ー特別編ーWORLD・THE・Link【後】
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池袋駅のほうから巨大なパネルトラックが三台、銀の腹を光らせゆっくりと公園脇の道に入ってきた。
御厨がいった。
「ステージ車のまえに本部をつくる。みんな移動してくれ。時間が勝負だレイヴを始めるぞ」
皆がうなずく中、タカシがいった。
「悠。一言いえよ。」
「なにを?」
タカシはそれ以上なにもいわず。
全員の視線が俺に集まった。
「っち……ヘヴンはレイヴに、俺たちは街に…ヘビに毒を撒かれた。今夜はヘビが人を咬む番じゃない。俺たちが狩る番だ。皆……反撃開始だ。」
各自近くにいた奴と拳をぶつけあって、俺たちは人間の盾に守られて、ステージ前の最高の場所に歩いていった。
ヘヴンのスタッフによってふた張りのテントがあっという間につくられた。
そのあいだSウルフ+αは腕を組んで周囲の客に圧力をかけていた。
先頭には巨人の金剛。
誰かが手拍子を始めた。
ヘヴン、ヘヴン、ヘヴン。しだいに歓声はおおきくなり。
池袋西口のビル街にエコーをひいて天国を呼ぶ声が反響した。
Sウルフのトレーニングスーツ姿の澪が、俺たちのいるテントに駆け込んできた。
タカシのまえで直立不動になると息をきらし叫んだ。
「ミドリの売人をひとり拘束」
タカシはニコリともせずうなずいた。
「わかった。戻ってくれ。」
澪は息をすぐに整えてまた大観衆に消えてしまう。
俺はいった。
「今のは?」
タカシはいった。
「携帯が使えないだろ。四人組(フォーマンセル)で組ませて、部隊長級(リーダークラス)に五分おきに伝令を報告にくることになってるのさ。狩の成果をつたえにな。」
無線のない時代の戦というのは大変だったのだろう。俺はおかしなところに感心した。
中央のトラックのサイドパネルが鳥の翼のようにひらく。
なかにはブースがふたつ設置され、DJがスタンバイしていた。
ステージ車両の中央から青いレーザー光線が走った。
東京芸術劇場のななめのガラス屋根にあたって反射した青い光は池袋の空高くどこまでも跳ねていた。
大歓声は公園の木々を揺らした。
シンセサイザーの薄っぺらなファンファーレが鳴って、スポットライトのなかDJは高々と手をあげた。
御厨は有線のヘッドセットをつけ、腕時計を見ている。
「さあ、始まるぞ。始発が動き出すまでの三時間が勝負だ。みんな頼む。」
俺とタカシはうなずき返した。
DJの指先がキーボードに落ちてきた。
胸のなかの空気まで叩き出されるような音量で、シンセドラムの四つ打ちが始まった。
原始のリズムだ。夜の底で歓声が爆発し、手を空に向けてレイヴァーがいっせいに踊り出した。
何度目かの伝令が走ってきて(今度は拓哉だ。)、PAの音量に負けずに叫んだ。
「ミドリのヘビの捕獲は四匹になりましたよ。」
王様はやつの耳元でいった。
「アタマはいたか」
拓哉は首を横にふる。
タカシの手には若い頃のやつの写真があった。
御厨とイッセイがなかの良かっころの記念写真だ。
御厨がいった。
「ステージ車のまえに本部をつくる。みんな移動してくれ。時間が勝負だレイヴを始めるぞ」
皆がうなずく中、タカシがいった。
「悠。一言いえよ。」
「なにを?」
タカシはそれ以上なにもいわず。
全員の視線が俺に集まった。
「っち……ヘヴンはレイヴに、俺たちは街に…ヘビに毒を撒かれた。今夜はヘビが人を咬む番じゃない。俺たちが狩る番だ。皆……反撃開始だ。」
各自近くにいた奴と拳をぶつけあって、俺たちは人間の盾に守られて、ステージ前の最高の場所に歩いていった。
ヘヴンのスタッフによってふた張りのテントがあっという間につくられた。
そのあいだSウルフ+αは腕を組んで周囲の客に圧力をかけていた。
先頭には巨人の金剛。
誰かが手拍子を始めた。
ヘヴン、ヘヴン、ヘヴン。しだいに歓声はおおきくなり。
池袋西口のビル街にエコーをひいて天国を呼ぶ声が反響した。
Sウルフのトレーニングスーツ姿の澪が、俺たちのいるテントに駆け込んできた。
タカシのまえで直立不動になると息をきらし叫んだ。
「ミドリの売人をひとり拘束」
タカシはニコリともせずうなずいた。
「わかった。戻ってくれ。」
澪は息をすぐに整えてまた大観衆に消えてしまう。
俺はいった。
「今のは?」
タカシはいった。
「携帯が使えないだろ。四人組(フォーマンセル)で組ませて、部隊長級(リーダークラス)に五分おきに伝令を報告にくることになってるのさ。狩の成果をつたえにな。」
無線のない時代の戦というのは大変だったのだろう。俺はおかしなところに感心した。
中央のトラックのサイドパネルが鳥の翼のようにひらく。
なかにはブースがふたつ設置され、DJがスタンバイしていた。
ステージ車両の中央から青いレーザー光線が走った。
東京芸術劇場のななめのガラス屋根にあたって反射した青い光は池袋の空高くどこまでも跳ねていた。
大歓声は公園の木々を揺らした。
シンセサイザーの薄っぺらなファンファーレが鳴って、スポットライトのなかDJは高々と手をあげた。
御厨は有線のヘッドセットをつけ、腕時計を見ている。
「さあ、始まるぞ。始発が動き出すまでの三時間が勝負だ。みんな頼む。」
俺とタカシはうなずき返した。
DJの指先がキーボードに落ちてきた。
胸のなかの空気まで叩き出されるような音量で、シンセドラムの四つ打ちが始まった。
原始のリズムだ。夜の底で歓声が爆発し、手を空に向けてレイヴァーがいっせいに踊り出した。
何度目かの伝令が走ってきて(今度は拓哉だ。)、PAの音量に負けずに叫んだ。
「ミドリのヘビの捕獲は四匹になりましたよ。」
王様はやつの耳元でいった。
「アタマはいたか」
拓哉は首を横にふる。
タカシの手には若い頃のやつの写真があった。
御厨とイッセイがなかの良かっころの記念写真だ。