ー特別編ーWORLD・THE・Link【前】
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ガキの王の声が引き締まった。
「そうだ。おまえに見せたいものがある。そいつが本格的に始まるのが今夜十二時すぎなんだ。悠、おまえ、レイヴを知ってるか。」
レイヴ?自分でいったことはないが、エディに聞いてだいたいの内容は予想がついた。
「名前だけは知ってる。徹夜で騒ぐ西洋盆踊りだろ」
「まあ、そんなところだ」
タカシは最後にいった。
「幕張メッセの受付にお前の名前でチケットを預けておく。ひとりじゃつまらないかもしれないな。誰かいい人がいるなら、誘ってこいよ。チケットは二枚にしておく。」
タカシは鼻先で笑う。
どうせ女などいないだろうと甘く見ているのだ。
俺は平民の底力を見せつけようと、車から降りた瞬間、その場で五人の女に電話をかけた。
女達の返事はみんな同じだ。
レイヴ?いきたーい、でも今夜はダメ。
また誘ってね、悠ちゃん。
相手を傷つけない断りかたなんてマニュアルが雑誌にのってるんだろうか。
まあ、午後に即日デートの誘いだから、難しいのはわかっていた。
だが、これではタカシにさらになめられてしまう。
俺は無性に腹をたてながら、本屋に向かった。
むやみに並んだ本にガンを飛ばす。
なんでこんなにたくさん本を刷る必要があるんだ、どうせ誰も読みはしないのに。
取り澄ました小綺麗な背表紙はなんの返事もしなかった。
その夜、マオの冷たい視線をかいくぐり。
終電間近のJR京葉線に乗り換えて幕張にいった。
結果おれの誘いにイエスといってくれたのはエディだけだった。
やつは京葉線は初めてだといい、子供のように電車の窓に張り付いていた。
暗い水平線と海沿いの住宅の明かり。
やせた背中を見ながら、おれは初めてやつにあったときのことを思い出していた。
今年の夏が本格的に始まるまえだろうか、池袋名物の黒人呼び込み軍団のなかにひとつだけ不安そうな顔があった。
エディは仕事熱心で、誰彼なく声をかけ続け、結局悪いくじを引いた。
要町のOD(オーバードライブ)は紅派に属するS・ウルフの中でもちょっと名の知れた武闘派チームだ。
ガンくれたの、くれないのと五秒でもめ事がスパークする。
ガキの頭についてる導火線はえらく短いのだ。
エディひとりにS・ウルフは四人。
Pパルコの先、線路わきに長く延びる駅前公園に連れていかれる途中で、俺はやつらとぶつかった。
話をきく。
最初はあきらめ面をしていたエディ。
要町のヘッド青山拓哉と俺が話をつけてトラブルはあっさり解決。
エディはそれから俺のことを悠さんと呼び、ストリートの新しい噂を流してくれるようになった。
毎日新しいスマートドラッグの組み合わせを試しながら、やつは池袋の街に立っている。
でたらめに厳しい仕事なのに、とろけるような笑顔を浮かべたままね。
「そうだ。おまえに見せたいものがある。そいつが本格的に始まるのが今夜十二時すぎなんだ。悠、おまえ、レイヴを知ってるか。」
レイヴ?自分でいったことはないが、エディに聞いてだいたいの内容は予想がついた。
「名前だけは知ってる。徹夜で騒ぐ西洋盆踊りだろ」
「まあ、そんなところだ」
タカシは最後にいった。
「幕張メッセの受付にお前の名前でチケットを預けておく。ひとりじゃつまらないかもしれないな。誰かいい人がいるなら、誘ってこいよ。チケットは二枚にしておく。」
タカシは鼻先で笑う。
どうせ女などいないだろうと甘く見ているのだ。
俺は平民の底力を見せつけようと、車から降りた瞬間、その場で五人の女に電話をかけた。
女達の返事はみんな同じだ。
レイヴ?いきたーい、でも今夜はダメ。
また誘ってね、悠ちゃん。
相手を傷つけない断りかたなんてマニュアルが雑誌にのってるんだろうか。
まあ、午後に即日デートの誘いだから、難しいのはわかっていた。
だが、これではタカシにさらになめられてしまう。
俺は無性に腹をたてながら、本屋に向かった。
むやみに並んだ本にガンを飛ばす。
なんでこんなにたくさん本を刷る必要があるんだ、どうせ誰も読みはしないのに。
取り澄ました小綺麗な背表紙はなんの返事もしなかった。
その夜、マオの冷たい視線をかいくぐり。
終電間近のJR京葉線に乗り換えて幕張にいった。
結果おれの誘いにイエスといってくれたのはエディだけだった。
やつは京葉線は初めてだといい、子供のように電車の窓に張り付いていた。
暗い水平線と海沿いの住宅の明かり。
やせた背中を見ながら、おれは初めてやつにあったときのことを思い出していた。
今年の夏が本格的に始まるまえだろうか、池袋名物の黒人呼び込み軍団のなかにひとつだけ不安そうな顔があった。
エディは仕事熱心で、誰彼なく声をかけ続け、結局悪いくじを引いた。
要町のOD(オーバードライブ)は紅派に属するS・ウルフの中でもちょっと名の知れた武闘派チームだ。
ガンくれたの、くれないのと五秒でもめ事がスパークする。
ガキの頭についてる導火線はえらく短いのだ。
エディひとりにS・ウルフは四人。
Pパルコの先、線路わきに長く延びる駅前公園に連れていかれる途中で、俺はやつらとぶつかった。
話をきく。
最初はあきらめ面をしていたエディ。
要町のヘッド青山拓哉と俺が話をつけてトラブルはあっさり解決。
エディはそれから俺のことを悠さんと呼び、ストリートの新しい噂を流してくれるようになった。
毎日新しいスマートドラッグの組み合わせを試しながら、やつは池袋の街に立っている。
でたらめに厳しい仕事なのに、とろけるような笑顔を浮かべたままね。