ー特別編ーWORLD・THE・Link【前】
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「アンタはなんだってオペレーションなんてしようとするから、目の前にある仕事のことが見えないんだよ。それじゃいつまでたっても仕事の面白さはわからない。」
やつはゆっくり首を横に振った。
「輸送船に何隻もの小麦や大豆をかったことのないきみにはいわれたくない。仕事の醍醐味など、きみなどにわかるものか。これで好きなものでも買いなさい。」
店長は内ポケットから財布をとりだし、金色のカードを抜いた。
「一週間後には紛失届をだすから、それまで限度額いっぱい使ってくれてかまわない。だから今回のことは内密にしてほしい」
おれはどこかの信販会社のゴールドカードの重さを手のひらで確かめていた。
和龍のナルト一枚の重さもない。
「いらない。アンタが二度と和龍軒に手を出さないならな。ネットでも、街でも、キャバクラでもな。」
店長はそこでようやく納得したようだった。
地下通路のポスターを背にかすかに笑顔をみせる。
「なんだ、やはりあの店に雇われたのか。君もストリートギャングの一味なのか」
おれは首を振った。
なにをいってもこの男とは話がつうじる気がしないのだ。
「おれはギャングじゃない。和龍から金をもらってるわけでもない」
店長は考える顔になった。
「これだけの調査能力があるなら、私のために働いてみないか。もう少しでヌードルスはしにせの店を抜いて、池袋一のラーメン屋になる。和龍のようなゴミみたいな店にくっついても、これから先いいことなどないぞ」
おれはいい加減腹がたってきていたが、その時地下通路の壁を震わせて叫び声が走った。
「ふざけんなよ、クソオヤジ。なめてんじゃないよ!」
俺は慌てて声のした階段を振り向いた。
ホームレスがビックリして段ボールのベッドから上半身を起こしていた。
階段を一段飛ばしでかけおりてくるのは、がりがりに痩せたあずみだった。
右腰のまえに両手を重ねている。
俺はその先に使い込んだ牛刀の青い光を見た。
「よせ、あずみ!話しはついた!」
あずみは暗い通路に白目を浮かべて駆け寄ってきた。目と口の端がつり上がっている。
俺の言葉はまったく届いてないようだった。
おれのわきをサイドステップですり抜けると、驚いて固まってしまった店長に突っ掛けていく。
目をつぶりそうになったとき、横から影が出現した。
片方が店長にショルダーアタックをかまし、反対側に壁まで吹き飛ばす。
もうひとつがあずみをよこ抱きにして、もみあっている。
影はオールバックの髪に紺のTシャツになった。
千夜はとんでもないスピードがあるようだ。
伊達に東口のストリートギャングで一二を争う訳ではない。
あずみは千夜の腕のなかで狂ったリスのように、手足を振り回し叫んでいた。
「離せ!こんなやつ、ブッ殺してやる!」
普段のあずみとは別人だった。
店長を突き飛ばした影が戻ってくる。琉翔だった。
「千夜どうする落とすか。」
もがき続けるあずみに琉翔は手をのばしていく。
「やめろ。あずみ…もういいんだ。落ち着け…俺たちも和龍ももうだいじょうぶだ。もうやつの好きなようにはさせない。」
切っ先がかすったようで、千夜の腕からは血が点々と石張りの床に落ちていた。
やつはゆっくり首を横に振った。
「輸送船に何隻もの小麦や大豆をかったことのないきみにはいわれたくない。仕事の醍醐味など、きみなどにわかるものか。これで好きなものでも買いなさい。」
店長は内ポケットから財布をとりだし、金色のカードを抜いた。
「一週間後には紛失届をだすから、それまで限度額いっぱい使ってくれてかまわない。だから今回のことは内密にしてほしい」
おれはどこかの信販会社のゴールドカードの重さを手のひらで確かめていた。
和龍のナルト一枚の重さもない。
「いらない。アンタが二度と和龍軒に手を出さないならな。ネットでも、街でも、キャバクラでもな。」
店長はそこでようやく納得したようだった。
地下通路のポスターを背にかすかに笑顔をみせる。
「なんだ、やはりあの店に雇われたのか。君もストリートギャングの一味なのか」
おれは首を振った。
なにをいってもこの男とは話がつうじる気がしないのだ。
「おれはギャングじゃない。和龍から金をもらってるわけでもない」
店長は考える顔になった。
「これだけの調査能力があるなら、私のために働いてみないか。もう少しでヌードルスはしにせの店を抜いて、池袋一のラーメン屋になる。和龍のようなゴミみたいな店にくっついても、これから先いいことなどないぞ」
おれはいい加減腹がたってきていたが、その時地下通路の壁を震わせて叫び声が走った。
「ふざけんなよ、クソオヤジ。なめてんじゃないよ!」
俺は慌てて声のした階段を振り向いた。
ホームレスがビックリして段ボールのベッドから上半身を起こしていた。
階段を一段飛ばしでかけおりてくるのは、がりがりに痩せたあずみだった。
右腰のまえに両手を重ねている。
俺はその先に使い込んだ牛刀の青い光を見た。
「よせ、あずみ!話しはついた!」
あずみは暗い通路に白目を浮かべて駆け寄ってきた。目と口の端がつり上がっている。
俺の言葉はまったく届いてないようだった。
おれのわきをサイドステップですり抜けると、驚いて固まってしまった店長に突っ掛けていく。
目をつぶりそうになったとき、横から影が出現した。
片方が店長にショルダーアタックをかまし、反対側に壁まで吹き飛ばす。
もうひとつがあずみをよこ抱きにして、もみあっている。
影はオールバックの髪に紺のTシャツになった。
千夜はとんでもないスピードがあるようだ。
伊達に東口のストリートギャングで一二を争う訳ではない。
あずみは千夜の腕のなかで狂ったリスのように、手足を振り回し叫んでいた。
「離せ!こんなやつ、ブッ殺してやる!」
普段のあずみとは別人だった。
店長を突き飛ばした影が戻ってくる。琉翔だった。
「千夜どうする落とすか。」
もがき続けるあずみに琉翔は手をのばしていく。
「やめろ。あずみ…もういいんだ。落ち着け…俺たちも和龍ももうだいじょうぶだ。もうやつの好きなようにはさせない。」
切っ先がかすったようで、千夜の腕からは血が点々と石張りの床に落ちていた。