ー特別編ーVS不死鳥プロジェクト
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ダイキに足りない頭で考えさせるために、さらに数日ほどじらしてやった。
そのあいだ、おれは携帯でカズミと連絡をとりあい、池袋のもうひとりのトラブルシューターに最終兵器の力をかりて打ち合わせを重ねた。
リッカ曰く、この武器はあまりに危なすぎるので、滅多には使いたくないらしのだが、今回の獲物は池袋の空をゆく不死鳥と京極会池上組だ。
さすがにリッカのおふくろさんでも、相手にとって不足はなかった。
まぁ、おれの印象でいえば、池上組とリッカのおふくろさんなら、ウエイトからいってもほぼ同じ階級だ。
きっといい勝負をしてくれることだろう。
おれは対価に果物屋の店番を手伝いながら、じっくりとただしいタイミングが来るのを待っていた。
ストラヴィンスキー、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチ。
三人のロシアの作曲家のヴァイオリン協奏曲を順番に聞いたりする。
「悠くん、あたしが一番好きなのは、ショスタコなんだ。」
「あ、おれもだ。あのパッサカリアには地獄の業火のうえで踊るようなソロがあるよな。」
あいつは焼け落ちる池袋の街に、まさにぴったり。
だが、消えない火はないし、永遠に飛び続ける鳥もいない。
「作戦…うまくいくよね?」
「あぁ。」
おれの作戦はうまく運ぶはずだった。
問題だったのは、目標点を越えてうまく運びすぎてしまったところにある。
Xディは夕方から池袋不死鳥プロジェクト会を控えた金曜日。
おれとリッカは、リッカのおふくろさんに目配せして、店をでた。
時代劇なら火打石で送ってくれるだろいが、リッカ母の目にはあの火花に負けない闘志があふれていた。
「リッカ母凄いな…」
「まぁー、店の売り上げが四割も落ちてるからねー。怨み骨髄なのよね。」
西三番街まで、歩いて四分ほど。
このまえと同じ金髪の安物スーツのガキが「ブラックスワン」のまえを掃き掃除していた。
おれは慣れた調子で、声をかけた。
「よう、ダイキさん、いるかな」
ガキは無言でうなずき、地下に降りる鏡張りの階段をさした。
相変わらず無口なやつ。
これでホストが務まるのだろうか。
リッカが聞いた。
「この二、三日あの人かりかりしてなかった。」
初めてガキは目をあげた。
「ひどいっすよ。まえはあんなに下の者に指導することなかったのに。おれも随分殴られました。」
俺たちをダイキの知り合いだとでも思ったようだった。
「そうか、おれからいっといてやるよ。」
「おすっ。お疲れ様っす!」
ホストは外見こそキラキラしているが、意外と体育会系なのだった。
階段をおりて、地下の箱へ。
俺たちは誰にも挨拶せずにロッカールームにむかった。
誰かがなにかを蹴飛ばした派手な音がする。
おれはドアから顔だけのぞかせていった。
「ダイキさんいるかな」
モグラ顔がこちらを振り向いた。
正面にはガキがひとり正座している。
「わ、ホントにモグラだ」
「リッカ、声に出てる。」
そのあいだ、おれは携帯でカズミと連絡をとりあい、池袋のもうひとりのトラブルシューターに最終兵器の力をかりて打ち合わせを重ねた。
リッカ曰く、この武器はあまりに危なすぎるので、滅多には使いたくないらしのだが、今回の獲物は池袋の空をゆく不死鳥と京極会池上組だ。
さすがにリッカのおふくろさんでも、相手にとって不足はなかった。
まぁ、おれの印象でいえば、池上組とリッカのおふくろさんなら、ウエイトからいってもほぼ同じ階級だ。
きっといい勝負をしてくれることだろう。
おれは対価に果物屋の店番を手伝いながら、じっくりとただしいタイミングが来るのを待っていた。
ストラヴィンスキー、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチ。
三人のロシアの作曲家のヴァイオリン協奏曲を順番に聞いたりする。
「悠くん、あたしが一番好きなのは、ショスタコなんだ。」
「あ、おれもだ。あのパッサカリアには地獄の業火のうえで踊るようなソロがあるよな。」
あいつは焼け落ちる池袋の街に、まさにぴったり。
だが、消えない火はないし、永遠に飛び続ける鳥もいない。
「作戦…うまくいくよね?」
「あぁ。」
おれの作戦はうまく運ぶはずだった。
問題だったのは、目標点を越えてうまく運びすぎてしまったところにある。
Xディは夕方から池袋不死鳥プロジェクト会を控えた金曜日。
おれとリッカは、リッカのおふくろさんに目配せして、店をでた。
時代劇なら火打石で送ってくれるだろいが、リッカ母の目にはあの火花に負けない闘志があふれていた。
「リッカ母凄いな…」
「まぁー、店の売り上げが四割も落ちてるからねー。怨み骨髄なのよね。」
西三番街まで、歩いて四分ほど。
このまえと同じ金髪の安物スーツのガキが「ブラックスワン」のまえを掃き掃除していた。
おれは慣れた調子で、声をかけた。
「よう、ダイキさん、いるかな」
ガキは無言でうなずき、地下に降りる鏡張りの階段をさした。
相変わらず無口なやつ。
これでホストが務まるのだろうか。
リッカが聞いた。
「この二、三日あの人かりかりしてなかった。」
初めてガキは目をあげた。
「ひどいっすよ。まえはあんなに下の者に指導することなかったのに。おれも随分殴られました。」
俺たちをダイキの知り合いだとでも思ったようだった。
「そうか、おれからいっといてやるよ。」
「おすっ。お疲れ様っす!」
ホストは外見こそキラキラしているが、意外と体育会系なのだった。
階段をおりて、地下の箱へ。
俺たちは誰にも挨拶せずにロッカールームにむかった。
誰かがなにかを蹴飛ばした派手な音がする。
おれはドアから顔だけのぞかせていった。
「ダイキさんいるかな」
モグラ顔がこちらを振り向いた。
正面にはガキがひとり正座している。
「わ、ホントにモグラだ」
「リッカ、声に出てる。」