ー特別編ーVS不死鳥プロジェクト
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「なんだ、おまえ、二度と来るなといっただろうが。おまえなんかに用はない。」
最初のひと言から額に青筋を浮かべていた。
そうとう切羽つまっているようだ。
おれはとっておきの笑顔をつくった。
これでホントクラブからスカウトがこないものだろうか。
「未成年の女四人があけた穴のことで話があるといってもか」
ダイキのモグラ面が変わった。
初めて太陽でも見たように目を細める。
おれはいった。
「外の方がいいだろう。顔貸してくれよ。」
俺たちはブラブラと常磐通りを抜けて、客のはいっていない純喫茶にはいった。
ドアが紫色のガラスになっているような、昔ながらの店だ。
ホットココアとミルクとアイスコーヒーを挟んで話し始めた。
「なぜ、おまえがあの女たちの事を知ってるんだ。ただじゃおかねぇぞ。」
おれはわざとらしく手をあげて、ココアをすすった。
「ちょっと待てよ。そんなことが言いたいなら、おれの雇い主にいってくれ。」
リッカがいった。
「頭からトラブルにはまってるのは、アンタのほうでしょ。アンタは手を出してはいけない女に手を出したのよ。城北音大のピアノ科の女を覚えてる?」
やつはなけなしの脳みそを絞っているようだった。
じれったくなっていう。
「お前が債権を一ツ木企画に売ったた女だ。今は『ラブネスト』にいる」
「ああ、この前おまえがきたときに話してた女か。それが、どうした。」
おれは声をひそめて、やつのほうに身体をのりだした。
「あの子の親父さんは、和歌山ではヤバイ仕事をやってるそっちの筋の人間だ。今度、娘を取り戻しに子分を連れて池袋に乗り込んで来るそうだ。手をまわしてあの未成年のガキを送り込んだのも、その人だ。」
でたらめな話ばかりだったが、これくらい単純なほうがダイキにはわかりやすくていいだろう。
「親父さんはお前を沈めるたむに、もっと女を送り込めといったが、おれは反対した。そんなことをしても、お前ひとりで損をかぶるだくで、店は痛くも痒くもないからな。それは『ブラックスワン』も『ラブネスト』も同じだろ。おまえは汚い仕事だけさせられて、結局は赤伝票をつかまされる。」
ダイキはテーブルのうえでこぶしを強く握った。
六百万の赤伝票。
それは売れっ子のホストにたって、重い数字のはずだった。
ダイキは絞りだすようにいった。
「おれ、この仕事を始めてまだ一年にならないんだ。クソッ、今度の四人のおかげで、ようやくうちの店のナンバー1が見えてきたところだったのに。どうすればいいんだ。おれには借金はあっても、貯金なんかないよ」
「そうか。店の方はどうなるんだ」
「半年は給料なしで働き続けることになるだろう。ホストのなかでも最低ランクに落ちぶれる。開店まえは毎日掃き掃除だ。」
おれは目を真っ赤にしてしょぼくれている若いホストを見た。
最初のひと言から額に青筋を浮かべていた。
そうとう切羽つまっているようだ。
おれはとっておきの笑顔をつくった。
これでホントクラブからスカウトがこないものだろうか。
「未成年の女四人があけた穴のことで話があるといってもか」
ダイキのモグラ面が変わった。
初めて太陽でも見たように目を細める。
おれはいった。
「外の方がいいだろう。顔貸してくれよ。」
俺たちはブラブラと常磐通りを抜けて、客のはいっていない純喫茶にはいった。
ドアが紫色のガラスになっているような、昔ながらの店だ。
ホットココアとミルクとアイスコーヒーを挟んで話し始めた。
「なぜ、おまえがあの女たちの事を知ってるんだ。ただじゃおかねぇぞ。」
おれはわざとらしく手をあげて、ココアをすすった。
「ちょっと待てよ。そんなことが言いたいなら、おれの雇い主にいってくれ。」
リッカがいった。
「頭からトラブルにはまってるのは、アンタのほうでしょ。アンタは手を出してはいけない女に手を出したのよ。城北音大のピアノ科の女を覚えてる?」
やつはなけなしの脳みそを絞っているようだった。
じれったくなっていう。
「お前が債権を一ツ木企画に売ったた女だ。今は『ラブネスト』にいる」
「ああ、この前おまえがきたときに話してた女か。それが、どうした。」
おれは声をひそめて、やつのほうに身体をのりだした。
「あの子の親父さんは、和歌山ではヤバイ仕事をやってるそっちの筋の人間だ。今度、娘を取り戻しに子分を連れて池袋に乗り込んで来るそうだ。手をまわしてあの未成年のガキを送り込んだのも、その人だ。」
でたらめな話ばかりだったが、これくらい単純なほうがダイキにはわかりやすくていいだろう。
「親父さんはお前を沈めるたむに、もっと女を送り込めといったが、おれは反対した。そんなことをしても、お前ひとりで損をかぶるだくで、店は痛くも痒くもないからな。それは『ブラックスワン』も『ラブネスト』も同じだろ。おまえは汚い仕事だけさせられて、結局は赤伝票をつかまされる。」
ダイキはテーブルのうえでこぶしを強く握った。
六百万の赤伝票。
それは売れっ子のホストにたって、重い数字のはずだった。
ダイキは絞りだすようにいった。
「おれ、この仕事を始めてまだ一年にならないんだ。クソッ、今度の四人のおかげで、ようやくうちの店のナンバー1が見えてきたところだったのに。どうすればいいんだ。おれには借金はあっても、貯金なんかないよ」
「そうか。店の方はどうなるんだ」
「半年は給料なしで働き続けることになるだろう。ホストのなかでも最低ランクに落ちぶれる。開店まえは毎日掃き掃除だ。」
おれは目を真っ赤にしてしょぼくれている若いホストを見た。