ー特別編ーブラフ・テレフォン
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俺は音のしないように鍵をそっと開けた。
今回の問題点は、ここでドアチェーンがかかっているか、どうかだった。
そのために紅は子どもの腕の長さほどあるボルトカッターを持ってきている。
俺はゆっくりとスチールの扉を引いた。
チェーンはかかっていなかった。
狭い玄関にばらばらに腐ったスニーカーと黒い革靴が脱ぎ散らしてある。
タカシが氷の声でささやいた。
「GO」
Sウルフが暗くまっすぐな廊下を抜けて、奥のリビングになだれ込む。
俺がそこに到着するころには、ほとんど会社の制圧は終わっていた。
床に転がるのは、日焼けしたホスト顔の浅川だった。
専務のヴィジュアル系、古田と泣き屋の岸武彦、被害者役の山西澄夫の三人は部屋の隅に追い立てられて、正座していた。
浅川はさすがに社長で、うしろ手に縛られ、ぶるぶると震えながらも虚勢を張った。
「おれにこんなことをして、ただですむと思ってるのか!」
タカシがにこりと笑って、おれに視線できいてきた。うなずいてやる。
なんの予備動作もなく、白いエンジニアブーツのつま先を、浅川のわき腹に埋めた。
振り込め詐欺の社長は、最初はエビのように身体をそらし、つぎは巻貝のように丸くなった。
「黙っていろ、浅川。」
タカシの声で春先の部屋の温度が、十度も低くなる。だが、浅川は往生際がわるかった。
息を荒くしていう。
「うちの、会社のケツモチ、知ってるか。お前ら、池袋の街を、歩けなくして、やるぞ」
タカシがもう一度いいかという顔をしたので、俺はあわててとめた。
放っておけば、浅川のアバラが全部いってしまうだろう。
俺は携帯を抜いて、高くかかげて見せてやった。
「わかってる。関東賛和会一ノ瀬組系飛騨組本部長の岩瀬さんだというだろ。ちょっと、待ってろ」
俺は携帯でケンジを呼び出した。
ハンズフリーのスピーカーフォンの設定にしていった。
「俺のダチで、一ノ瀬組の本部長代理をしている瓦屋拳二だ。ケンジ、いいぞ、話してくれ」
野太いのケンジの声が携帯をとおして室内に流れた。
『うちの本部長に、毎月上納金を三百万も納めてるのは、どこのガキだ。おまえら、本職をなめるなよ。金ももらわずに、誰がケツモチをやるんだよ。ここに叔父貴の岩瀬さんがいらっしゃるから、浅川とかいうガキは話してみろ。』
床のうえで縛られた浅川の顔色が面白いようにかわった。
タカシに負けない冷たい声が、携帯からあふれた。
『本部長の岩瀬だ。浅川、おまえ、この不始末どう片をつけるつもりだ。わたしの名前を勝手につかって、商売をする。それが、どういうことかわかってるのか。おい』
浅川は震えあがった。
今回の問題点は、ここでドアチェーンがかかっているか、どうかだった。
そのために紅は子どもの腕の長さほどあるボルトカッターを持ってきている。
俺はゆっくりとスチールの扉を引いた。
チェーンはかかっていなかった。
狭い玄関にばらばらに腐ったスニーカーと黒い革靴が脱ぎ散らしてある。
タカシが氷の声でささやいた。
「GO」
Sウルフが暗くまっすぐな廊下を抜けて、奥のリビングになだれ込む。
俺がそこに到着するころには、ほとんど会社の制圧は終わっていた。
床に転がるのは、日焼けしたホスト顔の浅川だった。
専務のヴィジュアル系、古田と泣き屋の岸武彦、被害者役の山西澄夫の三人は部屋の隅に追い立てられて、正座していた。
浅川はさすがに社長で、うしろ手に縛られ、ぶるぶると震えながらも虚勢を張った。
「おれにこんなことをして、ただですむと思ってるのか!」
タカシがにこりと笑って、おれに視線できいてきた。うなずいてやる。
なんの予備動作もなく、白いエンジニアブーツのつま先を、浅川のわき腹に埋めた。
振り込め詐欺の社長は、最初はエビのように身体をそらし、つぎは巻貝のように丸くなった。
「黙っていろ、浅川。」
タカシの声で春先の部屋の温度が、十度も低くなる。だが、浅川は往生際がわるかった。
息を荒くしていう。
「うちの、会社のケツモチ、知ってるか。お前ら、池袋の街を、歩けなくして、やるぞ」
タカシがもう一度いいかという顔をしたので、俺はあわててとめた。
放っておけば、浅川のアバラが全部いってしまうだろう。
俺は携帯を抜いて、高くかかげて見せてやった。
「わかってる。関東賛和会一ノ瀬組系飛騨組本部長の岩瀬さんだというだろ。ちょっと、待ってろ」
俺は携帯でケンジを呼び出した。
ハンズフリーのスピーカーフォンの設定にしていった。
「俺のダチで、一ノ瀬組の本部長代理をしている瓦屋拳二だ。ケンジ、いいぞ、話してくれ」
野太いのケンジの声が携帯をとおして室内に流れた。
『うちの本部長に、毎月上納金を三百万も納めてるのは、どこのガキだ。おまえら、本職をなめるなよ。金ももらわずに、誰がケツモチをやるんだよ。ここに叔父貴の岩瀬さんがいらっしゃるから、浅川とかいうガキは話してみろ。』
床のうえで縛られた浅川の顔色が面白いようにかわった。
タカシに負けない冷たい声が、携帯からあふれた。
『本部長の岩瀬だ。浅川、おまえ、この不始末どう片をつけるつもりだ。わたしの名前を勝手につかって、商売をする。それが、どういうことかわかってるのか。おい』
浅川は震えあがった。