ー特別編ーWORLD・THE・Link【前】
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俺はデジタルの賢者にいった。
「わかった。そっちの事はまかせるよ。」
稲葉は淡々といった。
「ともき君、アナタはどうするの」
「明日からドンブリ洗いと薬味のネギを刻むかな。」
急に稲葉がテーブルに身を乗り出した。長い髪の毛がサラサラと流れる。
「そう。……千夜君の店って東京ラーメンよね。」
「そうだけど、どうして」
稲葉はファミリーレストランの無駄に明るい店内を見回してため息をついた。
「私は禅君と違って、ここのお店のメニューにあるスィーツだけじゃ食いつなげないの。和龍が出前をやってくれるなら注文しようと思ってね。」
女ハッカーの頭にも強力なラーメンウイルスが感染したようだった。
俺は席を立ちながらいった。
「残念だな。和龍軒は出前はやってない。だけどだ、稲葉が仕事をばっちりやってくれたら、俺が特別に配達してやるよ。どこにもってくればいい。」
稲葉はクスクスと笑いながらいった。
「あら、私に交換条件をだすのね。いいわ。このテーブルにもってきて。」
ファミレスにラーメンの出前!
おしゃれな副都心のいかしたストリート探偵の仕事はどこにいったのだ。
……今のは悠の真似だ。
その夜俺は自分の部屋でラーメン関連のホームページを三時間はしごした。
それでもとてもじゃないが全部は見切れない。
ネットの時代はすべての消費者が批評家になる時代なのだとわかった。
みんな批評すること自体を、実際にラーメンをくうこと以上にたのしんでいる。
おしゃべりに新発見に専門知識。乱立するランキング。
これが成熟したとしの文化なのだろうか。
生活には直接必要ないものに膨大な労力をそそぎ、情報ばかりが積み上がっていく。
おれはしばらくするとラーメンサイトの無限に続くページが、なんだかバベルの塔に見えてきた。
やつらはゲンコツとかモミジとか、スーパーハルユタカとか麺線26番なんて異邦の言葉を叫びながら、塔をさらに高く伸ばしていく。
真夜中おれは面倒になって眠った。夢のなかでさえナルトがぐるぐるとまわっている。
なんだか息苦しく脂っこいラーメンの夢。
次の日……
ー教室ー
「ふぁ~ぁ…ぁ~眠い…」
睡眠時間は十分なのに脂っこい夢のせいで疲れてしまった。
どうやって教室に入って、机で潰れているのかも覚えてない。
「ともき君、大丈夫?」
頭の上に優しい声聞こえると同時にズシリと重力も乗ってくる。
「…こなた。頭の上からどいてくれ。」
「よくわかったね。」
人の頭に肘をつくヤツなんかそうそういない。
こなたが退くと俺は身体を起こした。
「つかさ。おはよ。」
俺はこなたを無視してつかさに挨拶した。
「おはよう。ともき君。なんか疲れてるみたいだけど平気?」
「大丈夫だ。何でもない。それより…悠は来てないのか?」
俺は本来悠がいるはずの前の席を見た。
むしろ居ない方が多いかも知れないが…。
「わかった。そっちの事はまかせるよ。」
稲葉は淡々といった。
「ともき君、アナタはどうするの」
「明日からドンブリ洗いと薬味のネギを刻むかな。」
急に稲葉がテーブルに身を乗り出した。長い髪の毛がサラサラと流れる。
「そう。……千夜君の店って東京ラーメンよね。」
「そうだけど、どうして」
稲葉はファミリーレストランの無駄に明るい店内を見回してため息をついた。
「私は禅君と違って、ここのお店のメニューにあるスィーツだけじゃ食いつなげないの。和龍が出前をやってくれるなら注文しようと思ってね。」
女ハッカーの頭にも強力なラーメンウイルスが感染したようだった。
俺は席を立ちながらいった。
「残念だな。和龍軒は出前はやってない。だけどだ、稲葉が仕事をばっちりやってくれたら、俺が特別に配達してやるよ。どこにもってくればいい。」
稲葉はクスクスと笑いながらいった。
「あら、私に交換条件をだすのね。いいわ。このテーブルにもってきて。」
ファミレスにラーメンの出前!
おしゃれな副都心のいかしたストリート探偵の仕事はどこにいったのだ。
……今のは悠の真似だ。
その夜俺は自分の部屋でラーメン関連のホームページを三時間はしごした。
それでもとてもじゃないが全部は見切れない。
ネットの時代はすべての消費者が批評家になる時代なのだとわかった。
みんな批評すること自体を、実際にラーメンをくうこと以上にたのしんでいる。
おしゃべりに新発見に専門知識。乱立するランキング。
これが成熟したとしの文化なのだろうか。
生活には直接必要ないものに膨大な労力をそそぎ、情報ばかりが積み上がっていく。
おれはしばらくするとラーメンサイトの無限に続くページが、なんだかバベルの塔に見えてきた。
やつらはゲンコツとかモミジとか、スーパーハルユタカとか麺線26番なんて異邦の言葉を叫びながら、塔をさらに高く伸ばしていく。
真夜中おれは面倒になって眠った。夢のなかでさえナルトがぐるぐるとまわっている。
なんだか息苦しく脂っこいラーメンの夢。
次の日……
ー教室ー
「ふぁ~ぁ…ぁ~眠い…」
睡眠時間は十分なのに脂っこい夢のせいで疲れてしまった。
どうやって教室に入って、机で潰れているのかも覚えてない。
「ともき君、大丈夫?」
頭の上に優しい声聞こえると同時にズシリと重力も乗ってくる。
「…こなた。頭の上からどいてくれ。」
「よくわかったね。」
人の頭に肘をつくヤツなんかそうそういない。
こなたが退くと俺は身体を起こした。
「つかさ。おはよ。」
俺はこなたを無視してつかさに挨拶した。
「おはよう。ともき君。なんか疲れてるみたいだけど平気?」
「大丈夫だ。何でもない。それより…悠は来てないのか?」
俺は本来悠がいるはずの前の席を見た。
むしろ居ない方が多いかも知れないが…。