ー特別編ーWORLD・THE・Link【前】
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あたしと目があうと彼は一瞬ひるんだ。
むこうもあたしの顔を覚えていたようね。
ひるむことないのに。
「ねぇ、お腹でも壊してるの。」
店の日よけのしたて足を止めて、やつはあわてて首を横に振る。
「最近ちょくちょく街で会うよね。」
今度は黙ったままうなずいた。
なんだかいかれたガキを見ると放っておけなくなるのは、あたしと悠君の悪い癖。
氷の上に並んだパイナップルの串を一本抜いた。
「食べない?美味しいよ。」
やつは割り箸とあたしの顔を交互に見た。
パイナップルを受けとると、ネズミのようにかじりはじめる。
「おーい、こういうのはガバッと食うものでしょ。」
あたしは串をとって、二口で片付け、やつに向かってにっこり笑ってやった。
え?オシトヤカ?そんな言葉あたしは知らないし~♪
やつはようやくおずおずと笑顔になった。
「あたしは宗方六花。ここの店番。なんかつらいことがあったら顔だしなよ。今度はあたしの歌とマスクメロンをおごってあげるわ。」
やつは蚊の鳴くような声でいった。
「水谷佑樹です。よろしくお願いします。」
ペコリと頭を下げる。
顔色は悪いが、素直ないい子。
そのとき、店の奥から母が出てきた。
「リッカ、うちも気を付けなよ。最近、西口でボヤが多いから。なんだか連続放火魔が出てるそうじゃないか。段ボールなんか、夜シャッターまえにだしといちゃいけないよ」
ユウキの顔色が母の声をきいて、漂白されたように真っ白になった。
とくに連続放火魔のあたり。やつは食べかけの串をもったまま、足早に店の前を去っていく。
おかしなガキ。
それとも、うちの母が担任の教師か、池袋署の少年科にでも見えたのかしら。
とうの母はおかしな顔をして、ガキの痩せた背中を見送っている。
誰かが反対側からあたしを呼んだ。
「「「リッカ(さーん。)」」」
振り替えると制服姿の三人が近づいてくる。
「あ、みんな今帰り?」
「はい。毎日暑いですね。」
女の子みたいに見えるこの男の子は涼風唯。
中学からの帰り道。
うちの前を通るのでよく挨拶してくれる。なかなか最近では珍しい礼儀正しい子。
「リッカさん。また、曲聞かせてくださいね。唯なんかiPodに入れてるんですよ。」
やたら唯君にスキンシップがはげしい、長い青髪をした女の子は海風彩香。
唯君とかなり仲がいい。
「リッカ。パイナップル三本な。」
「優花は相変わらず小さいね~。」
「う、うるさいな。まだ伸びる!だいたいリッカがでかすぎなんだよ。」
あたしが今頭を撫でてる小さい男は立花優花。
ちょっと突っ張ってるけど基本的にいい子だ。
敬語を使わないから話しやすいし。
「……あ!そうだ。あの子もしかしたら、西池袋の子じゃないの。」
あたし達が談笑してると母が思い出したように手を叩いた。
あたしはいった。
「初めて口を聞いたんだ。どこに住んでいるかなんてわかんないよ。」
むこうもあたしの顔を覚えていたようね。
ひるむことないのに。
「ねぇ、お腹でも壊してるの。」
店の日よけのしたて足を止めて、やつはあわてて首を横に振る。
「最近ちょくちょく街で会うよね。」
今度は黙ったままうなずいた。
なんだかいかれたガキを見ると放っておけなくなるのは、あたしと悠君の悪い癖。
氷の上に並んだパイナップルの串を一本抜いた。
「食べない?美味しいよ。」
やつは割り箸とあたしの顔を交互に見た。
パイナップルを受けとると、ネズミのようにかじりはじめる。
「おーい、こういうのはガバッと食うものでしょ。」
あたしは串をとって、二口で片付け、やつに向かってにっこり笑ってやった。
え?オシトヤカ?そんな言葉あたしは知らないし~♪
やつはようやくおずおずと笑顔になった。
「あたしは宗方六花。ここの店番。なんかつらいことがあったら顔だしなよ。今度はあたしの歌とマスクメロンをおごってあげるわ。」
やつは蚊の鳴くような声でいった。
「水谷佑樹です。よろしくお願いします。」
ペコリと頭を下げる。
顔色は悪いが、素直ないい子。
そのとき、店の奥から母が出てきた。
「リッカ、うちも気を付けなよ。最近、西口でボヤが多いから。なんだか連続放火魔が出てるそうじゃないか。段ボールなんか、夜シャッターまえにだしといちゃいけないよ」
ユウキの顔色が母の声をきいて、漂白されたように真っ白になった。
とくに連続放火魔のあたり。やつは食べかけの串をもったまま、足早に店の前を去っていく。
おかしなガキ。
それとも、うちの母が担任の教師か、池袋署の少年科にでも見えたのかしら。
とうの母はおかしな顔をして、ガキの痩せた背中を見送っている。
誰かが反対側からあたしを呼んだ。
「「「リッカ(さーん。)」」」
振り替えると制服姿の三人が近づいてくる。
「あ、みんな今帰り?」
「はい。毎日暑いですね。」
女の子みたいに見えるこの男の子は涼風唯。
中学からの帰り道。
うちの前を通るのでよく挨拶してくれる。なかなか最近では珍しい礼儀正しい子。
「リッカさん。また、曲聞かせてくださいね。唯なんかiPodに入れてるんですよ。」
やたら唯君にスキンシップがはげしい、長い青髪をした女の子は海風彩香。
唯君とかなり仲がいい。
「リッカ。パイナップル三本な。」
「優花は相変わらず小さいね~。」
「う、うるさいな。まだ伸びる!だいたいリッカがでかすぎなんだよ。」
あたしが今頭を撫でてる小さい男は立花優花。
ちょっと突っ張ってるけど基本的にいい子だ。
敬語を使わないから話しやすいし。
「……あ!そうだ。あの子もしかしたら、西池袋の子じゃないの。」
あたし達が談笑してると母が思い出したように手を叩いた。
あたしはいった。
「初めて口を聞いたんだ。どこに住んでいるかなんてわかんないよ。」