ー特別編ーWORLD・THE・Link【前】
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話を戻すわね。
火は建て売り住宅の一件を半焼して、沈下した。
両親はなんとか二階の窓から飛び降りて軽傷ですんだ。
だけど、少年の祖母は逃げ遅れ、身体の広範囲に重度の火傷をおったそうだ。
犯行後、少年は池袋のシネマコンプレックスで、映画を見ていたという。
映画館を出ようとしたところで、通報をうけて駆けつけた警察官により補導されている。
「…ユウキ君は学校では人気者で、軽い処分を求めるたくさんの署名が届いたらしいです。両親も、入院中の祖母も、同じように。」
唯君が話終えてあたしは考えた。
「そうなんだ。」
きっと少年Aが鑑別所に送られたのは十日ほどで、その後は両親の元へ身柄は戻される。
まあ、誰も死んでないし。
そして、水谷佑樹は池袋の街に戻って三週間後、あたしと出会った。
その三週間は同時に西口周辺で、連続してボヤ騒ぎが発生した時期である。
母がユウキを色メガネで見るのも、無理はなかった。悪いことは繰り返しやってくる。
悪い人間は繰り返し、悪いことをする。
それにはガキも大人も関係ない。
まぁ、私たちはそういう悪意や憎しみをさして、現実とか社会とか名前をつけてるのね。
「そうか…うん。みんなありがとう。ところでなんでそんなに詳しいの。」
優花がいった。
「ぶっちゃけると、ユウキはうちの学校の生徒なんだ。」
「それでユウキ君と一番仲が良かった友達が色々頑張ってて。」
世の中には本当に優しいガキもいるものだ。
あたしが見てるガキはストリートギャングのワルガキがほとんど。
「その友達って皆の知り合いなの」
「知り合いっていうよりはちょっとした有名人なんです。名前は小森卯天。いじめられっ子だったんですけど、少し前に校庭である高校生の人とタイマンはって、負けたんですけど、今ではうちの学校の頭っていう感じです。」
いじめられっ子がタイマンを張るなんて中々の勇気だ。
それにしても中学生相手にタイマンを挑む高校生を見てやりたいきっと性格のねじ曲がった奴ね。
次にあたしがユウキと会ったのは西口公園の円形広場だった。
彼は手ぶらで、ケヤキの木陰にたっていた。
なにもせずに、ただぼんやりと人影の少ない広場に立つ。
少年と言うよりも、少年の幽霊みたい。
あたしがぶらぶらと歩いていくと、ユウキが軽く頭をさげた。
「このまえは、ごちそうさまでした。」
「いいよ。一本百円だし。それより、ベンチに座らないかな」
あたしたちはケヤキの影でまだら模様にそまったパイプベンチに腰をおろした。
「うちの母さんが無神経でごめんね。」
ユウキはベンチのうえで彫刻のように固まった。
悲劇の少年像、習作ナンバー1。
「いや、僕のほうが悪いですから。なにをいわれても、仕方ないし…」
話を変えることにした。
放火犯の少年と連続ボヤ騒ぎの話をしても、どこにもいけない。
火は建て売り住宅の一件を半焼して、沈下した。
両親はなんとか二階の窓から飛び降りて軽傷ですんだ。
だけど、少年の祖母は逃げ遅れ、身体の広範囲に重度の火傷をおったそうだ。
犯行後、少年は池袋のシネマコンプレックスで、映画を見ていたという。
映画館を出ようとしたところで、通報をうけて駆けつけた警察官により補導されている。
「…ユウキ君は学校では人気者で、軽い処分を求めるたくさんの署名が届いたらしいです。両親も、入院中の祖母も、同じように。」
唯君が話終えてあたしは考えた。
「そうなんだ。」
きっと少年Aが鑑別所に送られたのは十日ほどで、その後は両親の元へ身柄は戻される。
まあ、誰も死んでないし。
そして、水谷佑樹は池袋の街に戻って三週間後、あたしと出会った。
その三週間は同時に西口周辺で、連続してボヤ騒ぎが発生した時期である。
母がユウキを色メガネで見るのも、無理はなかった。悪いことは繰り返しやってくる。
悪い人間は繰り返し、悪いことをする。
それにはガキも大人も関係ない。
まぁ、私たちはそういう悪意や憎しみをさして、現実とか社会とか名前をつけてるのね。
「そうか…うん。みんなありがとう。ところでなんでそんなに詳しいの。」
優花がいった。
「ぶっちゃけると、ユウキはうちの学校の生徒なんだ。」
「それでユウキ君と一番仲が良かった友達が色々頑張ってて。」
世の中には本当に優しいガキもいるものだ。
あたしが見てるガキはストリートギャングのワルガキがほとんど。
「その友達って皆の知り合いなの」
「知り合いっていうよりはちょっとした有名人なんです。名前は小森卯天。いじめられっ子だったんですけど、少し前に校庭である高校生の人とタイマンはって、負けたんですけど、今ではうちの学校の頭っていう感じです。」
いじめられっ子がタイマンを張るなんて中々の勇気だ。
それにしても中学生相手にタイマンを挑む高校生を見てやりたいきっと性格のねじ曲がった奴ね。
次にあたしがユウキと会ったのは西口公園の円形広場だった。
彼は手ぶらで、ケヤキの木陰にたっていた。
なにもせずに、ただぼんやりと人影の少ない広場に立つ。
少年と言うよりも、少年の幽霊みたい。
あたしがぶらぶらと歩いていくと、ユウキが軽く頭をさげた。
「このまえは、ごちそうさまでした。」
「いいよ。一本百円だし。それより、ベンチに座らないかな」
あたしたちはケヤキの影でまだら模様にそまったパイプベンチに腰をおろした。
「うちの母さんが無神経でごめんね。」
ユウキはベンチのうえで彫刻のように固まった。
悲劇の少年像、習作ナンバー1。
「いや、僕のほうが悪いですから。なにをいわれても、仕方ないし…」
話を変えることにした。
放火犯の少年と連続ボヤ騒ぎの話をしても、どこにもいけない。