ー特別編ーWORLD・THE・Link【前】
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やつの表情はいきなり空白になった。
クスリでいかれた頭が嫌なことを考えたがらないのかもしれない。ゆっくりと首を振る。
「いいや。飛びと依存性は強力だといっていたが、あったとしても、酔っぱらいのケンカ程度の話で、通り魔に豹変したなんてきかないな。誰か犠牲者はでたのかな。」
「死人は出てないようだ、まだ今のところはな。俺はなぜこれほどウロボロスが焦っているのか、その理由が知りたい。アンタはイッセイと古い友達だそうだな。なにか組織のなかで変化があったのか」
ソウメイはうんざりしたような顔をした。
暗がりに目をそらす。
「この三年くらい、彼とは話をしていない。電話でさえね。口をきけば、レイヴの本質に返れなんて説教ばかりだ。自分は最悪のドラッグを売ってる癖にね。いつまでもヘヴンにつきまとって、イッセイにも困ったもんだ。」
確かにウロボロはヘヴンにくっついたストーカーのようなものかもしれない。
コバンザメでなくコバンヘビ。
だが、こいつは猛毒を撒き散らす。
御厨は思い出したようにいった。
「うちのスポンサーが騒ぎだしている。つぎの二週間後、商業レイヴまでにスネークバイトは片付かないだろうか。」
おれは頭のなかで悲鳴をあげそうだった。
御厨は他人事のようにいった。
「今度うちが主催するレイヴで薬物事件が起きたら、代理店がスポンサーを総引き上げするというんだ。そうなると、いくら日本のレイヴのパイオニア何て言われたって、大規模なレイヴはもうオーガナイズできなくなる。うちはスタッフも結構抱えているからね。失業したらみんな今の世の中厳しいだろうな」
経済ニュースで不況のきつさを指摘する大学教授のようだった。
人間は他人の痛みはいくらでも耐えられるということか。
俺は腹が立ってきた。
「二週間でそううまくウロボロスが片づくか。だいたい…アンタはいつだって、そうやってドラッグを決めて浮世離れしたことをいう。本気で売人たちを締め出す気があるのか!それに街に出回ったスネークバイトはどうするんだ!この前のレイヴで死んだ女の子や、通り魔に刺されたやつらに、ヘヴンはなんの痛みもかんじないのか!あんたには…想像力が欠けてるよ…。」
御厨は困ったようにいう。
「わかってるさ。だけど、ぼくになにができるんだ。毎月のように新しいレイヴをオーガナイズするだけで、こっちは全力失踪なんだ。ゆとりなんて全然ない。レイヴがなんであるかまったく知らない自治体やクライアントに説明し、必死で集める。たいした利益もないのに、毎月三分の一は徹夜仕事だ。それでもヘヴンは商業主義だ、資本家の犬だと悪口を言われる。ヤクでもやらなきゃやってられない!!」
俺たちはだいぶ興奮していたようだった。
日本語のよくわからない外国人が目を丸くしてこちらを見ていた。
御厨は意志の力で笑顔をつくっていう。
「こんなときにいい争ってもしかたない。悠くん、ヘヴンには最高のレイヴをオーガナイズするしかできることはない。きみは何とか二週間以内にウロボロスを止める方法を考え出してくれ。」
クスリでいかれた頭が嫌なことを考えたがらないのかもしれない。ゆっくりと首を振る。
「いいや。飛びと依存性は強力だといっていたが、あったとしても、酔っぱらいのケンカ程度の話で、通り魔に豹変したなんてきかないな。誰か犠牲者はでたのかな。」
「死人は出てないようだ、まだ今のところはな。俺はなぜこれほどウロボロスが焦っているのか、その理由が知りたい。アンタはイッセイと古い友達だそうだな。なにか組織のなかで変化があったのか」
ソウメイはうんざりしたような顔をした。
暗がりに目をそらす。
「この三年くらい、彼とは話をしていない。電話でさえね。口をきけば、レイヴの本質に返れなんて説教ばかりだ。自分は最悪のドラッグを売ってる癖にね。いつまでもヘヴンにつきまとって、イッセイにも困ったもんだ。」
確かにウロボロはヘヴンにくっついたストーカーのようなものかもしれない。
コバンザメでなくコバンヘビ。
だが、こいつは猛毒を撒き散らす。
御厨は思い出したようにいった。
「うちのスポンサーが騒ぎだしている。つぎの二週間後、商業レイヴまでにスネークバイトは片付かないだろうか。」
おれは頭のなかで悲鳴をあげそうだった。
御厨は他人事のようにいった。
「今度うちが主催するレイヴで薬物事件が起きたら、代理店がスポンサーを総引き上げするというんだ。そうなると、いくら日本のレイヴのパイオニア何て言われたって、大規模なレイヴはもうオーガナイズできなくなる。うちはスタッフも結構抱えているからね。失業したらみんな今の世の中厳しいだろうな」
経済ニュースで不況のきつさを指摘する大学教授のようだった。
人間は他人の痛みはいくらでも耐えられるということか。
俺は腹が立ってきた。
「二週間でそううまくウロボロスが片づくか。だいたい…アンタはいつだって、そうやってドラッグを決めて浮世離れしたことをいう。本気で売人たちを締め出す気があるのか!それに街に出回ったスネークバイトはどうするんだ!この前のレイヴで死んだ女の子や、通り魔に刺されたやつらに、ヘヴンはなんの痛みもかんじないのか!あんたには…想像力が欠けてるよ…。」
御厨は困ったようにいう。
「わかってるさ。だけど、ぼくになにができるんだ。毎月のように新しいレイヴをオーガナイズするだけで、こっちは全力失踪なんだ。ゆとりなんて全然ない。レイヴがなんであるかまったく知らない自治体やクライアントに説明し、必死で集める。たいした利益もないのに、毎月三分の一は徹夜仕事だ。それでもヘヴンは商業主義だ、資本家の犬だと悪口を言われる。ヤクでもやらなきゃやってられない!!」
俺たちはだいぶ興奮していたようだった。
日本語のよくわからない外国人が目を丸くしてこちらを見ていた。
御厨は意志の力で笑顔をつくっていう。
「こんなときにいい争ってもしかたない。悠くん、ヘヴンには最高のレイヴをオーガナイズするしかできることはない。きみは何とか二週間以内にウロボロスを止める方法を考え出してくれ。」