ー特別編ーブラフ・テレフォン
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
俺たちの世界はいつ二つに分かれてしまったのしまったのだろう?
日の当たる場所と決してあたらない場所。
南国の楽園の一歩となりには、極寒の冷凍地獄。
そこに住むのは、恵まれたごく少数と大多数の運の悪いやつらだ。
それでも額に汗して働くことは尊いと、どこかの大企業の社長たちがテレビの記者会見でいう。
だが、やつらの会社が乾いたタオルさえ絞り抜くリストラで業績を回復させたことは、バカ学生の俺にだってわかっている。
使い捨てにされるフリーターや契約社員たち。
やつらは額に汗して働いても、将来の保証もないし、まともな年金にも加入できない。
汗にまみれで単純労働に従事して、年収二百万の無情の世界を生きるのだ。
やつらは誰にも文句をいわず、さんざん世の中のあちこちで蹴り飛ばされる。
しまいにはどこかの大学教授から、「下流」の人間には、働く意欲も、向上心も、生きる希望もないとシールを貼られる。
おれたちはこれ以上はないほど簡単に人を区分けして、あっさり切り捨てることになる。
ラベルさえちゃんと貼っておけば安心だ。
きちんと整理分類して、倉庫にでも突っ込んでおけるからな。
NEET、フリーター、引きこもり、オタク。
俺たちの社会は若いやつらを百万人単位で見捨てていくのである。
いっとくけど、俺は社会改良家でもチェ・ゲバラみたいなコミュニストでもないからな。
ただ目の前にある池袋の街がどんどんくすんで、暗くなっていくのが見ていられないだけ。
若いやつらの目から光が消えて、街に空いた無数の穴になる。
俺は街をぶらつきながら、そいつをずっと見ていなければならないのだ。
この街以外に、俺のいくところなんてないのだから。
だが、みんな忘れていることが、ひとつある。
そいつは、誰だって鞭打たれたままではいないってこと。
使い捨てにされる多数派から、力をあわせて反撃に出るやつらがきっと現れることだろう。
それもとんでもなくレベルの低い方法で。
なぜなら、誰だって自分に加えられた罰を人にも同じように加えてやろうと望むからだ。
いつだって、復讐は甘い。
やつらは足りない頭で考える。あちこちで蹴り飛ばされたのは、ただ自分が弱かったからだ。
ならば、今度は自分達よりもっと弱いやつを探そう。
そうさて、そいつらの腹を思い切り蹴ってやればいい。
弱いやつが、さらに弱い奴から奪う。
それこそ社長たちには見えない世界の下半身で起きていることなのだ。
ーブラフ・テレフォンー
日の当たる場所と決してあたらない場所。
南国の楽園の一歩となりには、極寒の冷凍地獄。
そこに住むのは、恵まれたごく少数と大多数の運の悪いやつらだ。
それでも額に汗して働くことは尊いと、どこかの大企業の社長たちがテレビの記者会見でいう。
だが、やつらの会社が乾いたタオルさえ絞り抜くリストラで業績を回復させたことは、バカ学生の俺にだってわかっている。
使い捨てにされるフリーターや契約社員たち。
やつらは額に汗して働いても、将来の保証もないし、まともな年金にも加入できない。
汗にまみれで単純労働に従事して、年収二百万の無情の世界を生きるのだ。
やつらは誰にも文句をいわず、さんざん世の中のあちこちで蹴り飛ばされる。
しまいにはどこかの大学教授から、「下流」の人間には、働く意欲も、向上心も、生きる希望もないとシールを貼られる。
おれたちはこれ以上はないほど簡単に人を区分けして、あっさり切り捨てることになる。
ラベルさえちゃんと貼っておけば安心だ。
きちんと整理分類して、倉庫にでも突っ込んでおけるからな。
NEET、フリーター、引きこもり、オタク。
俺たちの社会は若いやつらを百万人単位で見捨てていくのである。
いっとくけど、俺は社会改良家でもチェ・ゲバラみたいなコミュニストでもないからな。
ただ目の前にある池袋の街がどんどんくすんで、暗くなっていくのが見ていられないだけ。
若いやつらの目から光が消えて、街に空いた無数の穴になる。
俺は街をぶらつきながら、そいつをずっと見ていなければならないのだ。
この街以外に、俺のいくところなんてないのだから。
だが、みんな忘れていることが、ひとつある。
そいつは、誰だって鞭打たれたままではいないってこと。
使い捨てにされる多数派から、力をあわせて反撃に出るやつらがきっと現れることだろう。
それもとんでもなくレベルの低い方法で。
なぜなら、誰だって自分に加えられた罰を人にも同じように加えてやろうと望むからだ。
いつだって、復讐は甘い。
やつらは足りない頭で考える。あちこちで蹴り飛ばされたのは、ただ自分が弱かったからだ。
ならば、今度は自分達よりもっと弱いやつを探そう。
そうさて、そいつらの腹を思い切り蹴ってやればいい。
弱いやつが、さらに弱い奴から奪う。
それこそ社長たちには見えない世界の下半身で起きていることなのだ。
ーブラフ・テレフォンー