ー特別編ー哀愁ブルドック
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「カズマ、おまえはなにがしたいんだ。」
『ふふふ、そうだな。今度はおれがお前を呼び出してやる。一時間後に上池袋図書館の裏にある公園にこい。お前、ひとりきりでな、小鳥遊悠』
通話はぷつりと切れた部屋は暗いままで、夜の重圧を全身に感じたのは久しぶりのことだった。
そのまま携帯をつかった。
まずは大垣だ。
着信音六回目で、元警官は通話を受けた。
『どうした、悠』
事情を説明する。
ハルナがさらわれて、俺は呼び出しをくった。
これ以上はないほど簡単な説明。
うなるように大垣はいう。
『わかった。わたしもいく。今度はやつと対面してもいいんだな』
うなずいて、返事をした。
「ああ、しっかりとアンタのお灸をすえてやってくれ」
場所と時間を話して、通話を切った。
ここまでで二分と少し。
つぎは今回のトラブルを俺にもちこんだ張本人だ。
『はい、キングの携帯』
取り次ぎの声は将也だった。
あのガキ…夜中過ぎてはSウルフに関わるなといったのに……色々言いたかったがまずはキングだ。
「タカシに変わってくれ。」
午前一時過ぎでも、キングの声は起きたばかりのようにスッキリしている。
俺はいきなり本題にはいった。
「この前の女がさらわれた。バックアップだけ頼みたい」
『手は足は必要ないのか』
武闘派のチームと何台かのRVを考えた。
それに震えていたカズマの顔も。
「いいや、今回はそれほど手間はかからないと思う。俺ともう一人で片づけるからバックアップだけたのむよ。」
『つまらないな。場所と時間は』
俺はベッドを飛び出ていった。
「上池袋のサクラ公園。時間は今夜二時だ。」
『了解した。』
王の電話は突然切れる。
俺は車庫からジープを出した。
夜中のドライブに使うのなんか久々だ。
池袋大橋を渡るとき、JRの路線の両側にまぶしい光の谷間ができているのが見えた。
どのビルも真夜中でも明かりを灯していた。きっと消灯するスイッチがないのだろう。
それはカズマというガキと同じだった。
適当なところで引きあげるという方法を知らないのだ。
サクラ公園は文字どおり、ソメイヨシノの木に囲まれたオフィス街のなかにある公園だ。
いくつか街灯は立っているが、まだ緑の葉をしげらせる木々に埋もれて、薄暗い園内だった。
ブランコの柵に座って待っていると、タクシーのとまる音がした。
大垣が小走りでやってくる。
「困った奴だな」
「ああ」
「その後、池本から連絡はあったか。」
「ない。俺はひとりきりで来るようにいわれているから、どこかに身をかくしていてくれないか。合図したら、出てきてくれればいい。そうだな」
俺は右手で胸をたたいた。
大垣はうなずいて、軽い準備体操を始めた。
無差別級の柔道選手、還暦を過ぎたとはいえその実力はバカにならないだろう。
お手並みをたっぷりと見せてもらおう。
俺の携帯が鳴った。タカシの声だ。
『ふふふ、そうだな。今度はおれがお前を呼び出してやる。一時間後に上池袋図書館の裏にある公園にこい。お前、ひとりきりでな、小鳥遊悠』
通話はぷつりと切れた部屋は暗いままで、夜の重圧を全身に感じたのは久しぶりのことだった。
そのまま携帯をつかった。
まずは大垣だ。
着信音六回目で、元警官は通話を受けた。
『どうした、悠』
事情を説明する。
ハルナがさらわれて、俺は呼び出しをくった。
これ以上はないほど簡単な説明。
うなるように大垣はいう。
『わかった。わたしもいく。今度はやつと対面してもいいんだな』
うなずいて、返事をした。
「ああ、しっかりとアンタのお灸をすえてやってくれ」
場所と時間を話して、通話を切った。
ここまでで二分と少し。
つぎは今回のトラブルを俺にもちこんだ張本人だ。
『はい、キングの携帯』
取り次ぎの声は将也だった。
あのガキ…夜中過ぎてはSウルフに関わるなといったのに……色々言いたかったがまずはキングだ。
「タカシに変わってくれ。」
午前一時過ぎでも、キングの声は起きたばかりのようにスッキリしている。
俺はいきなり本題にはいった。
「この前の女がさらわれた。バックアップだけ頼みたい」
『手は足は必要ないのか』
武闘派のチームと何台かのRVを考えた。
それに震えていたカズマの顔も。
「いいや、今回はそれほど手間はかからないと思う。俺ともう一人で片づけるからバックアップだけたのむよ。」
『つまらないな。場所と時間は』
俺はベッドを飛び出ていった。
「上池袋のサクラ公園。時間は今夜二時だ。」
『了解した。』
王の電話は突然切れる。
俺は車庫からジープを出した。
夜中のドライブに使うのなんか久々だ。
池袋大橋を渡るとき、JRの路線の両側にまぶしい光の谷間ができているのが見えた。
どのビルも真夜中でも明かりを灯していた。きっと消灯するスイッチがないのだろう。
それはカズマというガキと同じだった。
適当なところで引きあげるという方法を知らないのだ。
サクラ公園は文字どおり、ソメイヨシノの木に囲まれたオフィス街のなかにある公園だ。
いくつか街灯は立っているが、まだ緑の葉をしげらせる木々に埋もれて、薄暗い園内だった。
ブランコの柵に座って待っていると、タクシーのとまる音がした。
大垣が小走りでやってくる。
「困った奴だな」
「ああ」
「その後、池本から連絡はあったか。」
「ない。俺はひとりきりで来るようにいわれているから、どこかに身をかくしていてくれないか。合図したら、出てきてくれればいい。そうだな」
俺は右手で胸をたたいた。
大垣はうなずいて、軽い準備体操を始めた。
無差別級の柔道選手、還暦を過ぎたとはいえその実力はバカにならないだろう。
お手並みをたっぷりと見せてもらおう。
俺の携帯が鳴った。タカシの声だ。