ー特別編ーVS不死鳥プロジェクト
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ケンジは苦虫を噛み潰したような顔をした。
「だから、オヤジがうるさいんだよ。池上にできて、うちにできないはずがない。組対部に穴を開けてこいって。警視庁直属のエリート連中にそんなこと、誰ができるんだ。」
パスタが届いた。
バターとシメジのいい香り。
キノコが苦手なおれだがにおいは好きだ。
その時だった。
ケンジとおれは顔を見合わせた。
ただひとりおれが知ってるエリートがいた。
正確にいえばエリートではないが…あいつなら経歴レベルでいえば朧沢副知事と張れる。
「柏がいた。嫌だが今度、連絡をとってみる。うまくしたら、副知事と話ができるかもしれない。」
ケンジはあまり期待していないようだった。
「副知事と悠か。なんだかめちゃくちゃな組み合わせだな。」
ゴリラは蕎麦でもたぐるようにパスタをすすりこんだ。
「うるさい。フォークがあるんだから、ちゃんと巻けよ」
「いいじゃないですか。ここは日本なんだから」
コウイチはそういって、同じように麺をすすった。
下品で嫌でなる。おれは優雅にパスタを右まわりに巻き取り、優しく口に運んだ。ボーノ。
ケンジがいった。
「池上のやつらがあまりでしゃばりすぎて、街の裏側はぴりぴりしてる。火の鳥がいるから、ドンパチは避けたいが、このままじゃあ、いつか地元の組織と池上がぶつかるんじゃないか。そのときは豊島開発とうちが手を組んで、おおきなもめ事になるだろう。」
「それで一ノ瀬さんが、いくらでも出すというのか」
「そうだ。組対部の足元で、出入りが起きれば、警視庁は面子にかけてどっちの組織も潰しにかかるだろう。池上はいいさ。東京の出先だけたたかれても、いくらでも兵隊を送り込める。だが、この街でしのいでるうちは、たたかれたらそれで終わりだ。」
風俗だけではなかった。
ヤクザノ世界も一強他弱の二極化が強烈な勢いで加速しているのだ。
今の日本で起きている断裂だった。
ケンジが氷水をのんでいう。
「なぁ、悠、おまえ、うちの組のために働いてくれないか。うちじゃあ、頭の切れるやつはめったにいない。お前みたいに、街の裏と表がわかって、いざというときには表の世界に何かものを言えるやつは一人もいないんだ。そっちのホストクラブ騒ぎにも協力するから、火の鳥と組対部をなんとかしてくれ。」
ケンジがテーブルにつくほど頭をさげた。
コウイチが息をのんだのがわかった。
こいつは池袋では有名な一ノ瀬組の部長なのだ。
「よせよ、ケンジ。おまえにいわれなくても、火の鳥の件では動くつもりだった。警視庁だが、副知事だか知らないが、この街をよそ者にいいようにされるのは腹が立つからな」
昨夜のエミーカの厳しい視線を思い出した。
まだ、なにができるかわからない。
だが、誰かが燃え尽きそうな池袋のために何かをする必要がある。
おれの頭は久しぶりに猛烈な勢いで回転を始めた。
「だから、オヤジがうるさいんだよ。池上にできて、うちにできないはずがない。組対部に穴を開けてこいって。警視庁直属のエリート連中にそんなこと、誰ができるんだ。」
パスタが届いた。
バターとシメジのいい香り。
キノコが苦手なおれだがにおいは好きだ。
その時だった。
ケンジとおれは顔を見合わせた。
ただひとりおれが知ってるエリートがいた。
正確にいえばエリートではないが…あいつなら経歴レベルでいえば朧沢副知事と張れる。
「柏がいた。嫌だが今度、連絡をとってみる。うまくしたら、副知事と話ができるかもしれない。」
ケンジはあまり期待していないようだった。
「副知事と悠か。なんだかめちゃくちゃな組み合わせだな。」
ゴリラは蕎麦でもたぐるようにパスタをすすりこんだ。
「うるさい。フォークがあるんだから、ちゃんと巻けよ」
「いいじゃないですか。ここは日本なんだから」
コウイチはそういって、同じように麺をすすった。
下品で嫌でなる。おれは優雅にパスタを右まわりに巻き取り、優しく口に運んだ。ボーノ。
ケンジがいった。
「池上のやつらがあまりでしゃばりすぎて、街の裏側はぴりぴりしてる。火の鳥がいるから、ドンパチは避けたいが、このままじゃあ、いつか地元の組織と池上がぶつかるんじゃないか。そのときは豊島開発とうちが手を組んで、おおきなもめ事になるだろう。」
「それで一ノ瀬さんが、いくらでも出すというのか」
「そうだ。組対部の足元で、出入りが起きれば、警視庁は面子にかけてどっちの組織も潰しにかかるだろう。池上はいいさ。東京の出先だけたたかれても、いくらでも兵隊を送り込める。だが、この街でしのいでるうちは、たたかれたらそれで終わりだ。」
風俗だけではなかった。
ヤクザノ世界も一強他弱の二極化が強烈な勢いで加速しているのだ。
今の日本で起きている断裂だった。
ケンジが氷水をのんでいう。
「なぁ、悠、おまえ、うちの組のために働いてくれないか。うちじゃあ、頭の切れるやつはめったにいない。お前みたいに、街の裏と表がわかって、いざというときには表の世界に何かものを言えるやつは一人もいないんだ。そっちのホストクラブ騒ぎにも協力するから、火の鳥と組対部をなんとかしてくれ。」
ケンジがテーブルにつくほど頭をさげた。
コウイチが息をのんだのがわかった。
こいつは池袋では有名な一ノ瀬組の部長なのだ。
「よせよ、ケンジ。おまえにいわれなくても、火の鳥の件では動くつもりだった。警視庁だが、副知事だか知らないが、この街をよそ者にいいようにされるのは腹が立つからな」
昨夜のエミーカの厳しい視線を思い出した。
まだ、なにができるかわからない。
だが、誰かが燃え尽きそうな池袋のために何かをする必要がある。
おれの頭は久しぶりに猛烈な勢いで回転を始めた。