ー特別編ーVS不死鳥プロジェクト
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『悠、話してみろ聞いてやる』
「どんな方法か、なぜかもわからない。だけど、池上組には組対部の摘発情報が漏れているらしいんだ。灰色のバスがくるまえに、池上の男たちは通りから消えるし、店はシャッターをおろすらしい」
『なるほどな。だが、組対部のフロアには本庁から百人も捜査官が出張ってるをだぞ。そのうちの誰かから情報が漏れるのは、望ましいことじゃねぇがやむを得ないんじゃないか』
「おいおい、柏。頭が固くなってないか。だって、所轄も機動隊も直前までターゲットがわからないんだろ。だったら、組対部でも手入れ先はトップシークレットのはずじゃないか。下っ端の捜査官が簡単に流せるようなネタじゃないはずだ。」
しばらく沈黙が続いた。
こういうときの柏はとんでもないスピードで頭をつかっているのだ。
おれは黙って考えるままに任せた。
ようやく若き刑事がいった。
『確かにテメェのいうとおりだ。おかしいな。こっちでも内偵させてみる。……悠、おまえ、なかなかセンスいいぞ。ムカつくが、今からでも遅くない。警官になれ。』
勘弁してくれといった。
街のトラブルシューターが生活安全課になるなんて笑い話しにもならない。
おれには制服も制帽も似合わないしな。
「そんなことより、朧沢知事って、どういう人」
柏は素直にいう。
『たいした人だ。』
聞き間違えたかな?
今、あの、柏が、たいした人、といった。
『大学の四年間ずっと首席で、警察庁へ入るときの国家公務員試験でもトップクラスだった。切れ者とか凄腕とか言われるやつはいるが、あの人ほどの切れ味は見たことねぇな。兜馬さんもたいした人だが、また別格だ。おれも一時期、朧沢さんのしたについてたことがあった。よく頭の鋭いやつのことをカミソリとかいうだろ。だけど、あの人についたあだ名はカッターだ。それも刃先にダイヤモンドを埋め込んだやつな。切れないものはないダイヤモンドカッター、それが朧沢先輩だ。』
とんでもない相手のようだ。おれは感心していった。
「それで、いまや時期都知事候補ナンバー1だもんな。」
刑事はそこでため息をついた。
「いいや、そのまえは時期警視庁官だったんだ。だが、ちょっとしたもめごとがあって、その目がなくなった。そうでなければ、いくら現職の知事に口説かれても、先輩が警視庁をやめることはなかっただろう。」
おれは演壇のうえの朧沢を思い出した。
どこにも影のないクリーンな色男のイメージしかない。
「トラブルか?」
『……』
「いまさら、黙るなよ。」
『これは極秘だぞ。先輩の奥さんはキャバクラのホステスだったんだ。自分がいたら出世の邪魔になるといって、自動車で自損事故をおこしてな。』
「自殺…か?」
『自殺未遂。それでバツがついちまった。悠、テメェも役所のなかのことは少しはわかるだろう。』
わかる。たったひとつのバツで、エリートの未来は閉ざされる。
究極の減点主義。
「どんな方法か、なぜかもわからない。だけど、池上組には組対部の摘発情報が漏れているらしいんだ。灰色のバスがくるまえに、池上の男たちは通りから消えるし、店はシャッターをおろすらしい」
『なるほどな。だが、組対部のフロアには本庁から百人も捜査官が出張ってるをだぞ。そのうちの誰かから情報が漏れるのは、望ましいことじゃねぇがやむを得ないんじゃないか』
「おいおい、柏。頭が固くなってないか。だって、所轄も機動隊も直前までターゲットがわからないんだろ。だったら、組対部でも手入れ先はトップシークレットのはずじゃないか。下っ端の捜査官が簡単に流せるようなネタじゃないはずだ。」
しばらく沈黙が続いた。
こういうときの柏はとんでもないスピードで頭をつかっているのだ。
おれは黙って考えるままに任せた。
ようやく若き刑事がいった。
『確かにテメェのいうとおりだ。おかしいな。こっちでも内偵させてみる。……悠、おまえ、なかなかセンスいいぞ。ムカつくが、今からでも遅くない。警官になれ。』
勘弁してくれといった。
街のトラブルシューターが生活安全課になるなんて笑い話しにもならない。
おれには制服も制帽も似合わないしな。
「そんなことより、朧沢知事って、どういう人」
柏は素直にいう。
『たいした人だ。』
聞き間違えたかな?
今、あの、柏が、たいした人、といった。
『大学の四年間ずっと首席で、警察庁へ入るときの国家公務員試験でもトップクラスだった。切れ者とか凄腕とか言われるやつはいるが、あの人ほどの切れ味は見たことねぇな。兜馬さんもたいした人だが、また別格だ。おれも一時期、朧沢さんのしたについてたことがあった。よく頭の鋭いやつのことをカミソリとかいうだろ。だけど、あの人についたあだ名はカッターだ。それも刃先にダイヤモンドを埋め込んだやつな。切れないものはないダイヤモンドカッター、それが朧沢先輩だ。』
とんでもない相手のようだ。おれは感心していった。
「それで、いまや時期都知事候補ナンバー1だもんな。」
刑事はそこでため息をついた。
「いいや、そのまえは時期警視庁官だったんだ。だが、ちょっとしたもめごとがあって、その目がなくなった。そうでなければ、いくら現職の知事に口説かれても、先輩が警視庁をやめることはなかっただろう。」
おれは演壇のうえの朧沢を思い出した。
どこにも影のないクリーンな色男のイメージしかない。
「トラブルか?」
『……』
「いまさら、黙るなよ。」
『これは極秘だぞ。先輩の奥さんはキャバクラのホステスだったんだ。自分がいたら出世の邪魔になるといって、自動車で自損事故をおこしてな。』
「自殺…か?」
『自殺未遂。それでバツがついちまった。悠、テメェも役所のなかのことは少しはわかるだろう。』
わかる。たったひとつのバツで、エリートの未来は閉ざされる。
究極の減点主義。