ー特別編ーVS不死鳥プロジェクト
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「マジですか、兄貴」
おれはさっと前髪をかきわけて、目に力をいれて、じっとコウイチをにらんだ。
やつは一瞬何かをいいかけたが目を伏せる。
「マジ。それと…これから二度とおれの事を『兄貴』って呼ぶなよ。」
そういえば、入り口に半透明のビニールカーテンを提げた無料案内所がやけに増えたような気はしていた。
おれは風俗には関心ないし、金もないのではいったことはなかったが、池袋の繁華街なら一ブロックも歩けば必ず一軒は見つかるだろう。
おれたちは西口公園から一番近い案内所を目指した。
ロマンス通りのロサ会館向かいにある店である。小さな四辻の角にあるビルの一階が無料案内所で、二階からうえの看板は例によって真っ白だった。
「いくぞ。話はおれにまかせてくれ。」
ぬるりとした感触のビニールカーテンをくぐって、店内に入っていった。
中はコンビニと同じくらい明るい。隅々まで蛍光灯の明かりで満たされていた。
広さは二十畳くらいあるだろうか。
壁にはびっしりと風俗のポスターが貼られていた。
店の名前とシステム、時間と料金、あとは目線が着いてたりいなかったりする若い女たちの写真。
おれたちのほかに客は二、三人しかいなかった。
次々と壁のポスターを確認していった。
パソコンのDTPが発達して、この程度のポスターなら少部数でも簡単に作ることができるのだ。
便利な世の中になったものだ。「ラブネスト」は白い壁の中央の一番いい場所に麗々しく張り出してあった。
周囲を金のテープで囲んであったから、きっと一押しの店なのだろう。
どうやらこの無料案内所は、ブティックと同じ方式のようだった。客の側から声をかけない限り、そっとしておいてくれるのだ。
明るい店内の奥には、胸の高さのカウンターがあった。壁にはワンドリンク無料サービスの文字。安いクラブみたいだ。
おれは白いシャツの胸をはだけた茶髪に声をかけた。きっと日サロで焼いた胸が自慢なのだろう。
「あのさ『ラブネスト』って、どう。評判いいのかなあ」
男はもみ手をする勢いで寄ってきた。
「お目が高いですね、お客さん。あそこが池袋で一番ホットじゃないですか。ちょっとお待ちください。」
カウンターの下から分厚いファイルをとりだした。
「壁に貼ってあるのは。顔だしOKの子なんで、ほかにもこんなかわいい子がいますよ。どうぞ」
サービス満点の笑顔だった。
きっとこの案内所へのキックバックも「ラブネスト」が一番いいに違いない。
おれがパラパラと厚紙の台紙をめくると、コウイチがうしろからのぞきこんでくる。
四枚目か五枚目で、おれはカズミによく似た女の写真を見つけた。
サイドが黒ひもになったTバックで、胸を押さえてこちらに笑いかけてる女だ。
人差し指と中指の二本で乳首だけ隠していた。
源氏名はシェリー。
受付の男はわざとらしく声を落とした。
「それからね、お客さん。女の子によっては本番もイケますから。部屋に入ったら交渉してみてください。」
わかってるでしょうという顔で、おれにうなずいて見せた。
よくわからないが、おれもわかっている顔をした。
「どうしますか。お客さんがこれから店に行くなら、ここから予約しておきますが」
男はすぐに携帯電話を抜こうとした。
おれはさっと前髪をかきわけて、目に力をいれて、じっとコウイチをにらんだ。
やつは一瞬何かをいいかけたが目を伏せる。
「マジ。それと…これから二度とおれの事を『兄貴』って呼ぶなよ。」
そういえば、入り口に半透明のビニールカーテンを提げた無料案内所がやけに増えたような気はしていた。
おれは風俗には関心ないし、金もないのではいったことはなかったが、池袋の繁華街なら一ブロックも歩けば必ず一軒は見つかるだろう。
おれたちは西口公園から一番近い案内所を目指した。
ロマンス通りのロサ会館向かいにある店である。小さな四辻の角にあるビルの一階が無料案内所で、二階からうえの看板は例によって真っ白だった。
「いくぞ。話はおれにまかせてくれ。」
ぬるりとした感触のビニールカーテンをくぐって、店内に入っていった。
中はコンビニと同じくらい明るい。隅々まで蛍光灯の明かりで満たされていた。
広さは二十畳くらいあるだろうか。
壁にはびっしりと風俗のポスターが貼られていた。
店の名前とシステム、時間と料金、あとは目線が着いてたりいなかったりする若い女たちの写真。
おれたちのほかに客は二、三人しかいなかった。
次々と壁のポスターを確認していった。
パソコンのDTPが発達して、この程度のポスターなら少部数でも簡単に作ることができるのだ。
便利な世の中になったものだ。「ラブネスト」は白い壁の中央の一番いい場所に麗々しく張り出してあった。
周囲を金のテープで囲んであったから、きっと一押しの店なのだろう。
どうやらこの無料案内所は、ブティックと同じ方式のようだった。客の側から声をかけない限り、そっとしておいてくれるのだ。
明るい店内の奥には、胸の高さのカウンターがあった。壁にはワンドリンク無料サービスの文字。安いクラブみたいだ。
おれは白いシャツの胸をはだけた茶髪に声をかけた。きっと日サロで焼いた胸が自慢なのだろう。
「あのさ『ラブネスト』って、どう。評判いいのかなあ」
男はもみ手をする勢いで寄ってきた。
「お目が高いですね、お客さん。あそこが池袋で一番ホットじゃないですか。ちょっとお待ちください。」
カウンターの下から分厚いファイルをとりだした。
「壁に貼ってあるのは。顔だしOKの子なんで、ほかにもこんなかわいい子がいますよ。どうぞ」
サービス満点の笑顔だった。
きっとこの案内所へのキックバックも「ラブネスト」が一番いいに違いない。
おれがパラパラと厚紙の台紙をめくると、コウイチがうしろからのぞきこんでくる。
四枚目か五枚目で、おれはカズミによく似た女の写真を見つけた。
サイドが黒ひもになったTバックで、胸を押さえてこちらに笑いかけてる女だ。
人差し指と中指の二本で乳首だけ隠していた。
源氏名はシェリー。
受付の男はわざとらしく声を落とした。
「それからね、お客さん。女の子によっては本番もイケますから。部屋に入ったら交渉してみてください。」
わかってるでしょうという顔で、おれにうなずいて見せた。
よくわからないが、おれもわかっている顔をした。
「どうしますか。お客さんがこれから店に行くなら、ここから予約しておきますが」
男はすぐに携帯電話を抜こうとした。