ー特別編ーWORLD・THE・Link【前】
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タカシはいつも冷たく微笑んでいるので、冗談だか本音だか、付き合いの長い俺もよくわからないところがあった。
俺は笑いながらいった。
「ヨレヨレの汗くさいTシャツでも、ゴテゴテのジープでも、金がなくても、それがいいといってくれる女もいるしな、ごくまれにだけど。」
「男もね。」
タカシは端正な顔をこっちに向けて、真面目な表情になった。
「女たちのほとんどは、男を見る目などない。俺が女だったら、きっとおれよりも悠のような男を選ぶと思う。いや、むしろ、お前らが付き合うといいかもな。」
これはロマンチックな告白なのだろうか。ここでイエスというと、俺たちは池袋のキング&クイーンになるのだろうか。
だいたい、そのときにはどっちの方がクイーンなんだ。
タカシは下々もの憂慮など意に介さずにいった。
「西口の放火犯のほうは片付いたが、二人ともまだ残ってるな。」
そのとおりだ…
リッカもともきも片付けた…次は俺の番だ。
リッカを西口一番街で降ろし、再び車が走り出す。
少ししてタカシの携帯が鳴り、しばらく話したあといった。
「お前、エディって呼び込みのガキを知ってるな。」
「ああ、それがどうした。」
タカシは焦らずにゆうゆうといった。
「あのガキがスネークバイトを池袋で売っていた。サンシャイン六十階通りの真ん中でだぞ。」
俺は叫び声をあげそうになった。ジャンキーが売人になる。
最悪の出世コースだ。
あがりは檻のなかか中毒死。
「やつをどうした。」
「まだどうもしていない。縛って転がしてあるそうだ。あとはお前に相談だ。エディをどうする?」
「とにかく会わせろ!」
タカシが指を弾くと運転手の本郷がうなずき車が加速した。
ーラスタ・ラブー
東池袋一丁目の地下一階。俺とタカシが階段を降りていくと、S・ウルフNo.sの宮塚がハンドサインをだし、軽くうなずいて黒塗りの扉を引き、店内に入る。
珍しく照明がついていた。
この店はいつもならブラックライトに壁の落書きが光るコンクリートの黒い箱だ。
俺は二階のガラスの壁で仕切られたVIPルームに急いだ。
赤いベロアの円形ソファの側で見知った顔の数人に囲まれたエディが縛られている。
俺が近づくと一人が声をかけてきた。
「どうしたんだ、悠。その格好。どこかの火山から避難してきたのか。」
何時だったか地域通貨の件で一緒に走りまわった澪だ。
俺は汗と泥でべたべたのTシャツを見下ろした。
エディが俺に気がつくと口に押し込まれたボールギャグからよだれをたらして叫んだ。
「悠さん」
俺はエディの横に膝をついた。
やつの上半身を起こしてやる。
口の詰め物を外してタカシにいった。
「ちょっと手を貸してくれ。やつをソファに座らせたい。」
タカシがうなずくと近くにいた澪と黒っぽい銀髪の女がエディの両脇に腕をいれ軽々ともちあげた。
ソファのうえに落とす。
ドラッグ好きの呼び込みは、二、三度跳ねてから落ち着いた。
俺はやつの正面に座り、じっと目を見つめていた。
俺は笑いながらいった。
「ヨレヨレの汗くさいTシャツでも、ゴテゴテのジープでも、金がなくても、それがいいといってくれる女もいるしな、ごくまれにだけど。」
「男もね。」
タカシは端正な顔をこっちに向けて、真面目な表情になった。
「女たちのほとんどは、男を見る目などない。俺が女だったら、きっとおれよりも悠のような男を選ぶと思う。いや、むしろ、お前らが付き合うといいかもな。」
これはロマンチックな告白なのだろうか。ここでイエスというと、俺たちは池袋のキング&クイーンになるのだろうか。
だいたい、そのときにはどっちの方がクイーンなんだ。
タカシは下々もの憂慮など意に介さずにいった。
「西口の放火犯のほうは片付いたが、二人ともまだ残ってるな。」
そのとおりだ…
リッカもともきも片付けた…次は俺の番だ。
リッカを西口一番街で降ろし、再び車が走り出す。
少ししてタカシの携帯が鳴り、しばらく話したあといった。
「お前、エディって呼び込みのガキを知ってるな。」
「ああ、それがどうした。」
タカシは焦らずにゆうゆうといった。
「あのガキがスネークバイトを池袋で売っていた。サンシャイン六十階通りの真ん中でだぞ。」
俺は叫び声をあげそうになった。ジャンキーが売人になる。
最悪の出世コースだ。
あがりは檻のなかか中毒死。
「やつをどうした。」
「まだどうもしていない。縛って転がしてあるそうだ。あとはお前に相談だ。エディをどうする?」
「とにかく会わせろ!」
タカシが指を弾くと運転手の本郷がうなずき車が加速した。
ーラスタ・ラブー
東池袋一丁目の地下一階。俺とタカシが階段を降りていくと、S・ウルフNo.sの宮塚がハンドサインをだし、軽くうなずいて黒塗りの扉を引き、店内に入る。
珍しく照明がついていた。
この店はいつもならブラックライトに壁の落書きが光るコンクリートの黒い箱だ。
俺は二階のガラスの壁で仕切られたVIPルームに急いだ。
赤いベロアの円形ソファの側で見知った顔の数人に囲まれたエディが縛られている。
俺が近づくと一人が声をかけてきた。
「どうしたんだ、悠。その格好。どこかの火山から避難してきたのか。」
何時だったか地域通貨の件で一緒に走りまわった澪だ。
俺は汗と泥でべたべたのTシャツを見下ろした。
エディが俺に気がつくと口に押し込まれたボールギャグからよだれをたらして叫んだ。
「悠さん」
俺はエディの横に膝をついた。
やつの上半身を起こしてやる。
口の詰め物を外してタカシにいった。
「ちょっと手を貸してくれ。やつをソファに座らせたい。」
タカシがうなずくと近くにいた澪と黒っぽい銀髪の女がエディの両脇に腕をいれ軽々ともちあげた。
ソファのうえに落とす。
ドラッグ好きの呼び込みは、二、三度跳ねてから落ち着いた。
俺はやつの正面に座り、じっと目を見つめていた。