ー特別編ーVS不死鳥プロジェクト
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長い付き合いだ。
そのくらいはわかる。
いくら女がいなくても、おれのまわりにはいい男がたくさんいる。
それだけでもずいぶん生きていくのは楽しくなるものだ。
最後の電話は、柏から。
『組対部の連中がかんかんに怒って、うちの署に怒鳴り込んできたよ。あいつらの顔をお前にも見せたかったな。独断専行はいかんのだとさ。自分達のやっていることをやつらは全然わかっていないみたいだな。うちの署長は見事にやつらを撥ね付けている。ま、おれも立ち会って、緊急時の救出的な調査だといってな。お前のタイミングがよかったんだ。組対部も不死鳥会で、デリヘルの訴えはきいている。だが、同時に女たちをうちに駆け込ませたから、一歩先にこちらが動くことができた。やつらもいつまでも文句はつけられないだろう。明日の新聞にはこの件がでかでかと載るからな。』
おれは素直にどうもありがとうといって、電話を切った。
翌日の朝刊で池袋署の署長代理で小鳥遊柏刑事はこんなコメントを述べていた。
今回の強制捜査が都がすすめる治安回復の一助になったことが、たいへんよろこばしい。
これからも池袋の街を守るために組織犯罪対策部とは緊密なは連携をとっていきたい。
まったく、政治家でも警察官でも、エリート役は大変だ。上面を砂糖で何重コーティングしなければならないのだから。
おれには政治的発言などないから、お気楽なものだ。
おれはそれですべての事件が片付いたと思っていた。
あとは面倒な残務整理が少々。
だが、残念ながら、シェークスピアのいうとおりだったのだ。
終わりは始まり、始まりは終わり。
もっともなにが起きても、あの化け物の台詞に感心することになるのは、世界中の誰もが知っている。
異変の知らせは、ピアノが上手いおれのプロスペローからやってきた。
久々に学校へ行こうとした週明けの月曜、おれの部屋で携帯がなった。
「なんだよ、こんな朝から。」
制服に着替えていると、耳元でイクミの声がした。
『うちのマンションのまえに、男の人たちが何人もいるんです』
意味がわからなかった。
警察がいったん保護した被害者をつけまわすなんて、自殺的な行為である。
筋ものがとる手段とは思えなかった。
「ふたりとも部屋のなかにいたほうがいい。俺がすぐいくから、それまでは警察への通報は控えてくれ。なにが起きても部屋の鍵をあけたらダメだぞ。」
おれはズボンだけ軍パンにはきかえ、まおに一声かけて通りに飛び出した。
目白四丁目は高級住宅。
生垣とレンガ敷の道。
一軒家の駐車場にはメルセデスとBMW、たまにジャガーが少々。
おれは高級感には合わないジープを止めた。
街の空気は都心と高原ほど違う。
おれは瀬沼姉妹の住むマンションに向かった。
サンドベージュのタイル張りのエントランスまえには、男たちが四人立って、じっと三階の部屋を見上げていた。
そのくらいはわかる。
いくら女がいなくても、おれのまわりにはいい男がたくさんいる。
それだけでもずいぶん生きていくのは楽しくなるものだ。
最後の電話は、柏から。
『組対部の連中がかんかんに怒って、うちの署に怒鳴り込んできたよ。あいつらの顔をお前にも見せたかったな。独断専行はいかんのだとさ。自分達のやっていることをやつらは全然わかっていないみたいだな。うちの署長は見事にやつらを撥ね付けている。ま、おれも立ち会って、緊急時の救出的な調査だといってな。お前のタイミングがよかったんだ。組対部も不死鳥会で、デリヘルの訴えはきいている。だが、同時に女たちをうちに駆け込ませたから、一歩先にこちらが動くことができた。やつらもいつまでも文句はつけられないだろう。明日の新聞にはこの件がでかでかと載るからな。』
おれは素直にどうもありがとうといって、電話を切った。
翌日の朝刊で池袋署の署長代理で小鳥遊柏刑事はこんなコメントを述べていた。
今回の強制捜査が都がすすめる治安回復の一助になったことが、たいへんよろこばしい。
これからも池袋の街を守るために組織犯罪対策部とは緊密なは連携をとっていきたい。
まったく、政治家でも警察官でも、エリート役は大変だ。上面を砂糖で何重コーティングしなければならないのだから。
おれには政治的発言などないから、お気楽なものだ。
おれはそれですべての事件が片付いたと思っていた。
あとは面倒な残務整理が少々。
だが、残念ながら、シェークスピアのいうとおりだったのだ。
終わりは始まり、始まりは終わり。
もっともなにが起きても、あの化け物の台詞に感心することになるのは、世界中の誰もが知っている。
異変の知らせは、ピアノが上手いおれのプロスペローからやってきた。
久々に学校へ行こうとした週明けの月曜、おれの部屋で携帯がなった。
「なんだよ、こんな朝から。」
制服に着替えていると、耳元でイクミの声がした。
『うちのマンションのまえに、男の人たちが何人もいるんです』
意味がわからなかった。
警察がいったん保護した被害者をつけまわすなんて、自殺的な行為である。
筋ものがとる手段とは思えなかった。
「ふたりとも部屋のなかにいたほうがいい。俺がすぐいくから、それまでは警察への通報は控えてくれ。なにが起きても部屋の鍵をあけたらダメだぞ。」
おれはズボンだけ軍パンにはきかえ、まおに一声かけて通りに飛び出した。
目白四丁目は高級住宅。
生垣とレンガ敷の道。
一軒家の駐車場にはメルセデスとBMW、たまにジャガーが少々。
おれは高級感には合わないジープを止めた。
街の空気は都心と高原ほど違う。
おれは瀬沼姉妹の住むマンションに向かった。
サンドベージュのタイル張りのエントランスまえには、男たちが四人立って、じっと三階の部屋を見上げていた。