ー特別編ーWORLD・THE・Link【前】
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やぶ蚊に刺され、枯れ草や木の根につまずきながら、ジリジリと高度を稼いでいく。
何度目かの折り返しで背後を振り向くと、夜空の底に丸く広がる千葉の海を望めた。
俺は手段から遅れだしたトワコにいった。
「アンタの荷物もってやろうか」
義足で登山はきついだろう。だが、トワコは口をまっすぐ結んでいう。
「私は自分の荷物は自分でもつ。きつくなったら休むから、悠君は先にいっていいよ。」
「……あ!」
「え?きゃ!」
なんだかよくわからないがムカついたのでトワコの荷物を無理やり奪った。
「俺は他人の荷物を持つのが好きなんだ。目的地に着いたら返すよ。」
あきれた顔のをトワコと一緒にゆっくりと夜の山を登っていった。
海岸沿いの山の頂上は階段状の岩場になっていた。
おれとトワコは一時間半かけて、ようやくそこまでたどり着いた。
あちこちでポータブル発電機がうなりをあげている。ちいさなテントがひと張り、生い茂った緑を背にして設置されていた。
なかにはDJブースがつくられ、足元にはコードがとぐろを巻いている。
両脇に積み上げられているのは、大型の段ボール箱ほどのスピーカーを重ねた山。
このサウンドシステムのすべてをヘヴンのスタッフが担いであげたのだ。
俺はあきれるというより、ちょっと感動していた。
やつらはレイヴが終了すれば、明日の午後にはすべて担いでまた山道を降りていくのだろう。
俺はグッタリと腰をおろしているトワコをおいて、御厨を探しにテントに向かった。
その夜のDJと話してるヘヴン代表に声をかけた。
「ちょっといいかな。」
俺が声をかけると、やつは異様に濡れた目でこちらを振り向いた。
不思議に思って聞いてみる。
「泣いてるの、御厨さん」
天国の代表は涙目でわらった。
「クスリによっては妙に目が乾くことがあるんだ。今、目薬をさしたところだ。そんなことより、ようこそシークレットレイヴへ。楽しんでくれ」
俺はあきれていった。
「幕張であんな事件が起きたあとでも、レイヴはちゃんとやるんだな。」
「もちろんだ。存在のままに荒れ狂うのがレイヴの本質だ。君はなにがあったって、存在するのをやめられないだろう」
もっともな台詞だった。
俺たちはテントの外に移動した。
あたりに人がいないのを確認して俺はいった。
「スネークバイトが街中に出回っているのを知っているか」
御厨は幸せそうな笑顔のままうなずいた。
「知ってる」
「じゃあ、今日の午前中にあった三件の通り魔事件にていては」
ソフトドラッグで完全に決まった代表は無邪気に首を振った。
「今日は一日ここにいたからな。通り魔がどうしたんだ」
俺は柏からもらった情報を少しだけ流してやった。
「三人とも新型のスネークバイトをくってたらしい。警察では薬物乱用事件として捜査本部をつくったそうだ。向こうももう本気だよ。御厨さん、これまでミドリをくって突然凶暴になったりしたジャンキーはいなかったのか」
何度目かの折り返しで背後を振り向くと、夜空の底に丸く広がる千葉の海を望めた。
俺は手段から遅れだしたトワコにいった。
「アンタの荷物もってやろうか」
義足で登山はきついだろう。だが、トワコは口をまっすぐ結んでいう。
「私は自分の荷物は自分でもつ。きつくなったら休むから、悠君は先にいっていいよ。」
「……あ!」
「え?きゃ!」
なんだかよくわからないがムカついたのでトワコの荷物を無理やり奪った。
「俺は他人の荷物を持つのが好きなんだ。目的地に着いたら返すよ。」
あきれた顔のをトワコと一緒にゆっくりと夜の山を登っていった。
海岸沿いの山の頂上は階段状の岩場になっていた。
おれとトワコは一時間半かけて、ようやくそこまでたどり着いた。
あちこちでポータブル発電機がうなりをあげている。ちいさなテントがひと張り、生い茂った緑を背にして設置されていた。
なかにはDJブースがつくられ、足元にはコードがとぐろを巻いている。
両脇に積み上げられているのは、大型の段ボール箱ほどのスピーカーを重ねた山。
このサウンドシステムのすべてをヘヴンのスタッフが担いであげたのだ。
俺はあきれるというより、ちょっと感動していた。
やつらはレイヴが終了すれば、明日の午後にはすべて担いでまた山道を降りていくのだろう。
俺はグッタリと腰をおろしているトワコをおいて、御厨を探しにテントに向かった。
その夜のDJと話してるヘヴン代表に声をかけた。
「ちょっといいかな。」
俺が声をかけると、やつは異様に濡れた目でこちらを振り向いた。
不思議に思って聞いてみる。
「泣いてるの、御厨さん」
天国の代表は涙目でわらった。
「クスリによっては妙に目が乾くことがあるんだ。今、目薬をさしたところだ。そんなことより、ようこそシークレットレイヴへ。楽しんでくれ」
俺はあきれていった。
「幕張であんな事件が起きたあとでも、レイヴはちゃんとやるんだな。」
「もちろんだ。存在のままに荒れ狂うのがレイヴの本質だ。君はなにがあったって、存在するのをやめられないだろう」
もっともな台詞だった。
俺たちはテントの外に移動した。
あたりに人がいないのを確認して俺はいった。
「スネークバイトが街中に出回っているのを知っているか」
御厨は幸せそうな笑顔のままうなずいた。
「知ってる」
「じゃあ、今日の午前中にあった三件の通り魔事件にていては」
ソフトドラッグで完全に決まった代表は無邪気に首を振った。
「今日は一日ここにいたからな。通り魔がどうしたんだ」
俺は柏からもらった情報を少しだけ流してやった。
「三人とも新型のスネークバイトをくってたらしい。警察では薬物乱用事件として捜査本部をつくったそうだ。向こうももう本気だよ。御厨さん、これまでミドリをくって突然凶暴になったりしたジャンキーはいなかったのか」