ー特別編ーVS不死鳥プロジェクト
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浄化作戦が進んでいる最中に大胆な話である。
地元の組織はもめ事を避けようと小さくなっているのだが。
「じゃあ『ラブネスト』って店は知ってるか」
コウイチは不思議そうな顔でおれを見た。
「有名ですよ。悠さんって、本当に池袋育ちなんですか」
ずっと池袋で育ったわけじゃないけどおれのホームタウンはここだ。
「そうだけど、風俗の事はよく知らないんだよ」
「今、池袋の風俗で一番はやってるのは、あのデリヘルじゃないですか。どこかの会社がヘルスビルを丸々一棟買いしたんです。それでコンバージョンっていうんですか、オフィスビルを居住用のワンルームマンションに変えて。ひと月前ぐらい前に、オープンしたのかな」
うん。さっぱり意味がわからなかった。
「その店の業種は何なんだ」
「最新型のデリバリーヘルス」
携帯電話やパソコンと同じで、デリヘルもモデルチェンジしているようだった。
何もかもそんなスピードで変わらなくても、おれはいいと思うんだが。
「話してくれ」
風が少し冷たくなってきたようだった。
円形広場の石畳を枯葉が走っていく。
コウイチはGジャンのまえをあわせていった。
「警察は風俗業者に正規の届け出をして、デリバリーヘルスに転向しろって進めてるんです。責任者の登録をして、ちゃんと税金を払えって。それで昔みたいな受付と待合室と個室が全部一体になったような店は違法だって片っ端から摘発してるみたい。」
なるほどそれなら税収も上がるし、いざというときには責任者を引っ張るのも簡単だ。警察にも国税にも都合がいいだろう。
「じゃあデリヘルなら新規で開店できるのか」
「ええ。だから、資金力のあるところは、『ラブネスト』みたいにビルを丸々買いこんで、一階にフロントを作り、残りの部屋は営業用に確保したんです。女の子は同じビルの中に住んでるから、時間の無駄もないし、すごく効率がいいらしいです。先週同じ系列で『ラブハウス』っていうのが新規開拓してますから」
「なんか、つまんない話だな。結局資金力のある奴が勝つのか」
なんだか救われない話になってきた。現代日本はもつ者と持たざる者に引き裂かれているという。
その強烈な斥力は六本木ヒルズだけじゃなく、池袋の風俗街にも押し寄せているのだ。
豊かな巨大風俗店とバタバタとつぶれていく地場のちいさな店。
「そういう店はどうやって客集めしているのかな」
「なにいってるんですか。悠さんだって毎日まえを通っているじゃないですか。」
わからないと、おれ。
「だから、最近池袋でもやけに風俗の無料案内所が増えてるでしょう。あんな店や携帯のサイトを使った集客が多いんです。」
おれは素直にうなずいた。
「なるほどな、お前けっこう役に立ちそうだな。」
「兄貴、ありがとうございます!!」
おれは冷たい金属性のベンチから立ち上がった。尻をはたいていう。
「じゃあ、いってみようか。」
コウイチは目を丸くして、おれを見た。
「どこにですか。」
「その無料案内所」
地元の組織はもめ事を避けようと小さくなっているのだが。
「じゃあ『ラブネスト』って店は知ってるか」
コウイチは不思議そうな顔でおれを見た。
「有名ですよ。悠さんって、本当に池袋育ちなんですか」
ずっと池袋で育ったわけじゃないけどおれのホームタウンはここだ。
「そうだけど、風俗の事はよく知らないんだよ」
「今、池袋の風俗で一番はやってるのは、あのデリヘルじゃないですか。どこかの会社がヘルスビルを丸々一棟買いしたんです。それでコンバージョンっていうんですか、オフィスビルを居住用のワンルームマンションに変えて。ひと月前ぐらい前に、オープンしたのかな」
うん。さっぱり意味がわからなかった。
「その店の業種は何なんだ」
「最新型のデリバリーヘルス」
携帯電話やパソコンと同じで、デリヘルもモデルチェンジしているようだった。
何もかもそんなスピードで変わらなくても、おれはいいと思うんだが。
「話してくれ」
風が少し冷たくなってきたようだった。
円形広場の石畳を枯葉が走っていく。
コウイチはGジャンのまえをあわせていった。
「警察は風俗業者に正規の届け出をして、デリバリーヘルスに転向しろって進めてるんです。責任者の登録をして、ちゃんと税金を払えって。それで昔みたいな受付と待合室と個室が全部一体になったような店は違法だって片っ端から摘発してるみたい。」
なるほどそれなら税収も上がるし、いざというときには責任者を引っ張るのも簡単だ。警察にも国税にも都合がいいだろう。
「じゃあデリヘルなら新規で開店できるのか」
「ええ。だから、資金力のあるところは、『ラブネスト』みたいにビルを丸々買いこんで、一階にフロントを作り、残りの部屋は営業用に確保したんです。女の子は同じビルの中に住んでるから、時間の無駄もないし、すごく効率がいいらしいです。先週同じ系列で『ラブハウス』っていうのが新規開拓してますから」
「なんか、つまんない話だな。結局資金力のある奴が勝つのか」
なんだか救われない話になってきた。現代日本はもつ者と持たざる者に引き裂かれているという。
その強烈な斥力は六本木ヒルズだけじゃなく、池袋の風俗街にも押し寄せているのだ。
豊かな巨大風俗店とバタバタとつぶれていく地場のちいさな店。
「そういう店はどうやって客集めしているのかな」
「なにいってるんですか。悠さんだって毎日まえを通っているじゃないですか。」
わからないと、おれ。
「だから、最近池袋でもやけに風俗の無料案内所が増えてるでしょう。あんな店や携帯のサイトを使った集客が多いんです。」
おれは素直にうなずいた。
「なるほどな、お前けっこう役に立ちそうだな。」
「兄貴、ありがとうございます!!」
おれは冷たい金属性のベンチから立ち上がった。尻をはたいていう。
「じゃあ、いってみようか。」
コウイチは目を丸くして、おれを見た。
「どこにですか。」
「その無料案内所」