ー特別編ーWORLD・THE・Link【後】
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御厨がルームキーを片手にいった。
「に、二番目に広いエグゼクティブスィートをとってある。いこう」
俺たちは二台のエレベーターに分乗して、二十二階の客室にあがった。
西口公園を見下ろす窓辺のテーブルにタカシは白地図を広げた。
すでに西口公園周辺の道路には印がつけてあった。
タカシはレーザーポインターで地図をさした。
「公園の北側に三本、東側に四本、南側に二本道路がある。道幅の大小はあるが、こいつをS・ウルフでとめるのはそれほど難しくない。問題は劇場通りに面した西側だな。六車線もある大通りだし、広い歩道が何十メートルも続いている。厄介なことに通りの先には池袋署もある。深夜とはいえ夜勤の警官がすこしは残っているだろう。」
俺はいった。
「そこは人垣で埋めるか、バリケードでもつくるしかないんじゃないか」
トワコが窓の外を見下ろして口を開いた。
「封鎖作戦はS・ウルフにまかせるけど、会場はこのくらいのおおきさの広場だよね。もし一万人の客が集まれば、うしろのほうは劇場通りに溢れるんじゃないかな。バリケードなんかつくらなくても、なかにはいってくるのは難しいと思うよ。」
そうかもな、タカシの声は冷静だった。
視線で宮塚にうながすと、やつは池袋にのりいれてあるJR、営団地下鉄、私鉄、バスの最終時刻を読み上げていった。
御厨がいった。
「十二時に現地に集合して、レイヴのスタートは深夜一時というところかな。このキャパシティなら、十トン積みのパネルトラックが三台あればいい。ステージ車が一台に、PAが左右に二台。理想をいえばPAをもう二台増やして半円形に広場を包みたいところだ。電気は公園の管理用のラインから引いてもいいが、念のために電源車を用意しておこう」
タカシは俺を見ていった。
「交通と人の流れをとめる。そいつはわかった。お前さっきの電話で、携帯の電波をどうするとかいってたな」
俺はうなずいた。
「そうだ。東京のまんなかでヘヴンが無料のレイヴをやるんだ。人を集めるのは簡単だが、現場のガキが携帯でダチを呼んだら、人が増えすぎて収拾がつかなくなる。火事場の野次馬といっしょだ。レイヴの規模をおれたちにコントロール出来る限りで抑えておかないと、本当の暴動になるかもしれない」
トワコはにっと笑い、ちいさな声でいった。
「そういうのもちょっとおもしろいけどね」
俺はトワコを無視していった。
「妨害波をだして携帯をつかえなくするのは、警察や救急を呼べなくするためでもあるし、ウロボロス内部の情報交換をストップさせるためでもある。」
タカシはうなずいていった。
「そうなるとヘヴンもS・ウルフも携帯はつかえなくなるな。俺たちはどうするんだ」
俺は肩をすくめた。
「に、二番目に広いエグゼクティブスィートをとってある。いこう」
俺たちは二台のエレベーターに分乗して、二十二階の客室にあがった。
西口公園を見下ろす窓辺のテーブルにタカシは白地図を広げた。
すでに西口公園周辺の道路には印がつけてあった。
タカシはレーザーポインターで地図をさした。
「公園の北側に三本、東側に四本、南側に二本道路がある。道幅の大小はあるが、こいつをS・ウルフでとめるのはそれほど難しくない。問題は劇場通りに面した西側だな。六車線もある大通りだし、広い歩道が何十メートルも続いている。厄介なことに通りの先には池袋署もある。深夜とはいえ夜勤の警官がすこしは残っているだろう。」
俺はいった。
「そこは人垣で埋めるか、バリケードでもつくるしかないんじゃないか」
トワコが窓の外を見下ろして口を開いた。
「封鎖作戦はS・ウルフにまかせるけど、会場はこのくらいのおおきさの広場だよね。もし一万人の客が集まれば、うしろのほうは劇場通りに溢れるんじゃないかな。バリケードなんかつくらなくても、なかにはいってくるのは難しいと思うよ。」
そうかもな、タカシの声は冷静だった。
視線で宮塚にうながすと、やつは池袋にのりいれてあるJR、営団地下鉄、私鉄、バスの最終時刻を読み上げていった。
御厨がいった。
「十二時に現地に集合して、レイヴのスタートは深夜一時というところかな。このキャパシティなら、十トン積みのパネルトラックが三台あればいい。ステージ車が一台に、PAが左右に二台。理想をいえばPAをもう二台増やして半円形に広場を包みたいところだ。電気は公園の管理用のラインから引いてもいいが、念のために電源車を用意しておこう」
タカシは俺を見ていった。
「交通と人の流れをとめる。そいつはわかった。お前さっきの電話で、携帯の電波をどうするとかいってたな」
俺はうなずいた。
「そうだ。東京のまんなかでヘヴンが無料のレイヴをやるんだ。人を集めるのは簡単だが、現場のガキが携帯でダチを呼んだら、人が増えすぎて収拾がつかなくなる。火事場の野次馬といっしょだ。レイヴの規模をおれたちにコントロール出来る限りで抑えておかないと、本当の暴動になるかもしれない」
トワコはにっと笑い、ちいさな声でいった。
「そういうのもちょっとおもしろいけどね」
俺はトワコを無視していった。
「妨害波をだして携帯をつかえなくするのは、警察や救急を呼べなくするためでもあるし、ウロボロス内部の情報交換をストップさせるためでもある。」
タカシはうなずいていった。
「そうなるとヘヴンもS・ウルフも携帯はつかえなくなるな。俺たちはどうするんだ」
俺は肩をすくめた。