ー特別編ー哀愁ブルドック
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タカシと将也とは公園で別れた。
尻は蹴らなかったが、あんまり夜遊びするなとはいっておいた。
俺のジープには、大垣とカズマを乗せて、カズマの住むマンションは板橋だった。
北園高校の裏手。
大垣はうしろからカズマのベルトをつかんで、やつを部屋に案内させた。
片手で持ってているだけなのに、ときどきカズマの身体が浮き上がる。
ポパイみたいな六十代だった。
カギを開けて、玄関に入る。ワンルームのこぎれいな部屋には、ボールギャグをかまされたハルナが横倒しになっていた。
顔の横にはよだれの水たまり。
俺よりも大垣を見て、びっくり顔をする。
俺はロープをほどき、ボールギャグを外した。
ありがとうもなく、ハルナは叫んだ。
「大垣のおじさん、どうしてこんな所に居るの」
「お嬢さん、いたずらがすぎますよ。女の子は付き合う男をきちんとえらばなくちゃいけない。」
グローブのような手でカズマの頭をはたいた。俺は部屋の中を調べていた。携帯の画像を消しても、きっとバックアップのデータがあったのだろう。
ハルナのアドレスもそこから調べたはずだ。俺は学習机のうえのパソコンに目をつけた。
コードを引き外しながら、本体を抱えた。
俺はカズマにいった。
「パソコンはこれだけか。」
やつは震えながらうなずいてる。
「分かった。じゃあ、携帯もよこせ。」
もう逆らわなかった。右のひじを押えて、涙目で震えているだけだ。
コイツは女に暴力は振るっても、自分が振るわれたことはないのだろう。
想像力のないガキ。
俺は奴の手から銀の携帯を奪うと、ふたりに声をかけた。
「こんな臭い部屋にいつまでもいるもんじゃない。いくぞ」
帰りのクルマのなかはちょっとしたドライブ気分だった。
ようやく大垣の傷に気づいたようだ。
血のにじんだガーゼを見て、ハルナが騒ぎだした。
「おじさん死んじゃう。病院にいって。」
俺は首を横に振った。
「この街ではダメだ。明日にでも、顔のきく警察病院にいってくれ。」
大垣はうなずいていう。
「そうだな。そっちのほうがいい。悠、わたしはあんたのことをすこしなめていたかもしれん。今回のことは悠がいなかったら、まったく別な終わり方になっただろう。よくやってくれたな。宮崎課長に代わって、礼をいう。」
俺は一瞬ハンドルから両手を離した。
「そういうのはいいよ。あんたのほうこそ、すごかった。タカシが、アンタが暇なら、いつでもSウルフの突撃隊に迎えるってさ。」
「そのSなんとかっていうのは、なんだ」
俺は笑って四十歳ばかりうえのオヤジにウインクした。
「あんたは知らなくていいことだよ」
池袋大橋にさしかかると、大垣がいった。
「ちょっと止めてくれ。」
ほんとうは駐車禁止だが、ほんのすこしならかまわないだろう。
俺は路線をまたぐ陸橋の路肩にジープをとめた。
大垣とハルナが手すりに並んだ。
俺は少し離れて、ジープのドアにもたれた。
尻は蹴らなかったが、あんまり夜遊びするなとはいっておいた。
俺のジープには、大垣とカズマを乗せて、カズマの住むマンションは板橋だった。
北園高校の裏手。
大垣はうしろからカズマのベルトをつかんで、やつを部屋に案内させた。
片手で持ってているだけなのに、ときどきカズマの身体が浮き上がる。
ポパイみたいな六十代だった。
カギを開けて、玄関に入る。ワンルームのこぎれいな部屋には、ボールギャグをかまされたハルナが横倒しになっていた。
顔の横にはよだれの水たまり。
俺よりも大垣を見て、びっくり顔をする。
俺はロープをほどき、ボールギャグを外した。
ありがとうもなく、ハルナは叫んだ。
「大垣のおじさん、どうしてこんな所に居るの」
「お嬢さん、いたずらがすぎますよ。女の子は付き合う男をきちんとえらばなくちゃいけない。」
グローブのような手でカズマの頭をはたいた。俺は部屋の中を調べていた。携帯の画像を消しても、きっとバックアップのデータがあったのだろう。
ハルナのアドレスもそこから調べたはずだ。俺は学習机のうえのパソコンに目をつけた。
コードを引き外しながら、本体を抱えた。
俺はカズマにいった。
「パソコンはこれだけか。」
やつは震えながらうなずいてる。
「分かった。じゃあ、携帯もよこせ。」
もう逆らわなかった。右のひじを押えて、涙目で震えているだけだ。
コイツは女に暴力は振るっても、自分が振るわれたことはないのだろう。
想像力のないガキ。
俺は奴の手から銀の携帯を奪うと、ふたりに声をかけた。
「こんな臭い部屋にいつまでもいるもんじゃない。いくぞ」
帰りのクルマのなかはちょっとしたドライブ気分だった。
ようやく大垣の傷に気づいたようだ。
血のにじんだガーゼを見て、ハルナが騒ぎだした。
「おじさん死んじゃう。病院にいって。」
俺は首を横に振った。
「この街ではダメだ。明日にでも、顔のきく警察病院にいってくれ。」
大垣はうなずいていう。
「そうだな。そっちのほうがいい。悠、わたしはあんたのことをすこしなめていたかもしれん。今回のことは悠がいなかったら、まったく別な終わり方になっただろう。よくやってくれたな。宮崎課長に代わって、礼をいう。」
俺は一瞬ハンドルから両手を離した。
「そういうのはいいよ。あんたのほうこそ、すごかった。タカシが、アンタが暇なら、いつでもSウルフの突撃隊に迎えるってさ。」
「そのSなんとかっていうのは、なんだ」
俺は笑って四十歳ばかりうえのオヤジにウインクした。
「あんたは知らなくていいことだよ」
池袋大橋にさしかかると、大垣がいった。
「ちょっと止めてくれ。」
ほんとうは駐車禁止だが、ほんのすこしならかまわないだろう。
俺は路線をまたぐ陸橋の路肩にジープをとめた。
大垣とハルナが手すりに並んだ。
俺は少し離れて、ジープのドアにもたれた。