ー特別編ーブラフ・テレフォン
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「だから、あんたら誰なんだ。」
タカシはすねたようにいう。
「俺のプライドはいたく傷ついた。池袋にいるガキでSウルフを知らなかったのは、おまえたちが初めてだ」
たが、タカシの予想に反して、Sウルフの名前は電撃のような効果をもたらした。
社長と専務が青くなったのだ。今にも逃げ出しそうに、つま先の方向が変わった。
「なにかの間違いじゃないですか。おれたちは振り込め詐欺なんてやってないし、ただの会社員ですよ」
社長のいきなりの低姿勢だった。
タカシは氷の刃を研いだままいう。
「ネタはすべてあがってる。社長の浅川と専務の古田だったな。お前たちは誰の許可を得て、池袋でしのいでいるんだ。おれたちには挨拶は無しか。なんなら、Sウルフとこれからドライブにいかないか」
ジッとタカシが浅川の顔を見つめていた。
タカシの目はまったく感情を読ませない眼だ。
おれでさえ、ときどき冗談なのか本気なのかわからないことがある。
浅川は覚悟を決めたようだった。
「こっちにもケツモチがついてる。Sウルフにだって、負けない組織がな。」
「どこだ、謳(うた)ってみろ」
さすがにタカシは役者が一枚上手だった。
おれが話しかけても、こうスムーズにはいかないだろう。
「一ノ瀬組系飛騨(ひだ)組だ。」
意外な展開だった。
拳二が部長をつとめる池袋の裏世界のトップスリーのひとつである。
タカシも驚いたようだった。反応がいつもより半拍遅くなる。
「そうか、飛騨組か。で、お前らのケツモチの名は」
「本部長の岩瀬さんだよ。おまえら、おれたちにこんなアヤつけて、無事ですむと思ってんのか。」
社長は急に元気を取り戻したようだった。
Sウルフのひとりがいった。
「キング、ここで締めちゃいましょうか」
専務のほうがヴィジュアル系の顔をひきつらせた。
社長の袖を引いていう。
「浅川さん、やめておいたほうがいい。Sウルフのみなさんには、飛騨組さんのほうから筋をとおしてもらいましょう。すみません、今日のところはこれで勘弁してください。」
専務は実務処理の能力があるようだった。
頭をさげるときた道を足早にもどっていく。
通りすがりのタクシーに右手をあげて、社長を押し込んだ。
専務は最後にタカシのほうに頭をさげて、自分も黄色い車のなかに消えた。
メルセデスの帰り道、俺はすぐ拳二に電話をいれた。
本部長代理は、今日も威勢がいい
『なんだよ、悠。のみの誘いか。』
俺を高級クラブに連れていってくれるのは、拳二だけだった。
座るだけで五万円なんて店はひとりじゃ絶対にいけないからな。
「いんや、今回は仕事がらみの話なんだ。本部長の岩瀬さんているよな。」
『ああ、岩瀬の叔父貴なら、かわいがってもらってる。それがどしたよ?』
俺は池袋の振り込め詐欺サークルと上納金の話をした。
拳二は黙ってきいて、最後にいった。
タカシはすねたようにいう。
「俺のプライドはいたく傷ついた。池袋にいるガキでSウルフを知らなかったのは、おまえたちが初めてだ」
たが、タカシの予想に反して、Sウルフの名前は電撃のような効果をもたらした。
社長と専務が青くなったのだ。今にも逃げ出しそうに、つま先の方向が変わった。
「なにかの間違いじゃないですか。おれたちは振り込め詐欺なんてやってないし、ただの会社員ですよ」
社長のいきなりの低姿勢だった。
タカシは氷の刃を研いだままいう。
「ネタはすべてあがってる。社長の浅川と専務の古田だったな。お前たちは誰の許可を得て、池袋でしのいでいるんだ。おれたちには挨拶は無しか。なんなら、Sウルフとこれからドライブにいかないか」
ジッとタカシが浅川の顔を見つめていた。
タカシの目はまったく感情を読ませない眼だ。
おれでさえ、ときどき冗談なのか本気なのかわからないことがある。
浅川は覚悟を決めたようだった。
「こっちにもケツモチがついてる。Sウルフにだって、負けない組織がな。」
「どこだ、謳(うた)ってみろ」
さすがにタカシは役者が一枚上手だった。
おれが話しかけても、こうスムーズにはいかないだろう。
「一ノ瀬組系飛騨(ひだ)組だ。」
意外な展開だった。
拳二が部長をつとめる池袋の裏世界のトップスリーのひとつである。
タカシも驚いたようだった。反応がいつもより半拍遅くなる。
「そうか、飛騨組か。で、お前らのケツモチの名は」
「本部長の岩瀬さんだよ。おまえら、おれたちにこんなアヤつけて、無事ですむと思ってんのか。」
社長は急に元気を取り戻したようだった。
Sウルフのひとりがいった。
「キング、ここで締めちゃいましょうか」
専務のほうがヴィジュアル系の顔をひきつらせた。
社長の袖を引いていう。
「浅川さん、やめておいたほうがいい。Sウルフのみなさんには、飛騨組さんのほうから筋をとおしてもらいましょう。すみません、今日のところはこれで勘弁してください。」
専務は実務処理の能力があるようだった。
頭をさげるときた道を足早にもどっていく。
通りすがりのタクシーに右手をあげて、社長を押し込んだ。
専務は最後にタカシのほうに頭をさげて、自分も黄色い車のなかに消えた。
メルセデスの帰り道、俺はすぐ拳二に電話をいれた。
本部長代理は、今日も威勢がいい
『なんだよ、悠。のみの誘いか。』
俺を高級クラブに連れていってくれるのは、拳二だけだった。
座るだけで五万円なんて店はひとりじゃ絶対にいけないからな。
「いんや、今回は仕事がらみの話なんだ。本部長の岩瀬さんているよな。」
『ああ、岩瀬の叔父貴なら、かわいがってもらってる。それがどしたよ?』
俺は池袋の振り込め詐欺サークルと上納金の話をした。
拳二は黙ってきいて、最後にいった。