ー特別編ーストリートキャッチャー
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「小鳥遊悠です。初めまして、話しはタカシからきいてます。」
三人ならんだ女の真ん中が口を開いた。
アンティーク風の花柄のサマードレス。
顔はやや長めだけど、三人の中では一番の美人だ。
「どうぞ、おかけください。お食事はコースで頼んでありますから」
俺がソファの端に腰をおろすと、女がいった。
「わたしは、谷原奈々枝。小鳥遊さんは、お食事まえはなんにしますか」
女たちのまえには背の高いカクテルグラスがみっつならんでいる。
なかには薄紫の酒。
どうやら俺の事を高校生とは思って無いみたいだ。
遠慮なくいった。
「じゃあ、俺も同じのを」
被害者の会代表は片手を軽くあげると、ウエイターにキールロワイヤルを頼んだ。
届いたカクテルで乾杯して、話が始まった。
なんだか、いつもとは違って高級感に溢れているので調子が狂ってしまう。
ナナエが右隣に座る女を紹介してくれた。
五年前なら、さぞ美人だったのだろうという盛りをすぎた民放の女子アナみたいなタイプ。
女って肌質によってしわのできやすい人がいるよな。彼女は目じりにも、鼻のわきにもたくさんのこじわが寄っていた。
名前は西尾美智子。
最後の一人は恐ろしく目立たない女の名前は、紹介されたのだが忘れてしまった。
「ミチコさんのケースが一番典型的だから、小鳥遊さんに話してあげて」
はあっとため息をついて、暗い顔の女がテーブルのしたから、なにかとりだした。
曇りガラスのボトルがいくつか。背の高いのも、低いのもある。
ミチコはおずおずといった。
「このハンドレッドビューティの化粧水が一本七万円。それで、こちらのアンチエイジングクリームがひとつ十二万五千円です」
びっくりした。
ふたつでほぼ二十万。
「なんで、そんなに高いんだ」
横からナナエが口をはさんだ。
「人の胎盤やへその緒から抽出したエキスがはいってるそうなの。ほら、赤ちゃんの肌ってすべすべでシワひとつなくて、弾力性に富んでいるでしょう」
そういわれてみたらそんな気もするが、きれいになるためなら胎盤もへその緒もつかうというのが、なんだか恐ろしい気がした。
中世東欧のどこかの女王のように、いつかほんものの妊婦や赤ん坊を美の資源として利用するようにならないだろうか。
妊婦の腹を裂いてな。
「こんな化粧品をたくさん買わされたのか」
ナナエが唇の片方をつりあげた。
「最後のほうはね。ほら、ミチコさん、もうはずかしがなくてもいいわ。話してしまいましょう。ここにいる三人は、みんな同じようにだまされたんだから」
ミチコがうなずくと、首のしたに、幾重にもかけたネックレスのように円いしわが寄った。
三人ならんだ女の真ん中が口を開いた。
アンティーク風の花柄のサマードレス。
顔はやや長めだけど、三人の中では一番の美人だ。
「どうぞ、おかけください。お食事はコースで頼んでありますから」
俺がソファの端に腰をおろすと、女がいった。
「わたしは、谷原奈々枝。小鳥遊さんは、お食事まえはなんにしますか」
女たちのまえには背の高いカクテルグラスがみっつならんでいる。
なかには薄紫の酒。
どうやら俺の事を高校生とは思って無いみたいだ。
遠慮なくいった。
「じゃあ、俺も同じのを」
被害者の会代表は片手を軽くあげると、ウエイターにキールロワイヤルを頼んだ。
届いたカクテルで乾杯して、話が始まった。
なんだか、いつもとは違って高級感に溢れているので調子が狂ってしまう。
ナナエが右隣に座る女を紹介してくれた。
五年前なら、さぞ美人だったのだろうという盛りをすぎた民放の女子アナみたいなタイプ。
女って肌質によってしわのできやすい人がいるよな。彼女は目じりにも、鼻のわきにもたくさんのこじわが寄っていた。
名前は西尾美智子。
最後の一人は恐ろしく目立たない女の名前は、紹介されたのだが忘れてしまった。
「ミチコさんのケースが一番典型的だから、小鳥遊さんに話してあげて」
はあっとため息をついて、暗い顔の女がテーブルのしたから、なにかとりだした。
曇りガラスのボトルがいくつか。背の高いのも、低いのもある。
ミチコはおずおずといった。
「このハンドレッドビューティの化粧水が一本七万円。それで、こちらのアンチエイジングクリームがひとつ十二万五千円です」
びっくりした。
ふたつでほぼ二十万。
「なんで、そんなに高いんだ」
横からナナエが口をはさんだ。
「人の胎盤やへその緒から抽出したエキスがはいってるそうなの。ほら、赤ちゃんの肌ってすべすべでシワひとつなくて、弾力性に富んでいるでしょう」
そういわれてみたらそんな気もするが、きれいになるためなら胎盤もへその緒もつかうというのが、なんだか恐ろしい気がした。
中世東欧のどこかの女王のように、いつかほんものの妊婦や赤ん坊を美の資源として利用するようにならないだろうか。
妊婦の腹を裂いてな。
「こんな化粧品をたくさん買わされたのか」
ナナエが唇の片方をつりあげた。
「最後のほうはね。ほら、ミチコさん、もうはずかしがなくてもいいわ。話してしまいましょう。ここにいる三人は、みんな同じようにだまされたんだから」
ミチコがうなずくと、首のしたに、幾重にもかけたネックレスのように円いしわが寄った。