ー特別編ーWORLD・THE・Link【前】
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エディはにやにやしながらいう。
「どっちもアメリカのちゃんとした製薬会社の製品で、FDAの許可もとってるし安全バリバリですよ。悠さんは学生だから、こいつをくったらすげーいい感じになるかもよ」
頭の悪い俺はやつの誘い文句にぐらりときた。
頭がスマートになるからスマートドラッグ。
そのうちひと粒のめば億万長者になるミリオネアドラッグがでるかもな。
「はは、やめとく。俺の頭の悪さは薬ぐらいじゃどうにもならないからな。」
そのときPダッシュパルコのエントランスわきに積んであるスピーカーから、でたらめなスピードのシンセドラムが流れ出した。
油圧ハンマーで腹をたたかれる強烈なビート。
鋼のような強いソプラノがそのあいだを貫いてどこまでも伸びる。
「永遠子(とわこ)の新曲だ!」
エディはそういうとデパートまえの路上でいきなり踊りだした。
ストライプのベースボールシャツと同じ柄のスエットパンツ。
どちらもハサミで開けばダブルサイズのシーツがつくれるくらいブカブカだ。
そのなかでゆるやかにリズムを刻んで、エディは全身の関節をうねらせている。
袋にいれたヘビが中でリズミカルに暴れているようだった。
さっきのガキ達がエディを指差し騒いでいる。
やつは俺にウインクすると、笑って女子中学生に手を振った。
躍りながらいう。
「いい音楽にいいクスリ。今日もほんとにクールだねー」
日陰の百葉箱のなかでさえ三十六度を超えているのだ。
俺たちのいる白いタイル張りの歩道はプラス十度というところか。
俺はあきれてやつの胸を見た。
うねるBBQのロゴ。
それはやつが動くヒップホップファッション専門店の名前で、NYの下町ブルックリン、ブロンクス、クイーンズの頭文字だという。
東京でいえば、池袋、大塚、巣鴨ってところか。
踊り続けるエディに手を振って、俺はその場を離れた。
踊りは苦手だし、わき役のままでいるのも気が進まない。
それに危うく俺の手足がリズムをとりそうになっていたのだ。
音楽の力は血液注射するドラッグと同じだ。
即効性があり強烈無比。
俺は日陰を選びながら東口のゲーセンに向かった。
最近の趣味のひとつで俺には珍しく格ゲーにはまっていた。
学校をサボり連日連夜ゲーセンに入りびたり、ハイスコアを更新し続けた。
百円だま一枚で他のチャレンジャーが集まってくるので、安上がりに長時間暇潰しになる。
今日もすでにチャレンジャーを26人抜き。
夕方になって、学生やガキの数が増えてきて俺の後ろにはギャラリーができはじめた。
こーゆーのも、たまには悪くない。
そう、思いながら27人目のチャレンジャーを待っているとコインを入れる音が前から聞こえた。
「お、新しい人?」
俺が前の機械に話しかけたが返答はなく、すぐにバトルが始まった。
「おっ…んっ…とっ…」
開始スタートと同時に遠距離技…空中に投げられてコンボ…しかも止めは即死技…
1フレームでこのコマンド…上手い。
俺は呆気なく負けた。
「どっちもアメリカのちゃんとした製薬会社の製品で、FDAの許可もとってるし安全バリバリですよ。悠さんは学生だから、こいつをくったらすげーいい感じになるかもよ」
頭の悪い俺はやつの誘い文句にぐらりときた。
頭がスマートになるからスマートドラッグ。
そのうちひと粒のめば億万長者になるミリオネアドラッグがでるかもな。
「はは、やめとく。俺の頭の悪さは薬ぐらいじゃどうにもならないからな。」
そのときPダッシュパルコのエントランスわきに積んであるスピーカーから、でたらめなスピードのシンセドラムが流れ出した。
油圧ハンマーで腹をたたかれる強烈なビート。
鋼のような強いソプラノがそのあいだを貫いてどこまでも伸びる。
「永遠子(とわこ)の新曲だ!」
エディはそういうとデパートまえの路上でいきなり踊りだした。
ストライプのベースボールシャツと同じ柄のスエットパンツ。
どちらもハサミで開けばダブルサイズのシーツがつくれるくらいブカブカだ。
そのなかでゆるやかにリズムを刻んで、エディは全身の関節をうねらせている。
袋にいれたヘビが中でリズミカルに暴れているようだった。
さっきのガキ達がエディを指差し騒いでいる。
やつは俺にウインクすると、笑って女子中学生に手を振った。
躍りながらいう。
「いい音楽にいいクスリ。今日もほんとにクールだねー」
日陰の百葉箱のなかでさえ三十六度を超えているのだ。
俺たちのいる白いタイル張りの歩道はプラス十度というところか。
俺はあきれてやつの胸を見た。
うねるBBQのロゴ。
それはやつが動くヒップホップファッション専門店の名前で、NYの下町ブルックリン、ブロンクス、クイーンズの頭文字だという。
東京でいえば、池袋、大塚、巣鴨ってところか。
踊り続けるエディに手を振って、俺はその場を離れた。
踊りは苦手だし、わき役のままでいるのも気が進まない。
それに危うく俺の手足がリズムをとりそうになっていたのだ。
音楽の力は血液注射するドラッグと同じだ。
即効性があり強烈無比。
俺は日陰を選びながら東口のゲーセンに向かった。
最近の趣味のひとつで俺には珍しく格ゲーにはまっていた。
学校をサボり連日連夜ゲーセンに入りびたり、ハイスコアを更新し続けた。
百円だま一枚で他のチャレンジャーが集まってくるので、安上がりに長時間暇潰しになる。
今日もすでにチャレンジャーを26人抜き。
夕方になって、学生やガキの数が増えてきて俺の後ろにはギャラリーができはじめた。
こーゆーのも、たまには悪くない。
そう、思いながら27人目のチャレンジャーを待っているとコインを入れる音が前から聞こえた。
「お、新しい人?」
俺が前の機械に話しかけたが返答はなく、すぐにバトルが始まった。
「おっ…んっ…とっ…」
開始スタートと同時に遠距離技…空中に投げられてコンボ…しかも止めは即死技…
1フレームでこのコマンド…上手い。
俺は呆気なく負けた。