ー特別編ーWORLD・THE・Link【前】
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「この人が小鳥遊さんですか?」
小柄な女の子は俺を見る。
「いや、悠のツレだ。けど、嫌がらせの犯人を見つけるように頼んだ。明日から毎日顔をだすようになるから、挨拶だけしておいてくれ。」
小柄な女の子はとがったあごをつつましい胸に沈める。
ふれたらとんで逃げてしまいそうな小動物のようだった。
ペコリと短髪の頭をさげた。
「よろしくお願いします。矢嶋あずみです。」
頭をさげたときに首のうしろの関節が浮いて見えた。
あらためて見ると腕なんか竹刀くらいの細さ。
鶏の手羽先だってもうちょっと肉がついている。
「よろしく。中山ともきだ。なぁ、和辰君、悠がいたとき、この娘を先に見せたら二つ返事で受けたんじゃないか?」
客のいない店のなかで氷室さんひとりが笑い声をあげた。
和辰君は露骨に嫌な顔をして首を振った。
「アイツにからかわれるのは嫌だ。どうせ彼女か?だのふざけるに決まってる。お前にも言っとくがコイツはアルバイトだ。」
「ふふ、あずみさん。千夜君に無理をさせられてませんか?」
あずみは白い喉を見せて和辰君を見上げた。
にっこりと笑っておれたちにいう。
「いいえ、千夜さんすごくやさしいです。私いつもアルバイト長続きしなかったんだけど、このお店ならずっとがんばれるかもしれない。」
少し頬を赤らめたあずみはチラリと和辰君をみた。
和辰君は無関心にスープをかき回している。
スッと東池袋のイケメンのボスは俺の耳元でささやく。
「千夜君は無関心ですが、あずみさんはアレですよ。」
そういうことか。
恋も仕事もトラブルも、全部この四坪ほどの調理場のなかにある。
なんだかラーメン屋ってたのしそうだ。
あずみといっしょにキャベツやナルトを切るのも悪くないかもしれない。
俺はノートパソコン(氷室さんのものらしい)から、USBを抜いて、ポケットにいれた。
書き込みのあったラーメンサイトのアドレスと削除まえの嫌がらせが記録してある立派な証拠品だ。
「じゃぁ、また明日。」
俺は店を出て、その足で西池袋のファミレスに向かった。
もう顔馴染みになった情報屋禅君に会いに行くために。
彼は一日中サンシャインシティの見える窓際の特等席に座り、来客とデジタルの神様が自分だけに送ってくれるメッセージを待っている。
腕はいいが掛け値なしの変わり者。
今考えると悠を筆頭にまわりにはそんな人ばかり集まる。
きっと俺が普通すぎるせいだろう。もちろんいい意味で。
ーファミレスー
俺はいつものボックス席をみたが禅君の姿は見えない。
「あれ…禅君いないのか。」
「あら、ともき君。奇遇ね。」
ひとつ前の席から名前を呼ばれたので振り返ってみると古川稲葉が珈琲片手に笑っていた。
「なぁ、禅君はいないのか。」
俺はボックス席の反対側に座ると、稲葉は一口珈琲を飲んでいう。
「彼ならしばらく来ないわよ。別件で忙しいらしいから。」
「え…マジか。」
弱ったな。
禅君ならきっとなにか力になってくれると考えてたのに。
小柄な女の子は俺を見る。
「いや、悠のツレだ。けど、嫌がらせの犯人を見つけるように頼んだ。明日から毎日顔をだすようになるから、挨拶だけしておいてくれ。」
小柄な女の子はとがったあごをつつましい胸に沈める。
ふれたらとんで逃げてしまいそうな小動物のようだった。
ペコリと短髪の頭をさげた。
「よろしくお願いします。矢嶋あずみです。」
頭をさげたときに首のうしろの関節が浮いて見えた。
あらためて見ると腕なんか竹刀くらいの細さ。
鶏の手羽先だってもうちょっと肉がついている。
「よろしく。中山ともきだ。なぁ、和辰君、悠がいたとき、この娘を先に見せたら二つ返事で受けたんじゃないか?」
客のいない店のなかで氷室さんひとりが笑い声をあげた。
和辰君は露骨に嫌な顔をして首を振った。
「アイツにからかわれるのは嫌だ。どうせ彼女か?だのふざけるに決まってる。お前にも言っとくがコイツはアルバイトだ。」
「ふふ、あずみさん。千夜君に無理をさせられてませんか?」
あずみは白い喉を見せて和辰君を見上げた。
にっこりと笑っておれたちにいう。
「いいえ、千夜さんすごくやさしいです。私いつもアルバイト長続きしなかったんだけど、このお店ならずっとがんばれるかもしれない。」
少し頬を赤らめたあずみはチラリと和辰君をみた。
和辰君は無関心にスープをかき回している。
スッと東池袋のイケメンのボスは俺の耳元でささやく。
「千夜君は無関心ですが、あずみさんはアレですよ。」
そういうことか。
恋も仕事もトラブルも、全部この四坪ほどの調理場のなかにある。
なんだかラーメン屋ってたのしそうだ。
あずみといっしょにキャベツやナルトを切るのも悪くないかもしれない。
俺はノートパソコン(氷室さんのものらしい)から、USBを抜いて、ポケットにいれた。
書き込みのあったラーメンサイトのアドレスと削除まえの嫌がらせが記録してある立派な証拠品だ。
「じゃぁ、また明日。」
俺は店を出て、その足で西池袋のファミレスに向かった。
もう顔馴染みになった情報屋禅君に会いに行くために。
彼は一日中サンシャインシティの見える窓際の特等席に座り、来客とデジタルの神様が自分だけに送ってくれるメッセージを待っている。
腕はいいが掛け値なしの変わり者。
今考えると悠を筆頭にまわりにはそんな人ばかり集まる。
きっと俺が普通すぎるせいだろう。もちろんいい意味で。
ーファミレスー
俺はいつものボックス席をみたが禅君の姿は見えない。
「あれ…禅君いないのか。」
「あら、ともき君。奇遇ね。」
ひとつ前の席から名前を呼ばれたので振り返ってみると古川稲葉が珈琲片手に笑っていた。
「なぁ、禅君はいないのか。」
俺はボックス席の反対側に座ると、稲葉は一口珈琲を飲んでいう。
「彼ならしばらく来ないわよ。別件で忙しいらしいから。」
「え…マジか。」
弱ったな。
禅君ならきっとなにか力になってくれると考えてたのに。