ー特別編ー哀愁ブルドック
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吉野家で牛丼を食べて、ドトールでアイスコーヒーをのんだ。
あわせて五百円とすこし。
デフレって貧乏にんには最高だよな。
俺はフラッシュで浮かんだ計画を大垣に話してやった。ドトールの二階で、やつは疑わしそうにいう。
「ほんとうにそんな杜撰(ずさん)な計画で、犯人をあげられるのか」
俺はアイスコーヒーを一口のんだ。
牛丼のあとのコーヒーっていいよな。
将也がいった。
「池袋で悪さをしてるガキはみんな程度が低いんだ。このくらいで十分。だいたい大垣さんをつけたところを見ると、課長だってちょっと腕力で脅せばすぐに相手は落ちると読んだんだろ。」
クマの顔にゆっくりと理解の色が浮かんだ。
「それもそうだな」
でかい声じゃいえないが、現場の警察官のレベルは実際にこのくらいのもの。
しっかりしてるのはシステムであって、個人ではない。
日本のあらゆる組織につうじる話だ。
俺たちは適当に時間を潰し、カフェをでた。
池袋の駅前はなんでもそろっていて、実に便利だ。
約束の時間の十五分後、ハルナは昨日の夜と同じ格好でやってきた。
ベンチのとなりに座るとちょっと汗のにおいがした。大垣は離れたベンチにサングラスをかけて座り、スポーツ新聞を広げている。
「携帯貸してくれ。」
俺が右手をだすと、ハルナが実に嫌そうな顔をした。
別に下着を見せろといったわけじゃないが、今では携帯は人のもつもっともプライベートな道具だから、それもしかたないのかもしれない。
「なにするの」
「メールを打つ」
またも疑わしげな顔。
俺のやることにはよくよく信用がないのだろう。
「悠がわたしの代わりに、わたしの携帯でメールを打つの?」
「そう。それでカズマをここに呼び出す。」
ようやくわかったようだった。
「でもばれないかな。悠って絵文字とか使わないでしょう」
つかわない。というより、携帯のメールはめったに打たないのだ。
「だからさ、メールを打つのは俺じゃなくコイツ。」
俺は隣の将也を指差した。
「将也だっけ?」
俺はうなずいた。
こういうのはそれなりにメールとかのできる奴がやったほうがいい。
「というわけで、すまないけどカズマとのやりとりを全部読ませてくれ。俺たちがハルナの振りをしなくちゃいけないんだかさ」
クラブとSMが好きな警視庁幹部の娘の役をやるのだ。今回の事件でもっとも難しいのは、女役でメールを打つ将也かもしれない。
そのままベンチで一時間。俺らは数百もあるカズマとハルナの愛の往復メールを読み込んだ。
春の終わりにクラブで知り合った直後のメールはひどく優しかった。
それがだんだんと俺様の地がでてきて、夏にはすっかりご主人さま気取り。
だが、がくんと調子が変わったのは、九月にはいってからだ。
あわせて五百円とすこし。
デフレって貧乏にんには最高だよな。
俺はフラッシュで浮かんだ計画を大垣に話してやった。ドトールの二階で、やつは疑わしそうにいう。
「ほんとうにそんな杜撰(ずさん)な計画で、犯人をあげられるのか」
俺はアイスコーヒーを一口のんだ。
牛丼のあとのコーヒーっていいよな。
将也がいった。
「池袋で悪さをしてるガキはみんな程度が低いんだ。このくらいで十分。だいたい大垣さんをつけたところを見ると、課長だってちょっと腕力で脅せばすぐに相手は落ちると読んだんだろ。」
クマの顔にゆっくりと理解の色が浮かんだ。
「それもそうだな」
でかい声じゃいえないが、現場の警察官のレベルは実際にこのくらいのもの。
しっかりしてるのはシステムであって、個人ではない。
日本のあらゆる組織につうじる話だ。
俺たちは適当に時間を潰し、カフェをでた。
池袋の駅前はなんでもそろっていて、実に便利だ。
約束の時間の十五分後、ハルナは昨日の夜と同じ格好でやってきた。
ベンチのとなりに座るとちょっと汗のにおいがした。大垣は離れたベンチにサングラスをかけて座り、スポーツ新聞を広げている。
「携帯貸してくれ。」
俺が右手をだすと、ハルナが実に嫌そうな顔をした。
別に下着を見せろといったわけじゃないが、今では携帯は人のもつもっともプライベートな道具だから、それもしかたないのかもしれない。
「なにするの」
「メールを打つ」
またも疑わしげな顔。
俺のやることにはよくよく信用がないのだろう。
「悠がわたしの代わりに、わたしの携帯でメールを打つの?」
「そう。それでカズマをここに呼び出す。」
ようやくわかったようだった。
「でもばれないかな。悠って絵文字とか使わないでしょう」
つかわない。というより、携帯のメールはめったに打たないのだ。
「だからさ、メールを打つのは俺じゃなくコイツ。」
俺は隣の将也を指差した。
「将也だっけ?」
俺はうなずいた。
こういうのはそれなりにメールとかのできる奴がやったほうがいい。
「というわけで、すまないけどカズマとのやりとりを全部読ませてくれ。俺たちがハルナの振りをしなくちゃいけないんだかさ」
クラブとSMが好きな警視庁幹部の娘の役をやるのだ。今回の事件でもっとも難しいのは、女役でメールを打つ将也かもしれない。
そのままベンチで一時間。俺らは数百もあるカズマとハルナの愛の往復メールを読み込んだ。
春の終わりにクラブで知り合った直後のメールはひどく優しかった。
それがだんだんと俺様の地がでてきて、夏にはすっかりご主人さま気取り。
だが、がくんと調子が変わったのは、九月にはいってからだ。