ー特別編ーWORLD・THE・Link【前】
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悠がいった。
「けど、この店では味の素なんかつかってないんだろう」
和辰君は冷ややかに悠を見た。
「うちのは昔風の東京ラーメンなんだぞ。もちろん使ってる…ちょっと待て。」
和辰君はあたためたどんぶりにタレをいれ、湯気を天井まであげながらだしをタップリ注いだ。
俺と悠の前にどんぶりを置く。
「ちょっとのんでみろ」
俺は透明な脂の水玉模様が浮かぶスープを一口すすった。普通にうまい。
「どうだ。」
和辰君が俺と悠の表情を交互に見てそういった。
「いや、別にうまいけど」
「あぁ、美味しいよ。」
「そうか、じゃあ、どんぶり貸してみろ」
彼は俺のまえからどんぶりを引き上げると、カウンターの上段にのせた。
アルミニウムのバットから調味料の白い結晶をつまむ。
慎重に指先から数粒落とし、スプーンでかきまぜた。どんぶりを戻すと、少し自信を持った表情でいう。
「のんでみろ。ただし、先に水で口をすすいでからな。」
俺は冷水のコップを半分ほどあけてから、同じどんぶりに口をつけた。
今度はしっかりうまかった。和龍軒の東京ラーメンの軽くて香ばしいスープになっている。
和辰君はいった。
「素人はだからダメなんだ。無化調なんか、なんでもイメージだけで決めつけやがる。…人工はダメで、天然ならいいとかな。しっかりとだしを取ったスープに、ほんのわずか使うと化学調味料はいい味をだすんだよ。まるで別物になる。うちのラーメンにはかかせねぇもんだ。」
なんにでも奥の手はあるものだ。俺はもう一口スープをのんだ。
「わかったよ。お客はみんな素人で、しかもやつらは自分の舌より、ネットや雑誌の情報を信じてる。」
悠に続いて俺がいった。
「この店にとってはありがたくない話ってわけか。」
「……」
和辰君がカウンターのしたから、半透明の指定ごみ袋を取り出した。
袋の口をあけて、おれたちに見せる。
中身は血の固まりがこびりついたトリガラと野菜クズだった。
和辰君がまっすぐ俺たちを見ていった。
「今朝きてみると店の前に撒いてあった…。うちの常連にきいたところじゃ、この店の悪口をいうボケがこのあたりをうろちょろしているらしい。」
「行列の近くでわざと誰かがそんなことをいっていたそうです。これで悠さんをお呼びした理由がわかりますよね?」
俺がいった。
「悪質な噂で営業妨害をしてるやつらを見つけキツイお灸をすえること。」
氷室さん、和辰君が一斉にうなずく。
「なるほどね…。んじゃ、頑張ってくれ。ともき。」
悠はポンッと肩を叩いた。
俺は少し間をあけて返事をする。
「………はい?」
和辰君がいった。
「待て。悠どうゆう事だ!」
「悪い。俺いまから別件があるだ。大丈夫、ともきは優秀だから。次は麺もいれてくれな。」
そう言うと、悠と崇さんは店を出ていってしまった。
「けど、この店では味の素なんかつかってないんだろう」
和辰君は冷ややかに悠を見た。
「うちのは昔風の東京ラーメンなんだぞ。もちろん使ってる…ちょっと待て。」
和辰君はあたためたどんぶりにタレをいれ、湯気を天井まであげながらだしをタップリ注いだ。
俺と悠の前にどんぶりを置く。
「ちょっとのんでみろ」
俺は透明な脂の水玉模様が浮かぶスープを一口すすった。普通にうまい。
「どうだ。」
和辰君が俺と悠の表情を交互に見てそういった。
「いや、別にうまいけど」
「あぁ、美味しいよ。」
「そうか、じゃあ、どんぶり貸してみろ」
彼は俺のまえからどんぶりを引き上げると、カウンターの上段にのせた。
アルミニウムのバットから調味料の白い結晶をつまむ。
慎重に指先から数粒落とし、スプーンでかきまぜた。どんぶりを戻すと、少し自信を持った表情でいう。
「のんでみろ。ただし、先に水で口をすすいでからな。」
俺は冷水のコップを半分ほどあけてから、同じどんぶりに口をつけた。
今度はしっかりうまかった。和龍軒の東京ラーメンの軽くて香ばしいスープになっている。
和辰君はいった。
「素人はだからダメなんだ。無化調なんか、なんでもイメージだけで決めつけやがる。…人工はダメで、天然ならいいとかな。しっかりとだしを取ったスープに、ほんのわずか使うと化学調味料はいい味をだすんだよ。まるで別物になる。うちのラーメンにはかかせねぇもんだ。」
なんにでも奥の手はあるものだ。俺はもう一口スープをのんだ。
「わかったよ。お客はみんな素人で、しかもやつらは自分の舌より、ネットや雑誌の情報を信じてる。」
悠に続いて俺がいった。
「この店にとってはありがたくない話ってわけか。」
「……」
和辰君がカウンターのしたから、半透明の指定ごみ袋を取り出した。
袋の口をあけて、おれたちに見せる。
中身は血の固まりがこびりついたトリガラと野菜クズだった。
和辰君がまっすぐ俺たちを見ていった。
「今朝きてみると店の前に撒いてあった…。うちの常連にきいたところじゃ、この店の悪口をいうボケがこのあたりをうろちょろしているらしい。」
「行列の近くでわざと誰かがそんなことをいっていたそうです。これで悠さんをお呼びした理由がわかりますよね?」
俺がいった。
「悪質な噂で営業妨害をしてるやつらを見つけキツイお灸をすえること。」
氷室さん、和辰君が一斉にうなずく。
「なるほどね…。んじゃ、頑張ってくれ。ともき。」
悠はポンッと肩を叩いた。
俺は少し間をあけて返事をする。
「………はい?」
和辰君がいった。
「待て。悠どうゆう事だ!」
「悪い。俺いまから別件があるだ。大丈夫、ともきは優秀だから。次は麺もいれてくれな。」
そう言うと、悠と崇さんは店を出ていってしまった。