ー特別編ーWORLD・THE・Link【前】
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「そこで、今回の事件でお世話になった池袋署の刑事さんに話してみたんです。どうしたらいいのか。わたしたちに出来ることはなにかと」
池袋署の刑事?
あたしの背中に悪寒が走った。
「その刑事さんは佐伯さんというですが…」
うげっ…
その名前はよぉく知ってる。佐伯志郎(さえきしろう)今は池袋署の生活安全課にいる背の高い悪徳刑事。
刑事の癖に佐伯総合格闘術などというふざけた道場を開いているやつ。
「その人にリッカさんを紹介してもらいました。普段は果物屋の店番だけれど、この街で起きた事件を解決している。佑樹くんの頼りになる姉貴分になってくれるかもしれない」
あたしは静かに牛乳をのんだ。佐伯のやつもたまにはいいことをいう。
「他には何かいってなかったかな。」
ユウキの父親は頭をかいた。
「これをいうとお気を悪くなさるかもしれませんが、自分が紹介したといえば、絶対に嫌とはいわない。さんざん世話してやったからと刑事さんはおっしゃってました。あの失礼ですが、宗方さんは佐伯さんとなにか関係があったんでしょうか」
あたしは取調室であった数々のやり取りを思い出した。
確かに今でも世話になってることもあるし…
ちなみに、聞いた話ではあたしと悠君と崇とは池袋署のブラックリストに乗っているらしい。
あたしは説明するのもめんどくさいのでそんな刑事は知らないといって、断っちゃおうかな。
その時ユウキの母親がハンカチを目に当てた。
「あの子は今、迷っているのだと思います。あんな事件を起こして、自分の居場所はもうなくなってしまった。家族のなかにも、学校や社会にも自分の場所が見つからない。途方にくれてしまっているんです。」
中学のころを思い出した。なんにも怖くない、ひとりぼっちで生きてやると、開き直り肩で風をきっていたセンチなころ。
そんな時期はある。
ただユウキは事件のせいで、十三歳でいきなり迷いのなかに放りだされたのだろう。
「わかったわ。」
両親は顔を見合せた。
安堵のため息をついて、テーブルにつきそうなくらい頭をさげる。
父親がいった。
「では、すぐにここに呼びますから」
携帯電話を抜いた父親を制止した。
「ユウキくんなら、あたしもう知ってます。今日の夜にでもうちの店に顔をだすようにいってください。」
まじめな両親は、またも顔を見合せた。
きっとあたしが、シャーロック・ホームズにでも見えているにちがいない。
まぁ、実際にこの街にいるガキのことなら、あたしはシャーロックにそれほど引きけをとらないんだけどね。
わかるでしょ、ワトソンくん。
池袋署の刑事?
あたしの背中に悪寒が走った。
「その刑事さんは佐伯さんというですが…」
うげっ…
その名前はよぉく知ってる。佐伯志郎(さえきしろう)今は池袋署の生活安全課にいる背の高い悪徳刑事。
刑事の癖に佐伯総合格闘術などというふざけた道場を開いているやつ。
「その人にリッカさんを紹介してもらいました。普段は果物屋の店番だけれど、この街で起きた事件を解決している。佑樹くんの頼りになる姉貴分になってくれるかもしれない」
あたしは静かに牛乳をのんだ。佐伯のやつもたまにはいいことをいう。
「他には何かいってなかったかな。」
ユウキの父親は頭をかいた。
「これをいうとお気を悪くなさるかもしれませんが、自分が紹介したといえば、絶対に嫌とはいわない。さんざん世話してやったからと刑事さんはおっしゃってました。あの失礼ですが、宗方さんは佐伯さんとなにか関係があったんでしょうか」
あたしは取調室であった数々のやり取りを思い出した。
確かに今でも世話になってることもあるし…
ちなみに、聞いた話ではあたしと悠君と崇とは池袋署のブラックリストに乗っているらしい。
あたしは説明するのもめんどくさいのでそんな刑事は知らないといって、断っちゃおうかな。
その時ユウキの母親がハンカチを目に当てた。
「あの子は今、迷っているのだと思います。あんな事件を起こして、自分の居場所はもうなくなってしまった。家族のなかにも、学校や社会にも自分の場所が見つからない。途方にくれてしまっているんです。」
中学のころを思い出した。なんにも怖くない、ひとりぼっちで生きてやると、開き直り肩で風をきっていたセンチなころ。
そんな時期はある。
ただユウキは事件のせいで、十三歳でいきなり迷いのなかに放りだされたのだろう。
「わかったわ。」
両親は顔を見合せた。
安堵のため息をついて、テーブルにつきそうなくらい頭をさげる。
父親がいった。
「では、すぐにここに呼びますから」
携帯電話を抜いた父親を制止した。
「ユウキくんなら、あたしもう知ってます。今日の夜にでもうちの店に顔をだすようにいってください。」
まじめな両親は、またも顔を見合せた。
きっとあたしが、シャーロック・ホームズにでも見えているにちがいない。
まぁ、実際にこの街にいるガキのことなら、あたしはシャーロックにそれほど引きけをとらないんだけどね。
わかるでしょ、ワトソンくん。