ー特別編ーストリートキャッチャー
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「イアン、ジェフ、アクセル、まえに」
アクセルと呼ばれたとき、あのガキが文字通り直立不動のまま、その場でちいさくジャンプした。
かすかに震えている。
つぎの三人がステージにあがると、ブラッド宮元はゆっくりと黒い革手袋を右手にはめた。
こぶしの部分にクッションのはいった総合格闘技用のグローブだった。
「お前たちの数字は、先週はゼロだ。情けない。わたしが気合いを注入してやる。いいか、殴る方も痛いんだぞ感謝しろ。」
最初がアクセルというガキだった。
ブラッド宮元はまず左手で軽く頬をたたいた。
注意をそらしておいて、がら空きになった反対側のわき腹に重い右のフックを突き刺す。
アクセルは膝をついたまましばらく起き上がれなかった。腹を押さえている。
ブラッドはうめいているガキの頭をやさしくなでた。
タカシが感心したように漏らした。
「あれはかなり人を殴り慣れてるな」
俺が黙ってうなずいている間に打撃音と抑えたうめき声が二度ずつ続いた。
男たちは腹に手をあてたまま、深々と頭をさげた。
「ありがとうございました、ボス」
なるほど、これでは歩合制とはいえ楽ではないはずだった。
そのとき、壇上のボスの視線が俺たちのほうにむいた。手招きされる。
まったく気はすすまなかったが、俺はしぶしぶ前方のステージにむかった。
タカシと俺は両手をうしろで重ねて、ブラッド宮元のまえに立った。
「おまえたちが新入りか」
まだ事務所にきて、誰ともきちんと話をしていなかった。
採用試験とか、身元の確認とかしないのだろうか。
わざわざ偽装の履歴書を用意したのに…。
ボスは俺とタカシを見比べ、全身をなめまわすように観察した。
俺はこのまえと同じネイビーのゼニア。
タカシはブルックスブラザーズの新ライン、ブラックフリースだ。
やつはタカシにいった。
「よし、お前は今日からリバーだ」
タカシはさすがに役者だった。敬礼していう。
「イエス、サー」
つぎに宮元は俺のほうを素っ気なくみた。
「お前は……そうだな、コリンでいいか」
ブラッド宮元がハリウッド映画好きなのがよくわかった。
だが、なぜタカシがリバー・フェニックスで俺がコリン・ファレルなのだろうか。
まったく納得がいかない。あのサル顔はどう考えても、一ノ瀬組の本部長代行の拳二のほうがお似合いだ。
俺はやけになって叫んだ。
「イエス、ブラッド!!」
二枚目半は声のでかさで負けていられないからな。
朝礼のあとで、俺たちは研修室に連れていかれた。
案内してくれたのはアクセルだった。
俺は廊下の先をいくガキに声をかけた。
アクセルと呼ばれたとき、あのガキが文字通り直立不動のまま、その場でちいさくジャンプした。
かすかに震えている。
つぎの三人がステージにあがると、ブラッド宮元はゆっくりと黒い革手袋を右手にはめた。
こぶしの部分にクッションのはいった総合格闘技用のグローブだった。
「お前たちの数字は、先週はゼロだ。情けない。わたしが気合いを注入してやる。いいか、殴る方も痛いんだぞ感謝しろ。」
最初がアクセルというガキだった。
ブラッド宮元はまず左手で軽く頬をたたいた。
注意をそらしておいて、がら空きになった反対側のわき腹に重い右のフックを突き刺す。
アクセルは膝をついたまましばらく起き上がれなかった。腹を押さえている。
ブラッドはうめいているガキの頭をやさしくなでた。
タカシが感心したように漏らした。
「あれはかなり人を殴り慣れてるな」
俺が黙ってうなずいている間に打撃音と抑えたうめき声が二度ずつ続いた。
男たちは腹に手をあてたまま、深々と頭をさげた。
「ありがとうございました、ボス」
なるほど、これでは歩合制とはいえ楽ではないはずだった。
そのとき、壇上のボスの視線が俺たちのほうにむいた。手招きされる。
まったく気はすすまなかったが、俺はしぶしぶ前方のステージにむかった。
タカシと俺は両手をうしろで重ねて、ブラッド宮元のまえに立った。
「おまえたちが新入りか」
まだ事務所にきて、誰ともきちんと話をしていなかった。
採用試験とか、身元の確認とかしないのだろうか。
わざわざ偽装の履歴書を用意したのに…。
ボスは俺とタカシを見比べ、全身をなめまわすように観察した。
俺はこのまえと同じネイビーのゼニア。
タカシはブルックスブラザーズの新ライン、ブラックフリースだ。
やつはタカシにいった。
「よし、お前は今日からリバーだ」
タカシはさすがに役者だった。敬礼していう。
「イエス、サー」
つぎに宮元は俺のほうを素っ気なくみた。
「お前は……そうだな、コリンでいいか」
ブラッド宮元がハリウッド映画好きなのがよくわかった。
だが、なぜタカシがリバー・フェニックスで俺がコリン・ファレルなのだろうか。
まったく納得がいかない。あのサル顔はどう考えても、一ノ瀬組の本部長代行の拳二のほうがお似合いだ。
俺はやけになって叫んだ。
「イエス、ブラッド!!」
二枚目半は声のでかさで負けていられないからな。
朝礼のあとで、俺たちは研修室に連れていかれた。
案内してくれたのはアクセルだった。
俺は廊下の先をいくガキに声をかけた。