ー特別編ーWORLD・THE・Link【後】
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あちこちで誰かが持ち込んだラジカセがレイヴ音楽で空気を歪ませていた。
抱き合ってほとんどセックス直前という雰囲気のカップル。
すでに地面に伸びている酔っぱらい。
笑いながら殴りあっている上半裸の男たち。
植え込みに吐いたり小便をするガキ。
まだ音楽も始まっていないのに、なぜか西口公園にはでために自由の空気が流れていた。
仕事がなければ、夢のような夜だったかもしれない。
だが、俺には探し物があった。
無数の顔のなかから俺が探していたのは二つの顔だった。
イッセイとヒデキ、ウロボロスの頭についたふたつの眼だ。
どのくらい歩き回ったのか、俺にはよくわからない。
携帯が鳴ったのは夜十一時すこしまえだった。
池袋の王様の声が低く聞こえる。
『悠、今どこにいる?もうすぐ、携帯がつかえなくなるぞ。東武デパート口にすぐこい。』
俺はわかったといって通話を切った。
普段なら三分あれば反対側の東武デパートにつけるのに、その夜は人をかきわけ十数分かかった。
東武デパート口の植え込みまえには半円形にS・ウルフが人間の盾をつくっていた。
その中だけ誰かとふれあわずに立っていられるスペースがある。
俺は盾にうなずいて中にはいった。
タカシと氷室さんにNo.sが数人。
御厨とトワコとヘヴンのスタッフが何人か顔を揃えていた。
俺を見るとタカシが声をかけてきた。
「遅かったな。もい携帯は使用不能だ。禅、稲葉、将也が三十台も小型ジャマーを用意した。妨害電波は強力だった。Sウルフに持たせて、カバーしているそうだ。」
俺はうなずいてタカシにいった。
「そっちのウロボロス狩はどうだ。」
王様は薄く笑った。
「公園の端にレンタルの四トントラックがとめてある。ミドリをもってるやつ、ミドリのヘビを刺青してるやつは、すべてSウルフ及び秋葉東口連合隊が見つけしだい押さえて、そこに放り込むてはずになっている。」
御厨は俺にいった
「あれは見たかな。」
岡崎ヒデキのファイルだ。
俺は黙ってうなずいた。
御厨もわかっているのだろう。
あとは何もいわずに園内の熱気を眺めている。
俺は植え込みの陰にトワコを呼んだ。
耳元で囁く。
「今日はヒデキってきてるのかな」
トワコは黒いフィールドコートに顔の半分を隠すサングラス。
ここで正体がばれたら暴動が起きるかもしれない。
とがったあごでうなずいた。
「うん。私のステージがあるから必ずくるよ。彼は大人だから、私たちのことを気づいてもおかしな態度は取らないと思う。それがどうかしたの」
俺は顔を伏せていった。
「向こうが大人でも、なんだか俺のほうが落ち着かないよ。まともに顔をみられそうにないんだ。あとでヒデキがきたら教えてくれ。」
俺もトワコに負けずに嘘がうまいみたいだ。
「わかった」
そのとき地鳴りのような大歓迎が沸きおこった。
抱き合ってほとんどセックス直前という雰囲気のカップル。
すでに地面に伸びている酔っぱらい。
笑いながら殴りあっている上半裸の男たち。
植え込みに吐いたり小便をするガキ。
まだ音楽も始まっていないのに、なぜか西口公園にはでために自由の空気が流れていた。
仕事がなければ、夢のような夜だったかもしれない。
だが、俺には探し物があった。
無数の顔のなかから俺が探していたのは二つの顔だった。
イッセイとヒデキ、ウロボロスの頭についたふたつの眼だ。
どのくらい歩き回ったのか、俺にはよくわからない。
携帯が鳴ったのは夜十一時すこしまえだった。
池袋の王様の声が低く聞こえる。
『悠、今どこにいる?もうすぐ、携帯がつかえなくなるぞ。東武デパート口にすぐこい。』
俺はわかったといって通話を切った。
普段なら三分あれば反対側の東武デパートにつけるのに、その夜は人をかきわけ十数分かかった。
東武デパート口の植え込みまえには半円形にS・ウルフが人間の盾をつくっていた。
その中だけ誰かとふれあわずに立っていられるスペースがある。
俺は盾にうなずいて中にはいった。
タカシと氷室さんにNo.sが数人。
御厨とトワコとヘヴンのスタッフが何人か顔を揃えていた。
俺を見るとタカシが声をかけてきた。
「遅かったな。もい携帯は使用不能だ。禅、稲葉、将也が三十台も小型ジャマーを用意した。妨害電波は強力だった。Sウルフに持たせて、カバーしているそうだ。」
俺はうなずいてタカシにいった。
「そっちのウロボロス狩はどうだ。」
王様は薄く笑った。
「公園の端にレンタルの四トントラックがとめてある。ミドリをもってるやつ、ミドリのヘビを刺青してるやつは、すべてSウルフ及び秋葉東口連合隊が見つけしだい押さえて、そこに放り込むてはずになっている。」
御厨は俺にいった
「あれは見たかな。」
岡崎ヒデキのファイルだ。
俺は黙ってうなずいた。
御厨もわかっているのだろう。
あとは何もいわずに園内の熱気を眺めている。
俺は植え込みの陰にトワコを呼んだ。
耳元で囁く。
「今日はヒデキってきてるのかな」
トワコは黒いフィールドコートに顔の半分を隠すサングラス。
ここで正体がばれたら暴動が起きるかもしれない。
とがったあごでうなずいた。
「うん。私のステージがあるから必ずくるよ。彼は大人だから、私たちのことを気づいてもおかしな態度は取らないと思う。それがどうかしたの」
俺は顔を伏せていった。
「向こうが大人でも、なんだか俺のほうが落ち着かないよ。まともに顔をみられそうにないんだ。あとでヒデキがきたら教えてくれ。」
俺もトワコに負けずに嘘がうまいみたいだ。
「わかった」
そのとき地鳴りのような大歓迎が沸きおこった。