ー特別編ーWORLD・THE・Link【前】
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動きがあったのは六日目の明け方。
東の空さえまだ真っ黒な朝の四時十分まえだった。
あたしと鈴猫さんと三人のS・ウルフは、ヒップホップのレコード屋、ソウルキッチンのまえにいた。
この店ではガラス戸のしたのほうに、例のグラフィティがかかれていた。
R22-10。誰もいない。
「ん~っ…はぁ…毎朝大変よね。」
鈴猫さんが背伸びをして存在感のある胸をこっちに向ける。
じつに柔らかそうな胸、枕にしてみたい。こんど頼んでみようかしら。
「けど、珍しいですね。鈴猫さんが直接参加するなんて。」
このパトロールは師団長級(No.s)は一部の物好きを除いて基本的には部下のガキがやっている。
「いや…騙されて…」
鈴猫さんがガクンっと肩を落としで暗くなる。
あたしは聞いてみた。
「騙された?」
「タカシによ…。トラブルシューターが参加してるぞ。お前もやらないか。って…そしたら悠じゃなくリッカちゃんだったわけ。あ、別にリッカちゃんが悪いとかじゃないからね。」
あたしは笑顔でうなずいた。
しかし、感心する。
タカシはトラブルシューター=悠とはいっていないから間違いではない。
「それにしても、スズネさんはいったい悠君のどこがいいんですか?」
「え、えーと…顔とか…ちょっと子供っぽいけど…大人なところとか…他にも…」
うーん…恋は人を盲目にしてしまうようね。
スズネさんは指を付き合わせてモジモジと話す。
正直、もっといい相手がいると思う。
のんびりしていると携帯がなった。
「リッカです。」
S・ウルフの声がした。
名前は確か、Dイチ。チームは麒麟だったはず。
『ガキを確保しましたナイトフライです。やつは黒いスプレーとオイルライター、それに詰め替え用のオイル缶も持っています。』
「すぐにいくわ。じたばた騒ぐようなら、警察をよぶっていって」
『了解』
あたしは走りながら叫んだ。
夜明けの空気は冷たく、肺に心地いい。
「みんな、西池のナイトフライよ。走れ!」
そのバーまでは直線距離で四百メートル。
オリンピック選手なら四十秒少々で駆け抜ける距離ね。
あたしたちもスニーカーをアスファルトに鳴らして、西の空をめざして走った。
ガキはSウルフに挟まれて、バーの前のガードレールに腰かけていた。
「痛いよ、話してくれ……痛いんだって」
黒縁のメガネをかけていた。ジーンズにチェックの長袖シャツ。
あたしと同じ高校生くらいかしら。
Dイチがガキのウエストポーチをさしだした。
中を確かめようとしたら、泣きそうな声でいった。
「やめてくれ、どんな権利があって、人の持ち物なんかみるんだよ」
黙ってファスナーを開き、ナイロンの中身を探る。
口紅くらいの太さの黒いスプレー。
タバコはラッキーストライク。
だけど、フェイクなのだろう、吸った形跡はなかった。
ライターは銀のジッポに、オイル缶がひとつ。
東の空さえまだ真っ黒な朝の四時十分まえだった。
あたしと鈴猫さんと三人のS・ウルフは、ヒップホップのレコード屋、ソウルキッチンのまえにいた。
この店ではガラス戸のしたのほうに、例のグラフィティがかかれていた。
R22-10。誰もいない。
「ん~っ…はぁ…毎朝大変よね。」
鈴猫さんが背伸びをして存在感のある胸をこっちに向ける。
じつに柔らかそうな胸、枕にしてみたい。こんど頼んでみようかしら。
「けど、珍しいですね。鈴猫さんが直接参加するなんて。」
このパトロールは師団長級(No.s)は一部の物好きを除いて基本的には部下のガキがやっている。
「いや…騙されて…」
鈴猫さんがガクンっと肩を落としで暗くなる。
あたしは聞いてみた。
「騙された?」
「タカシによ…。トラブルシューターが参加してるぞ。お前もやらないか。って…そしたら悠じゃなくリッカちゃんだったわけ。あ、別にリッカちゃんが悪いとかじゃないからね。」
あたしは笑顔でうなずいた。
しかし、感心する。
タカシはトラブルシューター=悠とはいっていないから間違いではない。
「それにしても、スズネさんはいったい悠君のどこがいいんですか?」
「え、えーと…顔とか…ちょっと子供っぽいけど…大人なところとか…他にも…」
うーん…恋は人を盲目にしてしまうようね。
スズネさんは指を付き合わせてモジモジと話す。
正直、もっといい相手がいると思う。
のんびりしていると携帯がなった。
「リッカです。」
S・ウルフの声がした。
名前は確か、Dイチ。チームは麒麟だったはず。
『ガキを確保しましたナイトフライです。やつは黒いスプレーとオイルライター、それに詰め替え用のオイル缶も持っています。』
「すぐにいくわ。じたばた騒ぐようなら、警察をよぶっていって」
『了解』
あたしは走りながら叫んだ。
夜明けの空気は冷たく、肺に心地いい。
「みんな、西池のナイトフライよ。走れ!」
そのバーまでは直線距離で四百メートル。
オリンピック選手なら四十秒少々で駆け抜ける距離ね。
あたしたちもスニーカーをアスファルトに鳴らして、西の空をめざして走った。
ガキはSウルフに挟まれて、バーの前のガードレールに腰かけていた。
「痛いよ、話してくれ……痛いんだって」
黒縁のメガネをかけていた。ジーンズにチェックの長袖シャツ。
あたしと同じ高校生くらいかしら。
Dイチがガキのウエストポーチをさしだした。
中を確かめようとしたら、泣きそうな声でいった。
「やめてくれ、どんな権利があって、人の持ち物なんかみるんだよ」
黙ってファスナーを開き、ナイロンの中身を探る。
口紅くらいの太さの黒いスプレー。
タバコはラッキーストライク。
だけど、フェイクなのだろう、吸った形跡はなかった。
ライターは銀のジッポに、オイル缶がひとつ。