ー特別編ーWORLD・THE・Link【前】
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撮影を完了して、おれは店長が書き込みを終えるのをまった。
午後一時四十七分、やつは満足したようにキーボードのまえを離れた。
なにも買わずにさっさとメガストアをでていく。
俺はあとをつけなかった。
東口のヌードルスにいけばいつでも会えるのだ。
別に問題はないだろう。
俺はCDショップをでると店長の背中を見送りながら、稲葉に電話した。
「ともきだ。やつはついさっきネットを離れた。」
稲葉はポソリといった
『時間は?』
「一時十七分」
『場所も時間もコンピューターアドレスもドンピシャね。アナタがその店長を訴えるのなら、もう証拠は十分ね。』
そうだなといって、おれは交差点の先の空を見上げた。
さっきまでぽつぽつとのこっていたちぎれ雲がすっかりぬぐわれて、濃淡のない澄んだ青空広がっていた。
今回の仕事は和龍の東京ラーメンのように軽くてスムーズだった。
悪役はモスキート級の軽量クラスだが、俺たちが毎日目に前にする悪などいつもその程度のものだ。
この事件を押し付けた悠は今なにをしているのだろうか。
俺はその日のまかないでなにを食おうかと考えながら、ゆっくりと西口公園に向かって歩き出した。
もし、いつもこんなふうなら…俺もトラブルシューターを副業にするのも悪くない。
だが、そんなふうに安心したときに限って、途中で話をややこしくするやつがでてくる。
善良な意思から生まれる悪しき行動ってやつ。
その足で東池袋のファミレスにむかった。
俺が店内にはいっていくと、いつもの席で禅君ではなく稲葉が待っていた。
隣には将也もいる。
俺は向かいに腰をおろした。
稲葉はいう。
「お疲れさま。」
俺は女ハッカーにいった。
「今日の分のUSBをもらいにきた。」
稲葉がうなずいて、クスリと笑って見せた。
将也がテーブルに二台並んだノートブックパソコンのひとつを俺のほうに向ける。
そこにはヌードルスの店長の社員証が大写しになっていた。
特徴のあるメガネと長めの前髪。三田村博也、三十八歳、外食オペレーション部次長。
おれはいった。
「どうしたんだ、これ。」
稲葉はなにも言わずに隣を指差した。
将也はいった。
「稲葉さんからどっかの総合商社の名前をいっていたので、その会社のコンピューターに潜り込んできた。ヌードルスの店長って、そいつで間違いないか?」
手回しのいい男。
稲葉や禅といいきっといつも忙しいのだろう。
「ああ、サンキュー」
将也は嬉しそうにいった。
「それは俺のサービス。金はいいから、和龍の出前を三回頼むな。」
俺はあきれつつ黙ってうなずいた。
いくら了解を得てるからといっても、ラーメンのドンブリをもってファミレスにくるなんて……
まぁ、それもしかたないか。
午後一時四十七分、やつは満足したようにキーボードのまえを離れた。
なにも買わずにさっさとメガストアをでていく。
俺はあとをつけなかった。
東口のヌードルスにいけばいつでも会えるのだ。
別に問題はないだろう。
俺はCDショップをでると店長の背中を見送りながら、稲葉に電話した。
「ともきだ。やつはついさっきネットを離れた。」
稲葉はポソリといった
『時間は?』
「一時十七分」
『場所も時間もコンピューターアドレスもドンピシャね。アナタがその店長を訴えるのなら、もう証拠は十分ね。』
そうだなといって、おれは交差点の先の空を見上げた。
さっきまでぽつぽつとのこっていたちぎれ雲がすっかりぬぐわれて、濃淡のない澄んだ青空広がっていた。
今回の仕事は和龍の東京ラーメンのように軽くてスムーズだった。
悪役はモスキート級の軽量クラスだが、俺たちが毎日目に前にする悪などいつもその程度のものだ。
この事件を押し付けた悠は今なにをしているのだろうか。
俺はその日のまかないでなにを食おうかと考えながら、ゆっくりと西口公園に向かって歩き出した。
もし、いつもこんなふうなら…俺もトラブルシューターを副業にするのも悪くない。
だが、そんなふうに安心したときに限って、途中で話をややこしくするやつがでてくる。
善良な意思から生まれる悪しき行動ってやつ。
その足で東池袋のファミレスにむかった。
俺が店内にはいっていくと、いつもの席で禅君ではなく稲葉が待っていた。
隣には将也もいる。
俺は向かいに腰をおろした。
稲葉はいう。
「お疲れさま。」
俺は女ハッカーにいった。
「今日の分のUSBをもらいにきた。」
稲葉がうなずいて、クスリと笑って見せた。
将也がテーブルに二台並んだノートブックパソコンのひとつを俺のほうに向ける。
そこにはヌードルスの店長の社員証が大写しになっていた。
特徴のあるメガネと長めの前髪。三田村博也、三十八歳、外食オペレーション部次長。
おれはいった。
「どうしたんだ、これ。」
稲葉はなにも言わずに隣を指差した。
将也はいった。
「稲葉さんからどっかの総合商社の名前をいっていたので、その会社のコンピューターに潜り込んできた。ヌードルスの店長って、そいつで間違いないか?」
手回しのいい男。
稲葉や禅といいきっといつも忙しいのだろう。
「ああ、サンキュー」
将也は嬉しそうにいった。
「それは俺のサービス。金はいいから、和龍の出前を三回頼むな。」
俺はあきれつつ黙ってうなずいた。
いくら了解を得てるからといっても、ラーメンのドンブリをもってファミレスにくるなんて……
まぁ、それもしかたないか。