ー特別編ーストリートキャッチャー
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両手で自分の頬を軽く押さえて、円を描くようにマッサージする。
カウンターテナーのようなかん高い声でいった。
「BMマッサージで、あなたも満点のハンドレッドビューティになりましょう」
夕食の直後でなくてよかった。
もしそうだったら、俺は冷やし中華を橋のしたの明治通りにぶちまけていたところだろう。
ナルトにチャーシュー、胡瓜の千切りに金糸卵。
環境汚染だ。
「名前は知らないけど、そいつならテレビや雑誌で見たことがある。お姉キャラのエステシャンかなんかだよな。」
タカシは元のキングにもどって、涼しい顔をした。
「そうだ。クライアントは、やつが主催するハンドレッドビューティの被害者の会」
「でも、あんなにメディアにでまくってるんだから、そんなにヤバイ商売はしないだろ。すぐに手が後ろにまわる」
鼻で笑ってタカシはいった。
「エステ業界はグレイゾーンだそうだ。今のところブラッド宮本の被害者の会はメンバーが十七人。被害総額は……」
タカシはもったいぶるのが得意である。
欄干を蹴って俺がいった。
「いいから、早くしてくれ」
にこりと笑って、キングがとっておきの数字をいった。
「六千万」
開いた口がふさがらない。学生の俺には、天文学な数字。
タカシはジャケットのうちポケットから携帯電話を抜いた。
プラダの高級品。
「どうする?話だけでもきいてみないか。やつらのやり口はなかなか傑作だ。お前の暇潰しのネタにはなるだろう」
俺は頭のなかで計算していた。
一人頭、三百五十万もどうやって金を使わせるんだろう。
魔法みたいな話術やセールステクニックでもあるのか。
「わーった。話だけでもきいてみる。」
キングはニヤリと笑った。
「そうこなくちゃな。悠、お前には致命的な弱点がある。なんだか、わかるか」
金がないこと、女にやさしすぎること、子供があいてだとむきになること、頭がシャープすぎること、音楽の趣味がよすぎること、スイートな笑顔に猫八重歯。
俺の弱点は片手じゃ足りない。
キングは千登代橋を歩き去り、背中越しにいった。
「お前は好奇心が強すぎる。どんなにやばくても、おもしろい話しは聞かずにはいられないだろ。そいつはお前が思ってるより、ずっと危険なことなんだ」
自分からネタを振っておいて、勝手な王様。
やつは黒い携帯にむかって、二言三言話をした。
戻ってくると、俺にいう。
「明日の正午、フォーシーズンズにあるイタリアンにいけ」
タカシは俺の頭からつま先まで視線を走らせた。
ぼろぼろの天然ダメージ軍パンに、数年は着てるラップのように薄いTシャツ。
その下には健康的な日本男子の肉体がある。
「一流のホテルにいくんだ。ジャケットくらいは着ていけ。なかったら、俺のディオールの新作を貸してやる。」
いいといった。
上着くらい俺だってもっている。
千登代橋のうえで、タカシとは別れた。
やつはメルセデスで六本木にいき、俺は明治通りを歩いて池袋に帰った。
いっとくが、俺はヒルズとかミッドタウンとか、ぜんぜん羨ましくなんかないんだからね!
カウンターテナーのようなかん高い声でいった。
「BMマッサージで、あなたも満点のハンドレッドビューティになりましょう」
夕食の直後でなくてよかった。
もしそうだったら、俺は冷やし中華を橋のしたの明治通りにぶちまけていたところだろう。
ナルトにチャーシュー、胡瓜の千切りに金糸卵。
環境汚染だ。
「名前は知らないけど、そいつならテレビや雑誌で見たことがある。お姉キャラのエステシャンかなんかだよな。」
タカシは元のキングにもどって、涼しい顔をした。
「そうだ。クライアントは、やつが主催するハンドレッドビューティの被害者の会」
「でも、あんなにメディアにでまくってるんだから、そんなにヤバイ商売はしないだろ。すぐに手が後ろにまわる」
鼻で笑ってタカシはいった。
「エステ業界はグレイゾーンだそうだ。今のところブラッド宮本の被害者の会はメンバーが十七人。被害総額は……」
タカシはもったいぶるのが得意である。
欄干を蹴って俺がいった。
「いいから、早くしてくれ」
にこりと笑って、キングがとっておきの数字をいった。
「六千万」
開いた口がふさがらない。学生の俺には、天文学な数字。
タカシはジャケットのうちポケットから携帯電話を抜いた。
プラダの高級品。
「どうする?話だけでもきいてみないか。やつらのやり口はなかなか傑作だ。お前の暇潰しのネタにはなるだろう」
俺は頭のなかで計算していた。
一人頭、三百五十万もどうやって金を使わせるんだろう。
魔法みたいな話術やセールステクニックでもあるのか。
「わーった。話だけでもきいてみる。」
キングはニヤリと笑った。
「そうこなくちゃな。悠、お前には致命的な弱点がある。なんだか、わかるか」
金がないこと、女にやさしすぎること、子供があいてだとむきになること、頭がシャープすぎること、音楽の趣味がよすぎること、スイートな笑顔に猫八重歯。
俺の弱点は片手じゃ足りない。
キングは千登代橋を歩き去り、背中越しにいった。
「お前は好奇心が強すぎる。どんなにやばくても、おもしろい話しは聞かずにはいられないだろ。そいつはお前が思ってるより、ずっと危険なことなんだ」
自分からネタを振っておいて、勝手な王様。
やつは黒い携帯にむかって、二言三言話をした。
戻ってくると、俺にいう。
「明日の正午、フォーシーズンズにあるイタリアンにいけ」
タカシは俺の頭からつま先まで視線を走らせた。
ぼろぼろの天然ダメージ軍パンに、数年は着てるラップのように薄いTシャツ。
その下には健康的な日本男子の肉体がある。
「一流のホテルにいくんだ。ジャケットくらいは着ていけ。なかったら、俺のディオールの新作を貸してやる。」
いいといった。
上着くらい俺だってもっている。
千登代橋のうえで、タカシとは別れた。
やつはメルセデスで六本木にいき、俺は明治通りを歩いて池袋に帰った。
いっとくが、俺はヒルズとかミッドタウンとか、ぜんぜん羨ましくなんかないんだからね!