ー特別編ーVS不死鳥プロジェクト
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柏からの電話は、五分後にかえっきた。
驚いた声でいった。
『おまえ、どんな魔法を使ったんだ。朧沢さんが会見の場所を指定してきたよ。新宿のヒルトン東京だ。今夜の十二時、ロビーで会おう。』
「わかった。」
柏はあきれたようにいう。
『なあ、悠、お前、どっかの国の諜報部員じゃないよな』
おれは笑っていった。
「どこにこんなに貧乏な007がいるんだよ。おれがただのバカな学生だって、よく知ってるんだろ。」
池袋の刑事はほがらかな声をだした。
『まぁな、だが、おれもバカに対する見方をあらためなきゃいけねぇな。』
日本全国のバカ学生全員の名誉のために役立った。
そう考えると、おれの仕事も悪くない。
「ふぅ…なぁリッカ。」
リッカは富士(リンゴ)をおれに投げ渡してきた。
「なーに?」
「なんか疲労困憊なんだ。すこし眠らせてくれ。」
「ん、あたしの部屋使っていいよー。」
「サンキュ。あ、膝枕のサービスは?」
「膝蹴りなら。」
おれはおとなしく部屋で寝かせてもらった。
その日は夜、コウイチと飯をくう約束だった。
だが、USBメモリーの情報に保険をかけなければいかない。
一休みして、リッカに一声かけて、サンシャイン60の近くにある、ファミレスにいった。
禅はまた窓際の席に座って、窓の外を眺めていた。
おれがボックス席のまえに滑り込む。
「あの…ビルは…おれの墓石…みたいです」
「どういう意味だ?」
「おれは…一年中こうして…あのビルを…みてます。…いつか…死んだら…あの…ビルの…足元に…埋めてもらいたい…です…。さぁ…仕事ですね。」
禅の感情はアナログのように連続していなかった。
根っからデジタルなんだ。
いきなり感傷からビジネスに跳ぶ。
おれはテーブルにUSBメモリーをおいた。
「今夜おれから連絡が入らなかったら、こいつの中身を東京中の新聞や放送局に送りつけてほしい。重要な情報なんだ。」
「悠さん…から…連絡が…入ったら。」
「そっちの情報はすべて消し去ってくれ。」
禅はピンクの透明ケースを手のひらにのせた。
「悠さん…を…見ていると…リアルな世界も…つまらない訳じゃ…ないような気がして…きて、不思議…です。…待ってて…下さい。…いま吸出し…ます。」
ほんの数瞬でリッピングは終了した。
おれはメモリーを受け取り、禅にいった。
「まあ、リアルワールドも悪くないけど、おれは逆にときどき禅が羨ましくなるよ。全部が白か黒か、ゼロかイチかで割りきれたらどんなに楽だろうな。」
禅はクスクスと笑った。
見えている右目が笑顔だ。
「じゃ、またな。あ、禅」
「は…い?」
「いつでもリアルワールドに来たかったらうちに泊まりにこい。エロ話でもしようぜ。」
おれはそれだけいってファミレスを出た。
秋の夕暮れは人をセンチメタルにする力があるのかも知れないな。
驚いた声でいった。
『おまえ、どんな魔法を使ったんだ。朧沢さんが会見の場所を指定してきたよ。新宿のヒルトン東京だ。今夜の十二時、ロビーで会おう。』
「わかった。」
柏はあきれたようにいう。
『なあ、悠、お前、どっかの国の諜報部員じゃないよな』
おれは笑っていった。
「どこにこんなに貧乏な007がいるんだよ。おれがただのバカな学生だって、よく知ってるんだろ。」
池袋の刑事はほがらかな声をだした。
『まぁな、だが、おれもバカに対する見方をあらためなきゃいけねぇな。』
日本全国のバカ学生全員の名誉のために役立った。
そう考えると、おれの仕事も悪くない。
「ふぅ…なぁリッカ。」
リッカは富士(リンゴ)をおれに投げ渡してきた。
「なーに?」
「なんか疲労困憊なんだ。すこし眠らせてくれ。」
「ん、あたしの部屋使っていいよー。」
「サンキュ。あ、膝枕のサービスは?」
「膝蹴りなら。」
おれはおとなしく部屋で寝かせてもらった。
その日は夜、コウイチと飯をくう約束だった。
だが、USBメモリーの情報に保険をかけなければいかない。
一休みして、リッカに一声かけて、サンシャイン60の近くにある、ファミレスにいった。
禅はまた窓際の席に座って、窓の外を眺めていた。
おれがボックス席のまえに滑り込む。
「あの…ビルは…おれの墓石…みたいです」
「どういう意味だ?」
「おれは…一年中こうして…あのビルを…みてます。…いつか…死んだら…あの…ビルの…足元に…埋めてもらいたい…です…。さぁ…仕事ですね。」
禅の感情はアナログのように連続していなかった。
根っからデジタルなんだ。
いきなり感傷からビジネスに跳ぶ。
おれはテーブルにUSBメモリーをおいた。
「今夜おれから連絡が入らなかったら、こいつの中身を東京中の新聞や放送局に送りつけてほしい。重要な情報なんだ。」
「悠さん…から…連絡が…入ったら。」
「そっちの情報はすべて消し去ってくれ。」
禅はピンクの透明ケースを手のひらにのせた。
「悠さん…を…見ていると…リアルな世界も…つまらない訳じゃ…ないような気がして…きて、不思議…です。…待ってて…下さい。…いま吸出し…ます。」
ほんの数瞬でリッピングは終了した。
おれはメモリーを受け取り、禅にいった。
「まあ、リアルワールドも悪くないけど、おれは逆にときどき禅が羨ましくなるよ。全部が白か黒か、ゼロかイチかで割りきれたらどんなに楽だろうな。」
禅はクスクスと笑った。
見えている右目が笑顔だ。
「じゃ、またな。あ、禅」
「は…い?」
「いつでもリアルワールドに来たかったらうちに泊まりにこい。エロ話でもしようぜ。」
おれはそれだけいってファミレスを出た。
秋の夕暮れは人をセンチメタルにする力があるのかも知れないな。