ー特別編ーWORLD・THE・Link【前】
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翌朝は、母の声で目覚めた。
朝イチで聞くには、一番望ましくない声
「リッカ、起きなさい。昨日の夜中にまた放火騒ぎがあったんだって。街中、噂でもちきりだよ」
あたしは四畳半の布団から飛び起きた。
「場所はどこ」
階段をおりていく母の声がきこえた。
「文化通り、大久保病院のてまえにある洋服屋だってさ。」
それなら西一番街のうちの店から二百メートルと離れてない場所だった。
昨日はいていたプリーツスカートを急いではいていたところで、携帯電話がなった。
「もしもし、誰!」
『俺だ』
この街の裏側に君臨するキング・タカシの声だった。
夏なのに温度は下がりぱなしの声。
また女性ファンが増えそう。
『リッカ、昨日の放火事件についてきいてるか。』
あたしは、動揺を隠していった。
「もちろん。文化通りの先でしょ」
『そうだ。店の名は、むかしむかし。S・ウルフのOBがだしてる店だ。お前もなんどか顔をだしたことがあるだろ。』
あたしは悠君がよく着てる和柄の服を思い出した。
ちなみにこのプリーツスカートもその店でお友達価格で手に入れたもの。
『店の人間が泣きついてな。うちのOBのショップに火をつけたやつをみつけだしてくれ。』
「そうですか。」
放火はひどい時には一晩に三件も起きていた。
未遂をふくめて、全部でもう二桁に乗ったんじゃないかしら。
『OBにいわれたからだけでなく、そろそろうちか動き出すときだ。見かじめをとっている店に火をつけられて、一ノ瀬組や京極会もかんかんだ。そこで、お前に頼みがある』
あー…、いつもの依頼ね。売れっ子は大変よ。
「スケジュールなら、あたしの秘書を通してください」
キングには庶民の冗談は面白くないらしい。
『間抜け。お前らはいちいちふざけてないで、午後四時で平和通りにある台湾料理屋にこい。店の名は、鵬蘭。お偉方が集まるミーティングだ。』
あたしは向こうの世界の人間が大っ嫌い。
だけど、なぜか、お偉方にはかわいがられるのよね。
どうして、暴力団の幹部には若い美男子がいないのかしら。不公平ゆね。
「むかしむかしはどうなったの?」
タカシは電話口でかすかに笑ったようだった。
短い息が耳元でなった。
『軽いボヤですんではいる』
「良かったじゃないですか」
『それがそうでもないらしい。店のなかは消防車の放水を浴びているし、煤で汚れている。商売ものの服はほとんどダメになったそうだ。お前が手伝ってくれるなら、好きなものをもってけとOBはいっていたぞ。』
それなら、この先三シーズンくらい服を買わなくてもすむかもしれない。
俄然、あたしはやる気が出た。
金のない生活は確かに清くただしいけど、キュークツだし華がないのよね。
朝イチで聞くには、一番望ましくない声
「リッカ、起きなさい。昨日の夜中にまた放火騒ぎがあったんだって。街中、噂でもちきりだよ」
あたしは四畳半の布団から飛び起きた。
「場所はどこ」
階段をおりていく母の声がきこえた。
「文化通り、大久保病院のてまえにある洋服屋だってさ。」
それなら西一番街のうちの店から二百メートルと離れてない場所だった。
昨日はいていたプリーツスカートを急いではいていたところで、携帯電話がなった。
「もしもし、誰!」
『俺だ』
この街の裏側に君臨するキング・タカシの声だった。
夏なのに温度は下がりぱなしの声。
また女性ファンが増えそう。
『リッカ、昨日の放火事件についてきいてるか。』
あたしは、動揺を隠していった。
「もちろん。文化通りの先でしょ」
『そうだ。店の名は、むかしむかし。S・ウルフのOBがだしてる店だ。お前もなんどか顔をだしたことがあるだろ。』
あたしは悠君がよく着てる和柄の服を思い出した。
ちなみにこのプリーツスカートもその店でお友達価格で手に入れたもの。
『店の人間が泣きついてな。うちのOBのショップに火をつけたやつをみつけだしてくれ。』
「そうですか。」
放火はひどい時には一晩に三件も起きていた。
未遂をふくめて、全部でもう二桁に乗ったんじゃないかしら。
『OBにいわれたからだけでなく、そろそろうちか動き出すときだ。見かじめをとっている店に火をつけられて、一ノ瀬組や京極会もかんかんだ。そこで、お前に頼みがある』
あー…、いつもの依頼ね。売れっ子は大変よ。
「スケジュールなら、あたしの秘書を通してください」
キングには庶民の冗談は面白くないらしい。
『間抜け。お前らはいちいちふざけてないで、午後四時で平和通りにある台湾料理屋にこい。店の名は、鵬蘭。お偉方が集まるミーティングだ。』
あたしは向こうの世界の人間が大っ嫌い。
だけど、なぜか、お偉方にはかわいがられるのよね。
どうして、暴力団の幹部には若い美男子がいないのかしら。不公平ゆね。
「むかしむかしはどうなったの?」
タカシは電話口でかすかに笑ったようだった。
短い息が耳元でなった。
『軽いボヤですんではいる』
「良かったじゃないですか」
『それがそうでもないらしい。店のなかは消防車の放水を浴びているし、煤で汚れている。商売ものの服はほとんどダメになったそうだ。お前が手伝ってくれるなら、好きなものをもってけとOBはいっていたぞ。』
それなら、この先三シーズンくらい服を買わなくてもすむかもしれない。
俄然、あたしはやる気が出た。
金のない生活は確かに清くただしいけど、キュークツだし華がないのよね。