ー特別編ー哀愁ブルドック
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
俺は自動販売機でミネラルウォーターを三本買った。一本を将也に投げ渡して、一本をホットパンツの女にわたしてやる。
どこかほかの場所に移動するのが面倒で、コインパーキングの隅の暗がりに場所を変えた。
まだほのかに昼の熱を残すアスファルトのうえに、直接座り込む。
お行儀はよくないが、目撃者はいないから、まあいいよな。
「Sウルフのキングから聞いた。アンタ、困ってるんだってな。」
女は汗だくのようだった。よほど激しく踊っていたのだろう。
のどを鳴らして、冷たい水をのんだ。
豪快に口をぬぐっていう。
「そうなんだ。あんたが悠っていうんだよね。トラブルシューターなんでしょう。なんかバンドの名前みたいだね」
こんなに貧乏で心やさしいロックスターがいるものだろうか。
早く切り上げて、さっさと寝よう。
「アンタの名前は?」
「宮崎はるな。二十二歳。B型。まっすぐとぶ射手座」
開いた口がふさがらない。
「はいはい。よくわかったよ。それでトラブルの種は?」
もう完全にやっつけ仕事になっていた。
ハルナはヒップポケットから携帯電話を抜いた。
パチンとバネ仕掛けでフラップを開き、写真を選んでこちらに向ける。
なんだかよくディスプレイを見せつけられる日。
「こんな写真があと何十枚もあるんだ」
俺は呆れて、ディスプレイを将也の方へ向けた。
赤いロープで縛られたハルナの写真だった。
着ているのは胸が丸く開いたフィッシュネットの全身タイツだけ。
ハルナの乳首をちいさなクリップがつまんでいた。表情は控えめにいって、最高に楽しんでるって顔。
俺たちは他人のプレイ写真を見せられてうんざりしていた。
「よかったな。趣味の合う男が見つかって。」
ハルナはアスファルトのうえで胡坐(あぐら)をかいていた。
大きな目の周りは病み上がりの悪魔のようにまっ黒だ。
「付き合っているあいだは本当によかったんだよね。なんというか、情け容赦ない感じがさ。でも、別れたら態度が変わったんだ。」
だいたいの男は別れた女には態度を変えるものだろう。
アンタは違うかな?
ためしに俺はいってみた。
「そいつはよっぽどひどい変化だったのか」
「そう。こんな写メを何枚か送ってきて、二百万よこせって」
クズのような男に間違いはないが。同にも微妙な数字だった。
本格的な犯罪者が要求するような額ではない。
俺はいった。
「元彼の名前は?」
ハルナは歌うようにいった。
「池本和麻。二十七歳。ab型。臆病なおとめ座」
この女と付き合う限り、ワンセットで人物紹介されるのだろうか。
控え目にいってとてもうんざりする。
俺の心を読んだのか、将也がかわりにいった。
「カズマは他になんて言ってた」
ハルナは少し考える顔になった。
どこかほかの場所に移動するのが面倒で、コインパーキングの隅の暗がりに場所を変えた。
まだほのかに昼の熱を残すアスファルトのうえに、直接座り込む。
お行儀はよくないが、目撃者はいないから、まあいいよな。
「Sウルフのキングから聞いた。アンタ、困ってるんだってな。」
女は汗だくのようだった。よほど激しく踊っていたのだろう。
のどを鳴らして、冷たい水をのんだ。
豪快に口をぬぐっていう。
「そうなんだ。あんたが悠っていうんだよね。トラブルシューターなんでしょう。なんかバンドの名前みたいだね」
こんなに貧乏で心やさしいロックスターがいるものだろうか。
早く切り上げて、さっさと寝よう。
「アンタの名前は?」
「宮崎はるな。二十二歳。B型。まっすぐとぶ射手座」
開いた口がふさがらない。
「はいはい。よくわかったよ。それでトラブルの種は?」
もう完全にやっつけ仕事になっていた。
ハルナはヒップポケットから携帯電話を抜いた。
パチンとバネ仕掛けでフラップを開き、写真を選んでこちらに向ける。
なんだかよくディスプレイを見せつけられる日。
「こんな写真があと何十枚もあるんだ」
俺は呆れて、ディスプレイを将也の方へ向けた。
赤いロープで縛られたハルナの写真だった。
着ているのは胸が丸く開いたフィッシュネットの全身タイツだけ。
ハルナの乳首をちいさなクリップがつまんでいた。表情は控えめにいって、最高に楽しんでるって顔。
俺たちは他人のプレイ写真を見せられてうんざりしていた。
「よかったな。趣味の合う男が見つかって。」
ハルナはアスファルトのうえで胡坐(あぐら)をかいていた。
大きな目の周りは病み上がりの悪魔のようにまっ黒だ。
「付き合っているあいだは本当によかったんだよね。なんというか、情け容赦ない感じがさ。でも、別れたら態度が変わったんだ。」
だいたいの男は別れた女には態度を変えるものだろう。
アンタは違うかな?
ためしに俺はいってみた。
「そいつはよっぽどひどい変化だったのか」
「そう。こんな写メを何枚か送ってきて、二百万よこせって」
クズのような男に間違いはないが。同にも微妙な数字だった。
本格的な犯罪者が要求するような額ではない。
俺はいった。
「元彼の名前は?」
ハルナは歌うようにいった。
「池本和麻。二十七歳。ab型。臆病なおとめ座」
この女と付き合う限り、ワンセットで人物紹介されるのだろうか。
控え目にいってとてもうんざりする。
俺の心を読んだのか、将也がかわりにいった。
「カズマは他になんて言ってた」
ハルナは少し考える顔になった。