ー特別編ーWORLD・THE・Link【後】
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「土原、夙川…」
「やぁ。センパイ。」
「そちらもこれ?」
二人は大きな花束を両手いっぱい持っている。
「ああ。そうだ。よくエディだってわかったな。」
夙川がいった。
いつもの口調じゃなく真面目だ。
「あの手をみればね…。エディはいいやつだったよ。ちょっとジャンキーだったけど…」
土原もうなずいていった。
「けど、こんな死に方はあんまりだぜ。頭はまだ見つからないって…ふざけてる。」
二人の言いっていることは痛いほど伝わってくる。
俺はいった。
「ミッドナイトサマーレイヴ」
二人は顔を見合わせた。
「エディを思うなら参加しろ。それが敵討ちになるぜ」
俺はなにも説明せず河川敷から離れ家に帰った。
タカシは俺の身の安全が気になったようだ。
その日から三人のSウルフが俺の警護につくことになった。
リーダーは紅で無理なときは拓也がわざわざ来てくれるほどた。
買い物をしたり、街を歩くときはいつでも。
慣れきった街をひとりで歩くことさえできない。
レイヴまでの数日間、俺は孤独というものの贅沢さを身に沁みて感じるようになった。
土曜日の午後、いきなりバイク便がうちに届いた。
A4の封筒にはヘヴンのロゴがある。
俺は家のまえのガードレールにもう四時間も腰をおろしている紅と拓哉を呼んだ。
「お前らまだ居たのか平気だから帰れよ。焼け死ぬぞ。」
ざっぷり汗をかいた拓哉は疲れ知らずの笑顔でいった。
「首切りサイコ野郎が居るのに放置できないだろ。」
「気持ちは嬉しいけど、俺を守って刺されるのは見たくない。」
紅がお下げを指で弾いていった。
「俺らが刺されるっとでも?」
「なら俺が刺されるのもあり得ない。休みの日くらい休め。明日はオール覚悟なんだからな。」
二人はうなずきあって、わかったと言って帰っていく。
俺は紅と拓哉の背中を見送り、封筒を開き、レポートの表紙を読んだ。
【岡崎英樹の調査および報告書】
そのしたには聞いたことのない興信所のマークがはいっていた。
俺は一枚目をめくり目をとおした。
ヒデキは横浜生まれ。
地元の中高一貫進学校にすすみ、優秀な成績で名門私立大学の薬学部に入学。
教授の推薦を受けて藤沢にある立木製薬の中央研究所に勤務していた。
そこをやめたのは二十代後半で、それ以降表だった職業には就いていない。
同居人がひとりいる。
トワコの本名は島尾直美といった。
こいつがヒデキの光のあたるほうの略歴。
御厨はずいぶん金を使ったのだろう。
このあとには日のあたらない裏側の華々しい勲章が記されていた。
ヒデキは中学二年生でせきどめ薬の乱用で最初の補導を記録する。
高校にはいると市販薬ではなく、医師の診断書が必要な睡眠導入剤や抗鬱剤を乱用するようになる。
何度かの入院記録が残っていた。
どの学校でも頭の悪いガキが薬物に手を出すときは大抵シンナーや覚醒剤だった。
頭のいいやつはエクスタシーやマリファナ、あるいは小難しい名前のついた薬物に染まる。
やつは典型的な後者だった。
「やぁ。センパイ。」
「そちらもこれ?」
二人は大きな花束を両手いっぱい持っている。
「ああ。そうだ。よくエディだってわかったな。」
夙川がいった。
いつもの口調じゃなく真面目だ。
「あの手をみればね…。エディはいいやつだったよ。ちょっとジャンキーだったけど…」
土原もうなずいていった。
「けど、こんな死に方はあんまりだぜ。頭はまだ見つからないって…ふざけてる。」
二人の言いっていることは痛いほど伝わってくる。
俺はいった。
「ミッドナイトサマーレイヴ」
二人は顔を見合わせた。
「エディを思うなら参加しろ。それが敵討ちになるぜ」
俺はなにも説明せず河川敷から離れ家に帰った。
タカシは俺の身の安全が気になったようだ。
その日から三人のSウルフが俺の警護につくことになった。
リーダーは紅で無理なときは拓也がわざわざ来てくれるほどた。
買い物をしたり、街を歩くときはいつでも。
慣れきった街をひとりで歩くことさえできない。
レイヴまでの数日間、俺は孤独というものの贅沢さを身に沁みて感じるようになった。
土曜日の午後、いきなりバイク便がうちに届いた。
A4の封筒にはヘヴンのロゴがある。
俺は家のまえのガードレールにもう四時間も腰をおろしている紅と拓哉を呼んだ。
「お前らまだ居たのか平気だから帰れよ。焼け死ぬぞ。」
ざっぷり汗をかいた拓哉は疲れ知らずの笑顔でいった。
「首切りサイコ野郎が居るのに放置できないだろ。」
「気持ちは嬉しいけど、俺を守って刺されるのは見たくない。」
紅がお下げを指で弾いていった。
「俺らが刺されるっとでも?」
「なら俺が刺されるのもあり得ない。休みの日くらい休め。明日はオール覚悟なんだからな。」
二人はうなずきあって、わかったと言って帰っていく。
俺は紅と拓哉の背中を見送り、封筒を開き、レポートの表紙を読んだ。
【岡崎英樹の調査および報告書】
そのしたには聞いたことのない興信所のマークがはいっていた。
俺は一枚目をめくり目をとおした。
ヒデキは横浜生まれ。
地元の中高一貫進学校にすすみ、優秀な成績で名門私立大学の薬学部に入学。
教授の推薦を受けて藤沢にある立木製薬の中央研究所に勤務していた。
そこをやめたのは二十代後半で、それ以降表だった職業には就いていない。
同居人がひとりいる。
トワコの本名は島尾直美といった。
こいつがヒデキの光のあたるほうの略歴。
御厨はずいぶん金を使ったのだろう。
このあとには日のあたらない裏側の華々しい勲章が記されていた。
ヒデキは中学二年生でせきどめ薬の乱用で最初の補導を記録する。
高校にはいると市販薬ではなく、医師の診断書が必要な睡眠導入剤や抗鬱剤を乱用するようになる。
何度かの入院記録が残っていた。
どの学校でも頭の悪いガキが薬物に手を出すときは大抵シンナーや覚醒剤だった。
頭のいいやつはエクスタシーやマリファナ、あるいは小難しい名前のついた薬物に染まる。
やつは典型的な後者だった。