ー特別編ーストリートキャッチャー
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つぎの日もまた目白駅の前にたった。
アクセルのガキもいっしょだ。
チームリーダーはミチコをはめたジョーである。
ガッカリしたのは、アクセルもジョーも一日でタカシに一目おいていたことである。
アクセルはタカシにだけ「リバーさん」とさん付けで呼び、俺はただの「コリン」のままだった。
まあ、ツバメ返しの連絡先の数は、営業成績に組み込まれているから、それもしかたないのかもしれない。
要するにタカシはエステ詐欺のキャッチのゴールデンルーキーなのだ。
俺は最低の成績を収めるために、せっせと女たちに声をかけ、逃げられていた。
さすがに二日目になると声かけにもなれてしまい、うっかり女たちが連絡先を教えようとすることもあった。
そんなときには心を鬼にして、気のいい女たちを放流するのだった。
ハンドレッドビューティの被害者を、これ以上増やすわけにはいかないからな。
二日をなんとか終えて、俺はうちに帰った。
スーツを着たまま、ベッドに倒れ込む。
風呂にはいるまえに体重計にのったが、ちょうど三キロ減っていた。
こうなったら、キャッチダイエットの本でも書こうかな。
どんな本がうれるか、誰にも読めない時代だ。
もしかしたらミリオンセラーになるかもしれない。
それからの数日は問題もなくすぎた。
途中から曇りの日が続いて、暑さも一段落したのがなにより大きかった。
気温が五度もさがるだけで、屋外の仕事は格段に楽になる。
タカシはイチローの打率のようにざくざくと女たちの連絡先を集め、俺はしぶとくヒット数ゼロを死守した。
案外そいつも大変な仕事なんだが、誰も評価してくれなかった。
変わったことといえば、俺たちのあとに新入りがやって来た話し。
やつは俺の顔を見ると一瞬おかしな表情をしたが、高田馬場の駅前で張るチームといっしょにミーティングルームをでていってしまった。
タカシのほうには無反応だった。
こちらはルーサーとかいいうガキに面識はない。
タカシは目白駅に向かう途中で、渋い顔をしていた。
「ああいうのは妙に気になるものだな。あのルーサーとかいうやつにプレッシャーでもかけておくか」
俺もタカシも池袋のストリートの裏側では有名人である。
面が割れる可能性は否定できなかった。だが、俺はキングを制した。
「やめておけ。朝礼まであと二日だ。もう面倒は起こさないほうがいい」
「そうかな」
タカシがそっぽを向いたので、表情が読めなかった。
俺のミスだ。
撮影を控えて、慎重になりすぎていたのだ。
あのガキはそのまま拉致して、どこか山のなかに二日ばかり縛って放りだしておいたほうが正解だった。
失敗の連続は人から正常な判断力を奪う。
俺ももう少し女たちを真面目に口説けばよかった。
アクセルのガキもいっしょだ。
チームリーダーはミチコをはめたジョーである。
ガッカリしたのは、アクセルもジョーも一日でタカシに一目おいていたことである。
アクセルはタカシにだけ「リバーさん」とさん付けで呼び、俺はただの「コリン」のままだった。
まあ、ツバメ返しの連絡先の数は、営業成績に組み込まれているから、それもしかたないのかもしれない。
要するにタカシはエステ詐欺のキャッチのゴールデンルーキーなのだ。
俺は最低の成績を収めるために、せっせと女たちに声をかけ、逃げられていた。
さすがに二日目になると声かけにもなれてしまい、うっかり女たちが連絡先を教えようとすることもあった。
そんなときには心を鬼にして、気のいい女たちを放流するのだった。
ハンドレッドビューティの被害者を、これ以上増やすわけにはいかないからな。
二日をなんとか終えて、俺はうちに帰った。
スーツを着たまま、ベッドに倒れ込む。
風呂にはいるまえに体重計にのったが、ちょうど三キロ減っていた。
こうなったら、キャッチダイエットの本でも書こうかな。
どんな本がうれるか、誰にも読めない時代だ。
もしかしたらミリオンセラーになるかもしれない。
それからの数日は問題もなくすぎた。
途中から曇りの日が続いて、暑さも一段落したのがなにより大きかった。
気温が五度もさがるだけで、屋外の仕事は格段に楽になる。
タカシはイチローの打率のようにざくざくと女たちの連絡先を集め、俺はしぶとくヒット数ゼロを死守した。
案外そいつも大変な仕事なんだが、誰も評価してくれなかった。
変わったことといえば、俺たちのあとに新入りがやって来た話し。
やつは俺の顔を見ると一瞬おかしな表情をしたが、高田馬場の駅前で張るチームといっしょにミーティングルームをでていってしまった。
タカシのほうには無反応だった。
こちらはルーサーとかいいうガキに面識はない。
タカシは目白駅に向かう途中で、渋い顔をしていた。
「ああいうのは妙に気になるものだな。あのルーサーとかいうやつにプレッシャーでもかけておくか」
俺もタカシも池袋のストリートの裏側では有名人である。
面が割れる可能性は否定できなかった。だが、俺はキングを制した。
「やめておけ。朝礼まであと二日だ。もう面倒は起こさないほうがいい」
「そうかな」
タカシがそっぽを向いたので、表情が読めなかった。
俺のミスだ。
撮影を控えて、慎重になりすぎていたのだ。
あのガキはそのまま拉致して、どこか山のなかに二日ばかり縛って放りだしておいたほうが正解だった。
失敗の連続は人から正常な判断力を奪う。
俺ももう少し女たちを真面目に口説けばよかった。