ー特別編ーVS不死鳥プロジェクト
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いきなり映ったのは、朧沢副知事である。
夜のサンシャイン60階通りを、白いウインドブレーカーを着て視察していた。
周囲にはボディーガードがびっちり。
ビデオカメラにむかって、朧沢が鋭い視線を向けた。
「池袋の治安回復は順調にすすんでいます。不死鳥プロジェクトは、地域住民の協力もあって、街から犯罪や危険を画期的に減少させています。見てください。怪しい呼び込みや、子どもたちに見せられないキャッチの外国人女性もいなくなった。夜の池袋がこんなに安全できれいになったのは、戦後初めてのことです」
カメラは横に振られて、ほとんど無人の通りを映し出す。
キャッチが居ないだけでなく、街を歩く客さえわずかになっついた。
火の鳥は高い空から枯葉剤でも撒いたようだ。
池袋の街が裸にされている。
「ちょっといってくる。」
おれはまおに声をかけ、返事を待たずに家を飛び出した。
不死鳥に出来ることなどなかったが、じっとしていられなかったのだ。
まずイクミの依頼を片付けよう。
おれは目の前にある仕事に集中することにした。
おれたちにはみな、それ以外になにも出来ることはない。
前回顔をだした無料風俗案内書で、「ラブネスト」に予約をいれてもらった。
当然、指名はイクミの姉のカズミだ。
源氏名はシェリー。
カズミはなぜか予約が混みあっているらしく、九十分待ちだといわれた。
最新型のデリヘルは、なかなか盛況のようだった。
おれたちはなぜ一番でかいものを、一番新しいものを、一番流行ってるものを好きなのだろうか。
時間があまったので、携帯をつかった。
ケンジの声はピリピリしていた。
『なんだよ、悠、こっちはいそがしいんだ』
おれはわざとのんびりいってやる。
「このまえ、ケンジが話した件だけど、池上組のフロント企業の勢いをとめることができたら、ちゃんと報酬がもらえるかな」
ケンジは一瞬考えたようだった。
『ああ、はっきりと効果があるような手をお前が打てたなら』
「『ラブネスト』が閉まったら、どうだ」
一ノ瀬組の若き幹部の声が一段と大きくなった。
「文句なしだ。だがな、あそこは組対部だって手が出せないんだぞ。どうするつもりだ」
予約の時間まではまだまだ時間があった。
おれは昼間のさびれたロマンス通りを眺めながら、ケンジに謎々をだした。
「警察は組関係や風俗店には強いよな。じゃあ、やつらが弱いのは、誰だ?」
『マスコミか』
「いいや、違う。やつらがほんとうに弱いのは、おれたちみたいな一般市民だよ。普通の人間の声がまとまったときが一番弱いさ。」
『それで、おまえには何か考えがある』
「まあな。これから愛の巣に潜入してくるよ。」
ケンジが電話の向こうで笑っていた。
『なぁ、悠。おまえといると飽きないな。よぉし、金の心配はしなくてもいい。存分にやっつけてこい。オヤジにはおれから話をとおしておく』
ありがとうといって、通話を切った。
なあ、もつべきものは、馬鹿でもセンパイだよな。
いい子のみんなも、バカとは仲良くしておくように。
なにせ、そいつがいつ暴力団で出世するかなんて誰にもわからないからな。
夜のサンシャイン60階通りを、白いウインドブレーカーを着て視察していた。
周囲にはボディーガードがびっちり。
ビデオカメラにむかって、朧沢が鋭い視線を向けた。
「池袋の治安回復は順調にすすんでいます。不死鳥プロジェクトは、地域住民の協力もあって、街から犯罪や危険を画期的に減少させています。見てください。怪しい呼び込みや、子どもたちに見せられないキャッチの外国人女性もいなくなった。夜の池袋がこんなに安全できれいになったのは、戦後初めてのことです」
カメラは横に振られて、ほとんど無人の通りを映し出す。
キャッチが居ないだけでなく、街を歩く客さえわずかになっついた。
火の鳥は高い空から枯葉剤でも撒いたようだ。
池袋の街が裸にされている。
「ちょっといってくる。」
おれはまおに声をかけ、返事を待たずに家を飛び出した。
不死鳥に出来ることなどなかったが、じっとしていられなかったのだ。
まずイクミの依頼を片付けよう。
おれは目の前にある仕事に集中することにした。
おれたちにはみな、それ以外になにも出来ることはない。
前回顔をだした無料風俗案内書で、「ラブネスト」に予約をいれてもらった。
当然、指名はイクミの姉のカズミだ。
源氏名はシェリー。
カズミはなぜか予約が混みあっているらしく、九十分待ちだといわれた。
最新型のデリヘルは、なかなか盛況のようだった。
おれたちはなぜ一番でかいものを、一番新しいものを、一番流行ってるものを好きなのだろうか。
時間があまったので、携帯をつかった。
ケンジの声はピリピリしていた。
『なんだよ、悠、こっちはいそがしいんだ』
おれはわざとのんびりいってやる。
「このまえ、ケンジが話した件だけど、池上組のフロント企業の勢いをとめることができたら、ちゃんと報酬がもらえるかな」
ケンジは一瞬考えたようだった。
『ああ、はっきりと効果があるような手をお前が打てたなら』
「『ラブネスト』が閉まったら、どうだ」
一ノ瀬組の若き幹部の声が一段と大きくなった。
「文句なしだ。だがな、あそこは組対部だって手が出せないんだぞ。どうするつもりだ」
予約の時間まではまだまだ時間があった。
おれは昼間のさびれたロマンス通りを眺めながら、ケンジに謎々をだした。
「警察は組関係や風俗店には強いよな。じゃあ、やつらが弱いのは、誰だ?」
『マスコミか』
「いいや、違う。やつらがほんとうに弱いのは、おれたちみたいな一般市民だよ。普通の人間の声がまとまったときが一番弱いさ。」
『それで、おまえには何か考えがある』
「まあな。これから愛の巣に潜入してくるよ。」
ケンジが電話の向こうで笑っていた。
『なぁ、悠。おまえといると飽きないな。よぉし、金の心配はしなくてもいい。存分にやっつけてこい。オヤジにはおれから話をとおしておく』
ありがとうといって、通話を切った。
なあ、もつべきものは、馬鹿でもセンパイだよな。
いい子のみんなも、バカとは仲良くしておくように。
なにせ、そいつがいつ暴力団で出世するかなんて誰にもわからないからな。