ー特別編ークリーンタウン
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この夏、池袋最大の話題といえば、サンシャイン60のすぐとなりにできた池袋ミッドシティにトドメをさすだろう。
アンタもテレビのワイドショーなんかで、見たことあるだろ。
ほら、女子大生のレポーターがわざとらしく歓声をあげて紹介していたやつ。
おっしゃれーとか、かわいーとか。
普段はきもい、うざいしか口にしないくせに。
広大な公開緑地のなかに建つのは、サンシャインよりほんの五階ばかり低い五十五階建ての双子ビルだ。
片方がビジネス棟で、もう片方がレジデンス棟。
池袋は都心だが、そんなに高級住宅地じゃない。
俺は二億円以上もするマンションが、この街にできるなんて想像もしていなかった。
ビジネス棟の下部の七階分は、レストランやブティックが余裕をもってデザインされた商業スペースだ。
……実は、俺も一度いってみたのだが、完全にお手上げだった。
だってさ、通りを一本わたれば三百八十円の和龍軒のラーメンが食えるのに、ランチメニューが二千円もするのだ。
海外ブランドのシャツは二万円、ジーンズだって一本三万はする。
どうやら格差社会のした半分は相手にしないというのがコンセプトみたいだった。
俺はおのぼりさんになってミッドシティをうろうろして、なにも飲み食いせず、ショッピングもせずに帰ってきた。
自分の街なのに、まるでよそ者あつかいされたきがする。
俺たちの時代は、同じ街のなかに発展階段の異なる別な国がある。
そういう時代なんだ。
その夜はやけに暑苦しい月曜日だった。
なんとなく、家に帰る気がなかった俺は真夜中近くになっても、ぶらりと散歩をしていた。
黒のズボンに迷彩柄のタンクトップ。
ほんとうは短パンをはきたいところだが、男のすねって醜いからな。
いくら蒸し暑い夜でも、外に出れば風の少しくらいは吹いている。
俺はぐるりと遠回りして、西口公園にむかった。
ロマンス通りからトキワ通りを左折。
あとは劇場通りをのーんびりと流していけば、俺の庭に到着ってな。
夏の夜だから、呼び込みはあい変わらずだった。
今年はマイクロミニよりヴェリーショートの短パンが多かったが、アジア各国の美女軍団がビラ撒きをしている。
もっともまるで金に縁の無さそうな俺には店のビラさえくれないけど。
短い散歩のあいだにひとつ気づいたことがあった。
そいつは…街が前よりもずっときれいになってることだった。
どこを見ても、目につくような場所にはゴミが落ちていないのだ。
これもクリーン運動のお陰かもしれない。
なにせ、やつらは街のベースにたまった走者を毎週月曜ごとに綺麗に掃除していってくれるのだ。
俺はいい気分で、鼻歌をうたいながら円形広場に入った。
アンタもテレビのワイドショーなんかで、見たことあるだろ。
ほら、女子大生のレポーターがわざとらしく歓声をあげて紹介していたやつ。
おっしゃれーとか、かわいーとか。
普段はきもい、うざいしか口にしないくせに。
広大な公開緑地のなかに建つのは、サンシャインよりほんの五階ばかり低い五十五階建ての双子ビルだ。
片方がビジネス棟で、もう片方がレジデンス棟。
池袋は都心だが、そんなに高級住宅地じゃない。
俺は二億円以上もするマンションが、この街にできるなんて想像もしていなかった。
ビジネス棟の下部の七階分は、レストランやブティックが余裕をもってデザインされた商業スペースだ。
……実は、俺も一度いってみたのだが、完全にお手上げだった。
だってさ、通りを一本わたれば三百八十円の和龍軒のラーメンが食えるのに、ランチメニューが二千円もするのだ。
海外ブランドのシャツは二万円、ジーンズだって一本三万はする。
どうやら格差社会のした半分は相手にしないというのがコンセプトみたいだった。
俺はおのぼりさんになってミッドシティをうろうろして、なにも飲み食いせず、ショッピングもせずに帰ってきた。
自分の街なのに、まるでよそ者あつかいされたきがする。
俺たちの時代は、同じ街のなかに発展階段の異なる別な国がある。
そういう時代なんだ。
その夜はやけに暑苦しい月曜日だった。
なんとなく、家に帰る気がなかった俺は真夜中近くになっても、ぶらりと散歩をしていた。
黒のズボンに迷彩柄のタンクトップ。
ほんとうは短パンをはきたいところだが、男のすねって醜いからな。
いくら蒸し暑い夜でも、外に出れば風の少しくらいは吹いている。
俺はぐるりと遠回りして、西口公園にむかった。
ロマンス通りからトキワ通りを左折。
あとは劇場通りをのーんびりと流していけば、俺の庭に到着ってな。
夏の夜だから、呼び込みはあい変わらずだった。
今年はマイクロミニよりヴェリーショートの短パンが多かったが、アジア各国の美女軍団がビラ撒きをしている。
もっともまるで金に縁の無さそうな俺には店のビラさえくれないけど。
短い散歩のあいだにひとつ気づいたことがあった。
そいつは…街が前よりもずっときれいになってることだった。
どこを見ても、目につくような場所にはゴミが落ちていないのだ。
これもクリーン運動のお陰かもしれない。
なにせ、やつらは街のベースにたまった走者を毎週月曜ごとに綺麗に掃除していってくれるのだ。
俺はいい気分で、鼻歌をうたいながら円形広場に入った。