ー特別編ーWORLD・THE・Link【前】
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慎重に指先から数粒落とし、スプーンでかきまぜた。どんぶりを戻すと、少し自信を持った表情でいう。
「のんでみろ。ただし、先に水で口をすすいでからな。」
俺は冷水のコップをあけてから、同じどんぶりに口をつけた。
今度はしっかりうまかった。軽くて香ばしいスープになっている。
千夜はいった。
「素人はだからダメなんだ。無化調なんか、なんでもイメージだけで決めつけやがる。…人工はダメで、天然ならいいとかな。しっかりとだしを取ったスープに、ほんのわずか使うと化学調味料はいい味をだすんだよ。まるで別物になる。うちのラーメンにはかかせねぇもんだ。」
俺はスープをのみほしていった。
「わかったよ。お客はみんな素人で、しかもやつらは自分の舌より、ネットや雑誌の情報を信じてる。」
ともきがいった。
「この店にとってはありがたくない話ってわけか。」
「……」
千夜がカウンターのしたから、半透明の指定ごみ袋を取り出した。
袋の口をあけて、おれたちに見せる。
中身は血の固まりがこびりついたトリガラと野菜クズだった。
まっすぐ俺たちを見ていった。
「今朝きてみると店の前に撒いてあった…。うちの常連にきいたところじゃ、この店の悪口をいうボケがこのあたりをうろちょろしているらしい。」
「行列の近くでわざと誰かがそんなことをいっていたそうです。これで悠さんをお呼びした理由がわかりますよね?」
ともきがいった。
「悪質な噂で営業妨害をしてるやつらを見つけキツイお灸をすえること。」
「なるほどね…。」
嫌がらせ犯の追跡調査か…確かにこれなら無茶苦茶危ないことは無いだろう。
チラッと崇を見るとあごの先だけで外に出ろと合図してくる。
「んじゃ、頑張ってくれ。ともき。」
俺はともきの肩を叩いた。
「………はい?」
千夜がいった。
「待て。悠どうゆう事だ!」
「悪い。俺いまから別件があるだ。大丈夫、ともきは優秀だから。次は麺もいれてくれな。」
心の中で謝りながら、俺は崇と店を出た。
店の前にはいつのまにかポルシェのカイエンが止まっている。
「いつものRVは?」
「車検だ。乗れ。」
俺は革シートに座った。
内装は赤みかかったブラウンだ。
崇も乗り込むと車はゆっくり走り出した。
運転手は本郷。
「そろそろ、説明してくれてもいいんじゃないか。いったい何処につれてく気だ。」
「…お前放火事件について聞いてるか。」
「ああ。未遂やなんやで二桁のりしてるやつだろ。たしか昨日も文化通りの近くであったらしいな。」
「そうだ。放火にあったのは、うちのOBの店だ。『むかしむかし』おぼえてるか。」
なんどか顔を出したことがある。
和柄のものが多く、俺の服の五割はあそこで揃えたものだ。
「放火犯を探せってか?」
「ふふ。そうだ。今からお偉方が集まるミーティングにいく。あと六花も呼んである。」
どうやら、拒否権はないらしい。
おれはあきらめて窓の外を眺めていた。
「のんでみろ。ただし、先に水で口をすすいでからな。」
俺は冷水のコップをあけてから、同じどんぶりに口をつけた。
今度はしっかりうまかった。軽くて香ばしいスープになっている。
千夜はいった。
「素人はだからダメなんだ。無化調なんか、なんでもイメージだけで決めつけやがる。…人工はダメで、天然ならいいとかな。しっかりとだしを取ったスープに、ほんのわずか使うと化学調味料はいい味をだすんだよ。まるで別物になる。うちのラーメンにはかかせねぇもんだ。」
俺はスープをのみほしていった。
「わかったよ。お客はみんな素人で、しかもやつらは自分の舌より、ネットや雑誌の情報を信じてる。」
ともきがいった。
「この店にとってはありがたくない話ってわけか。」
「……」
千夜がカウンターのしたから、半透明の指定ごみ袋を取り出した。
袋の口をあけて、おれたちに見せる。
中身は血の固まりがこびりついたトリガラと野菜クズだった。
まっすぐ俺たちを見ていった。
「今朝きてみると店の前に撒いてあった…。うちの常連にきいたところじゃ、この店の悪口をいうボケがこのあたりをうろちょろしているらしい。」
「行列の近くでわざと誰かがそんなことをいっていたそうです。これで悠さんをお呼びした理由がわかりますよね?」
ともきがいった。
「悪質な噂で営業妨害をしてるやつらを見つけキツイお灸をすえること。」
「なるほどね…。」
嫌がらせ犯の追跡調査か…確かにこれなら無茶苦茶危ないことは無いだろう。
チラッと崇を見るとあごの先だけで外に出ろと合図してくる。
「んじゃ、頑張ってくれ。ともき。」
俺はともきの肩を叩いた。
「………はい?」
千夜がいった。
「待て。悠どうゆう事だ!」
「悪い。俺いまから別件があるだ。大丈夫、ともきは優秀だから。次は麺もいれてくれな。」
心の中で謝りながら、俺は崇と店を出た。
店の前にはいつのまにかポルシェのカイエンが止まっている。
「いつものRVは?」
「車検だ。乗れ。」
俺は革シートに座った。
内装は赤みかかったブラウンだ。
崇も乗り込むと車はゆっくり走り出した。
運転手は本郷。
「そろそろ、説明してくれてもいいんじゃないか。いったい何処につれてく気だ。」
「…お前放火事件について聞いてるか。」
「ああ。未遂やなんやで二桁のりしてるやつだろ。たしか昨日も文化通りの近くであったらしいな。」
「そうだ。放火にあったのは、うちのOBの店だ。『むかしむかし』おぼえてるか。」
なんどか顔を出したことがある。
和柄のものが多く、俺の服の五割はあそこで揃えたものだ。
「放火犯を探せってか?」
「ふふ。そうだ。今からお偉方が集まるミーティングにいく。あと六花も呼んである。」
どうやら、拒否権はないらしい。
おれはあきらめて窓の外を眺めていた。