ー特別編ーストリートキャッチャー
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あんたは女ひとりで、仕事をもち、懸命にいきている。
シーズン遅れの服は着ないし、靴も上等なものをそろえている。
クローゼットの中には月給の半分をはたいた高級ブランドのバッグがいくつか、ほこりひとつてけずピカピカにしてる。
預金通帳には平均的なOLの預金額が、きちんと記帳されてるだろう。
なに不自由ないし、取り立てて悪くないファッショナブルな暮らしだが、同時にそいつはぱっとしない淋しくも平凡な日々。
ルックスだってそこそこいけてるし、二十代の終わりを迎えてもほぼ八割くらいは、全盛期のスタイルを維持している。
まあ、バストトップは二センチばかりさがったけれど、そんなことを誰が気にするだろうか。
男たちに見せる機会などないのだから。
そうなのだ、問題は男たちにある。
なぜ、仕事や趣味にいそがしげな男たちは、大人の女性、とくにこの「わたし」を無視するのだろうか。
ただ二十代前半というだけで、あれほど若い女たちをちやほやするくせに。
あんたはそうして、ひとりの寂しさに耐え
仕事先の人間関係の理不尽に耐え
じりじりと若さが削られる日々に耐え
立派におしゃれな都市生活者を演じていく。
だが、そんなとき、あんたの前に素敵な王子があらわれる。
通りでいきなり声をかけられたり、友人から紹介されたりする白馬の王子。
人間の男の形をした請求書作成マシーンだ。
やつはきちんとスーツを着こみ、とても紳士的だろう。
あんたは会ったとたんにわかるんだ。この人こそ待ち望んでいた発見者だ。
あんたという誰も価値の知らないダイヤモンドの原石のな。
やつは心の鎧を鎧を脱がすような笑顔でいうだろう。
なぜ、みんな、あなたの魅力に気づかないのだろう。男たちの目はみんな節穴だ。あなたの眩しさがわからないなんて。
あんたは有頂天になる。いつも乱用していたNOという言葉が、正常な判断力と共に消えていく。
王子の台詞の最後は、こんな調子。
でも、すこしだけチークがくすみ加減かな、あなたならもっと完璧になれるはずです。
そのままではもったいない、うちで百点満点のビューティーを目指しましょう。
あんたはふわふわと夢心地で、契約書にサインと捺印をすませるだろう。
つぎにピラニアのように押し寄せてくるのは、美しさを売る商売人たち。
けれど、あんたはもう逆らうことができない。
なにせ、この広い世界であんたの本当の価値を見つけてくれたのは、あのお姉言葉の王子だけなんだ。
どうにも、救われない話し。
なあ、俺は思うんだけど、自分の値打ちを決めるのは、結局自分だよな。
人に発見されるのをぼんやり待つ人間は、最後には誰かさんのいいカモになる。
それがジャングルみたいになった二十一世紀の高度消費社会のニッポンだ。
自分の値札くらい自由につければいい。
売れるか売れないかの問題じゃない。
あんたも女なら、ガッツのない男たちにそのくらいの度胸をみせてくれ。
ーストリートキャッチャーー
シーズン遅れの服は着ないし、靴も上等なものをそろえている。
クローゼットの中には月給の半分をはたいた高級ブランドのバッグがいくつか、ほこりひとつてけずピカピカにしてる。
預金通帳には平均的なOLの預金額が、きちんと記帳されてるだろう。
なに不自由ないし、取り立てて悪くないファッショナブルな暮らしだが、同時にそいつはぱっとしない淋しくも平凡な日々。
ルックスだってそこそこいけてるし、二十代の終わりを迎えてもほぼ八割くらいは、全盛期のスタイルを維持している。
まあ、バストトップは二センチばかりさがったけれど、そんなことを誰が気にするだろうか。
男たちに見せる機会などないのだから。
そうなのだ、問題は男たちにある。
なぜ、仕事や趣味にいそがしげな男たちは、大人の女性、とくにこの「わたし」を無視するのだろうか。
ただ二十代前半というだけで、あれほど若い女たちをちやほやするくせに。
あんたはそうして、ひとりの寂しさに耐え
仕事先の人間関係の理不尽に耐え
じりじりと若さが削られる日々に耐え
立派におしゃれな都市生活者を演じていく。
だが、そんなとき、あんたの前に素敵な王子があらわれる。
通りでいきなり声をかけられたり、友人から紹介されたりする白馬の王子。
人間の男の形をした請求書作成マシーンだ。
やつはきちんとスーツを着こみ、とても紳士的だろう。
あんたは会ったとたんにわかるんだ。この人こそ待ち望んでいた発見者だ。
あんたという誰も価値の知らないダイヤモンドの原石のな。
やつは心の鎧を鎧を脱がすような笑顔でいうだろう。
なぜ、みんな、あなたの魅力に気づかないのだろう。男たちの目はみんな節穴だ。あなたの眩しさがわからないなんて。
あんたは有頂天になる。いつも乱用していたNOという言葉が、正常な判断力と共に消えていく。
王子の台詞の最後は、こんな調子。
でも、すこしだけチークがくすみ加減かな、あなたならもっと完璧になれるはずです。
そのままではもったいない、うちで百点満点のビューティーを目指しましょう。
あんたはふわふわと夢心地で、契約書にサインと捺印をすませるだろう。
つぎにピラニアのように押し寄せてくるのは、美しさを売る商売人たち。
けれど、あんたはもう逆らうことができない。
なにせ、この広い世界であんたの本当の価値を見つけてくれたのは、あのお姉言葉の王子だけなんだ。
どうにも、救われない話し。
なあ、俺は思うんだけど、自分の値打ちを決めるのは、結局自分だよな。
人に発見されるのをぼんやり待つ人間は、最後には誰かさんのいいカモになる。
それがジャングルみたいになった二十一世紀の高度消費社会のニッポンだ。
自分の値札くらい自由につければいい。
売れるか売れないかの問題じゃない。
あんたも女なら、ガッツのない男たちにそのくらいの度胸をみせてくれ。
ーストリートキャッチャーー