ー特別編ー哀愁ブルドック
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パイプベンチのとなりでは、大垣が元警官の癖を発揮していた。
ちいさな黒い手帳をとりだして、ボールペンでメモをとる姿勢にはいったのだ。
これまで俺と一緒に動いた人間で、まともにメモをとるやつなど皆無だった。
やはり本筋は違う。
「今回の事件は簡単なんじゃないか。池本を呼び出して、適当に脅せば片がつく。なにせむこうも二百万よこせと恐喝してるんだ。自分から警察に駆け込むこともないだろ」
将也がそういうと、大垣は驚いた顔をした。
「お前らはこういう事件になれてるのか」
「まあな、池袋じゃあ、この手の間抜けなトラブルがセミみたいに発生してるんだ。」
俺は背後のケヤキに目をやった。十月でも、まだ暑苦しく鳴いている。
「だが、池本をどうやって呼び出す」
この元警官は、やはり肉体派のようだった。
考える役は全部こちらに投げてくる。
これでは出世がそこそこだったのも無理はない。
問題はそこだった。
アマチュアの恐喝犯をどうやって呼び出すか。
だが、考えるまでもなかった。池本につながっているラインは一本しかないのだ。
俺は携帯を抜いて、ハルナの番号を選択した。
ウインクをして、大垣にいう。
「待っててくれ。うまくすれば、今日中に終わりにできるかもしれない。」
大垣は信用できないという顔をして、俺の方をにらんでいた。
「俺、悠だ。」
ひどく眠そうな声が返ってくる。
『なによ、こんな時間に。わたし昨日オールで踊ったんだよ』
そうはいっても時刻はすでに日も高い午前十一時過ぎ。
俺はクライアントの体調を無視していった。
「なあ、カズマのアドレスあるよな」
『あるけど、それがどうしたの』
「今、どこにいるんだ」
『要町のお友だちの部屋』
地下鉄でひと駅の距離だった。
まあ、この公園までなら、地下に潜るより歩いた方がはやいかもしれない。
「だったら、すぐにきてくれ。俺は西口公園にいる」
『なんなのよ、いったい』
「だから、俺はこういうお手軽な事件はさっさと片付けたいんだよ。金も払ってないくせに文句いうな。いいか、すぐだぞ。一時間後に円形広場でな」
ハルナはなにかいいかけたが、俺は無視してガチャ切りしてやった。
やっぱり金をもらったプロの仕事ではこうはいかない。
アマチュア万歳だ。
俺はなにかなんだかわからないという顔をした大垣にいった。
「というわけだから、昼飯食いにいこう。説明はちゃんとするから。」
大垣は不服そうな顔をする。
「お嬢さんにはわたしのことは隠しておいてくれ。」
「大丈夫だって、アマチュアでもそのくらいの事はわかってるっての。」
ちいさな黒い手帳をとりだして、ボールペンでメモをとる姿勢にはいったのだ。
これまで俺と一緒に動いた人間で、まともにメモをとるやつなど皆無だった。
やはり本筋は違う。
「今回の事件は簡単なんじゃないか。池本を呼び出して、適当に脅せば片がつく。なにせむこうも二百万よこせと恐喝してるんだ。自分から警察に駆け込むこともないだろ」
将也がそういうと、大垣は驚いた顔をした。
「お前らはこういう事件になれてるのか」
「まあな、池袋じゃあ、この手の間抜けなトラブルがセミみたいに発生してるんだ。」
俺は背後のケヤキに目をやった。十月でも、まだ暑苦しく鳴いている。
「だが、池本をどうやって呼び出す」
この元警官は、やはり肉体派のようだった。
考える役は全部こちらに投げてくる。
これでは出世がそこそこだったのも無理はない。
問題はそこだった。
アマチュアの恐喝犯をどうやって呼び出すか。
だが、考えるまでもなかった。池本につながっているラインは一本しかないのだ。
俺は携帯を抜いて、ハルナの番号を選択した。
ウインクをして、大垣にいう。
「待っててくれ。うまくすれば、今日中に終わりにできるかもしれない。」
大垣は信用できないという顔をして、俺の方をにらんでいた。
「俺、悠だ。」
ひどく眠そうな声が返ってくる。
『なによ、こんな時間に。わたし昨日オールで踊ったんだよ』
そうはいっても時刻はすでに日も高い午前十一時過ぎ。
俺はクライアントの体調を無視していった。
「なあ、カズマのアドレスあるよな」
『あるけど、それがどうしたの』
「今、どこにいるんだ」
『要町のお友だちの部屋』
地下鉄でひと駅の距離だった。
まあ、この公園までなら、地下に潜るより歩いた方がはやいかもしれない。
「だったら、すぐにきてくれ。俺は西口公園にいる」
『なんなのよ、いったい』
「だから、俺はこういうお手軽な事件はさっさと片付けたいんだよ。金も払ってないくせに文句いうな。いいか、すぐだぞ。一時間後に円形広場でな」
ハルナはなにかいいかけたが、俺は無視してガチャ切りしてやった。
やっぱり金をもらったプロの仕事ではこうはいかない。
アマチュア万歳だ。
俺はなにかなんだかわからないという顔をした大垣にいった。
「というわけだから、昼飯食いにいこう。説明はちゃんとするから。」
大垣は不服そうな顔をする。
「お嬢さんにはわたしのことは隠しておいてくれ。」
「大丈夫だって、アマチュアでもそのくらいの事はわかってるっての。」