ー特別編ー哀愁ブルドック
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「携帯貸せ。」
カズマは渋っていた。
さらにもうひと押しする。
「早くだせ」
のろのろとやつの手がジーンズのポケットにはいった。
銀色の卵のようなきれいな携帯がでてくる。
俺はやつの手から奪うと、フラップを開き、データフォルダを選択した。
びっしりと細かな映像が浮かぶ。
「やめろよ。俺にだって、プライバシーが……」
「そんなもの、お前にあるか」
したのほうにカーソルをスクロールすると、撮影されているのはハルナだけではなかった。
詳しく見ていないから正確な数字はわからないが、ほかにも三、四人の若い女のヌードが写真でフォルダにはいっていた。
「おまえ、別れた女の全員を脅していただろ。」
やつがひるんだのがわかった。
的のど真ん中を射抜いたようだ。
俺は笑いながら最初の画面にもどり写真フォルダの全消去を選択した。
しばらくお待ちください。俺はわきにあるスロットからマイクロSDカードを抜いて、銀の携帯をカズマに放り投げてやった。
火のついたダイナマイトでもう受けとるように、大慌てでやつは携帯を両手で受けた。
「いいか、二度とハルナに近づくな。そのときは、こんなものじゃすまないぞ」
カズマの関心は携帯にしかないようだった。
消えてしまったフォルダを探して、親指をかちかちとやっている。
「待ってよ」
横から女の手がのびて、やつの携帯を奪った。
ハルナはアドレス帳から、自分の番号とアドレスを消したようである。
ご丁寧なことにメールと通話の着信送信履歴も全消去してしまう。
まあ、アドレス帳をまるまる消されなかっただけいいよな。
ハルナは俺に飛び付くと、腕を絡めてきた。
「いっとくけど、あんたみたいなナルシストに未練は全然ないんだよ。二度と電話かけてくんなよ」
そういうと、俺の頬に音をたててキスをした。
「わたしたちはラブラブなんだからね。あんたなんかお呼びじゃないの」
怒りだか、屈辱で、全身を震わせるカズマをおいて、俺たちは西口公園をでた。
これでめでたく一件落着。公園をでたところで、俺はハルナの腕を振りほどいた。
「いつまでやってんだよ。あのキスはやりすぎだったぞ。」
ハルナは絶好調のようだった。
「別に減るもんじゃないし、あのくらいいいでしょう。それにしても、カズマのあの顔見た。最高だったね。あいつ、悔しくて泣きそうな顔してたもん。」
一日で解決してしまうお気楽なトラブル。
毎回この街の事件がこんなふうならいいのに。
「これで、まず間違いはないと思う。なにかあったら、また電話してくれ。じゃあな」
俺が公園にもどろうとすると、ハルナが口をとがらせていった。
「ねえ、お礼に晩ごはん、おごってあげるよ。おいしい韓国家庭料理の店があるんだけど、いかない」
悪い女ではないが、ハルナとつきあうのはちょっと怖かった。
俺も携帯の履歴を全消去されたくないかな。
「まだ仕事が残ってる。メシはいつか、またな」
「こんな美人につぎのチャンスなんてあるわけないでしょ。まったく、つまんない男。」
トラブルを解決して、文句を言われたのは初めてだった。池袋も変わったよな。
カズマは渋っていた。
さらにもうひと押しする。
「早くだせ」
のろのろとやつの手がジーンズのポケットにはいった。
銀色の卵のようなきれいな携帯がでてくる。
俺はやつの手から奪うと、フラップを開き、データフォルダを選択した。
びっしりと細かな映像が浮かぶ。
「やめろよ。俺にだって、プライバシーが……」
「そんなもの、お前にあるか」
したのほうにカーソルをスクロールすると、撮影されているのはハルナだけではなかった。
詳しく見ていないから正確な数字はわからないが、ほかにも三、四人の若い女のヌードが写真でフォルダにはいっていた。
「おまえ、別れた女の全員を脅していただろ。」
やつがひるんだのがわかった。
的のど真ん中を射抜いたようだ。
俺は笑いながら最初の画面にもどり写真フォルダの全消去を選択した。
しばらくお待ちください。俺はわきにあるスロットからマイクロSDカードを抜いて、銀の携帯をカズマに放り投げてやった。
火のついたダイナマイトでもう受けとるように、大慌てでやつは携帯を両手で受けた。
「いいか、二度とハルナに近づくな。そのときは、こんなものじゃすまないぞ」
カズマの関心は携帯にしかないようだった。
消えてしまったフォルダを探して、親指をかちかちとやっている。
「待ってよ」
横から女の手がのびて、やつの携帯を奪った。
ハルナはアドレス帳から、自分の番号とアドレスを消したようである。
ご丁寧なことにメールと通話の着信送信履歴も全消去してしまう。
まあ、アドレス帳をまるまる消されなかっただけいいよな。
ハルナは俺に飛び付くと、腕を絡めてきた。
「いっとくけど、あんたみたいなナルシストに未練は全然ないんだよ。二度と電話かけてくんなよ」
そういうと、俺の頬に音をたててキスをした。
「わたしたちはラブラブなんだからね。あんたなんかお呼びじゃないの」
怒りだか、屈辱で、全身を震わせるカズマをおいて、俺たちは西口公園をでた。
これでめでたく一件落着。公園をでたところで、俺はハルナの腕を振りほどいた。
「いつまでやってんだよ。あのキスはやりすぎだったぞ。」
ハルナは絶好調のようだった。
「別に減るもんじゃないし、あのくらいいいでしょう。それにしても、カズマのあの顔見た。最高だったね。あいつ、悔しくて泣きそうな顔してたもん。」
一日で解決してしまうお気楽なトラブル。
毎回この街の事件がこんなふうならいいのに。
「これで、まず間違いはないと思う。なにかあったら、また電話してくれ。じゃあな」
俺が公園にもどろうとすると、ハルナが口をとがらせていった。
「ねえ、お礼に晩ごはん、おごってあげるよ。おいしい韓国家庭料理の店があるんだけど、いかない」
悪い女ではないが、ハルナとつきあうのはちょっと怖かった。
俺も携帯の履歴を全消去されたくないかな。
「まだ仕事が残ってる。メシはいつか、またな」
「こんな美人につぎのチャンスなんてあるわけないでしょ。まったく、つまんない男。」
トラブルを解決して、文句を言われたのは初めてだった。池袋も変わったよな。