパトカーが到着していた。
しかしSウルフの違法駐車が道路をふさぎ、その先に進入することはできなかった。
警察車両をおりた警官は音楽に酩酊状態の一万人+αにはなすすべもなかった。
伝令からの報告でウロボロスの捕獲が十名になったのが確認できた。
だが、どれも雑魚ばかりで肝心のイッセイはまだ発見されていなかった。
事態はしだいに膠着していくようだった。
タイムアウトの時間が刻々と迫っている。
トワコがステージにあがったのは午前三時。
最後のセットのひとつまえの回だ。
トワコのステージ衣装は常夏の惑星用の宇宙服みたいだった。
銀のホットパンツに銀のホルターネック。
そのうえに透明のカバーオールを重ねている。
彼女は長さ十メートルほどの荷台ステージ中央で、両手でマイクを胸元に固定し祈るようにうたいだした。
最初にきいて俺が驚いたあの新曲だった。
だが、今回はどこまでも走っていく女のイメージは沸かなかった。
それよりもそんなに急いでどこを目指しているのか心配になる。
お前の…本当の気持ちは誰のところにあるんだ。
最後に心のなかで呟いて、俺はステージから視線を切った。
トワコを無視してステージ近くに押し寄せた人波をサーチする。
左袖の近くにやつはいた。
嵐の海に浮かぶ木片のようにヒデキの顔が上下に揺れている。
夢見るような表情は初対面のときと同じだった。
タカシは俺の視線に気づいたようだ。
ヒデキを見て言う。
「あの男は誰なんだ」
胸のなかで何かが千切れるような気がした。
俺は叫んだ。
「トワコの同姓相手、それに……」
王様は平民の言葉をきこうと耳をよせた。
俺は懸命に叫んだ。
「……たぶん、スネークバイトのデザイナーだ。」
タカシは一瞬ですべてを理解したようだった。