ー特別編ーVS不死鳥プロジェクト
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「なんで、そんなにすぐわかる」
ケンジは鼻で笑った。
信号が変わり、おれとコウイチは西口公園にむかって、横断歩道を渡った。
都心の交差点の空にフィルムのような羽をしたトンボが浮かんでいる。
『察しが悪いな。そいつが今日の会議のテーマだったのさ。池上のやつらには、火の鳥はいいチャンスのようだ。池袋が混乱してるのをいいことに、大量の資金と人材を投入して攻勢をかけてきやがった』
おれは横断歩道の途中で立ち止まった。
コウイチは怪訝そうな表情で、おれを見ている。
「でも、どうしてだ。利点が見つからないぞ。」
『サツが風俗街をまったく別のものにつくり変えようとしてるのさ。詳しいことは、次に会ったら話してやる。だがな、悠。』
ケンジの声に光が消えた。本職によるマジ声だ。
『池上系列の店に手をだすなら、よほど慎重にやるんだぞ。お前が本当は頭がいいのはおれはよく知ってる。それでも気を抜くな、いいな。』
わかったといって、通話を切った。
タクシーにクラクションを鳴らされ、おれたちは中央分離帯に取り残された。
思わず声が出てしまった。
「困ったな…」
「どうしたんですか」
京極会は関西に本部をおく、暴力団の全国チェーンだった。
日本の全ヤクザの半分はそっちの系列。
よく知らないが構成員は三万だか、四万人くらいいるらしい。
そのなかでも武闘派で有名なのが池上組だ。
なんでも危ない人間をたくさん抱えていて、抗争が起こるたびに無制限に戦闘員を送り込んでくるという。
池上組に手を出すなんて、大スズメバチの巣に裸で入っていくようなものだった。
身体中にに好物の果汁を塗ってね。
ー西口公園ー
秋の西口公園は、おれのすきな場所だ。
夏は夏で好きなんだが、秋では人はずっとすくなく、空は冷たく高い。
日差しも空気も乾いて、人と人の距離がすこし離れた感じがする。
暗くなって、たがいの表情もよく読めなかった。
都会での適正な距離感だ。
パイプベンチに腰かけて、おれはざっと清純派の姉がはまったホストクラブのトラブルを話してやった。
コウイチはあきれていった。
「最近は女子大生でもホスト遊びするんですね」
それどころか高校生だってはまっている。
あらゆる悪い遊びが低年齢化している時代なんだ。
「それより、『ブラックスワン』の噂はきかないか」
「あそこのホスト評判悪いですよ。強引だし、やけに態度がでかくて。うちの客は男で、向こうの客は女だから、まだいいけど。ほかの店のホストとはよくもめてますから」
「おまえのところの店は、どこの系列なんだ。」
「うちは一ノ瀬組ですけど、最近は池上の人がよく顔だしてます。格闘技やコンサートのチケットとか押し付けられて、オーナーも困ってるみたいです。」
「そうか」
一ノ瀬組の縄張りにも関西系の大手が粉をかけているようだった。
ケンジは鼻で笑った。
信号が変わり、おれとコウイチは西口公園にむかって、横断歩道を渡った。
都心の交差点の空にフィルムのような羽をしたトンボが浮かんでいる。
『察しが悪いな。そいつが今日の会議のテーマだったのさ。池上のやつらには、火の鳥はいいチャンスのようだ。池袋が混乱してるのをいいことに、大量の資金と人材を投入して攻勢をかけてきやがった』
おれは横断歩道の途中で立ち止まった。
コウイチは怪訝そうな表情で、おれを見ている。
「でも、どうしてだ。利点が見つからないぞ。」
『サツが風俗街をまったく別のものにつくり変えようとしてるのさ。詳しいことは、次に会ったら話してやる。だがな、悠。』
ケンジの声に光が消えた。本職によるマジ声だ。
『池上系列の店に手をだすなら、よほど慎重にやるんだぞ。お前が本当は頭がいいのはおれはよく知ってる。それでも気を抜くな、いいな。』
わかったといって、通話を切った。
タクシーにクラクションを鳴らされ、おれたちは中央分離帯に取り残された。
思わず声が出てしまった。
「困ったな…」
「どうしたんですか」
京極会は関西に本部をおく、暴力団の全国チェーンだった。
日本の全ヤクザの半分はそっちの系列。
よく知らないが構成員は三万だか、四万人くらいいるらしい。
そのなかでも武闘派で有名なのが池上組だ。
なんでも危ない人間をたくさん抱えていて、抗争が起こるたびに無制限に戦闘員を送り込んでくるという。
池上組に手を出すなんて、大スズメバチの巣に裸で入っていくようなものだった。
身体中にに好物の果汁を塗ってね。
ー西口公園ー
秋の西口公園は、おれのすきな場所だ。
夏は夏で好きなんだが、秋では人はずっとすくなく、空は冷たく高い。
日差しも空気も乾いて、人と人の距離がすこし離れた感じがする。
暗くなって、たがいの表情もよく読めなかった。
都会での適正な距離感だ。
パイプベンチに腰かけて、おれはざっと清純派の姉がはまったホストクラブのトラブルを話してやった。
コウイチはあきれていった。
「最近は女子大生でもホスト遊びするんですね」
それどころか高校生だってはまっている。
あらゆる悪い遊びが低年齢化している時代なんだ。
「それより、『ブラックスワン』の噂はきかないか」
「あそこのホスト評判悪いですよ。強引だし、やけに態度がでかくて。うちの客は男で、向こうの客は女だから、まだいいけど。ほかの店のホストとはよくもめてますから」
「おまえのところの店は、どこの系列なんだ。」
「うちは一ノ瀬組ですけど、最近は池上の人がよく顔だしてます。格闘技やコンサートのチケットとか押し付けられて、オーナーも困ってるみたいです。」
「そうか」
一ノ瀬組の縄張りにも関西系の大手が粉をかけているようだった。